PassCode|PassCodeって挑戦し続けるグループじゃないと駄目だと思っているので

PassCode|PassCodeって挑戦し続けるグループじゃないと駄目だと思っているので

PassCodeのメジャー第2弾アルバム『CLARITY』が凄い。

リリース直後から大きな反響を得て、オリコンやBillboard JAPANといったチャートで自己最高位を更新したこともさることながら、その作品としての中身が“強い”のだ。

2017年8月にリリースされたメジャー第1弾『ZENITH』は“振り切った”アルバムだった。「ラウド・ロック」「シャウト」といったPassCodeを象徴する特性を前面に打ち出し、それまでに築き上げてきたPassCodeサウンドの究極形を力強く誇示するものとなった。そして、2018年2月にはインディーズ時代の楽曲を再構築したアルバム『Locus』をリリースし、そこに収録された唯一の新曲「PARALLEL」でキャッチーかつメロディアスな方向性を提示。同年5月にはそうした路線を推し進めたシングル「Ray」を、9月にはメロディアスとラウドが同居する両A面シングル「Tonight/Taking you out」を世に問い、2019年4月には最新アルバム『CLARITY』をリリース。「Ray」路線の親しみやすいナンバーを軸に、『ZENITH』で示したハードコアなPassCodeやさらなる新機軸をも展開し、多種多様な間口の広いサウンドを築き上げている。

SNSで多種多様な価値観が共有される昨今。そこでは万人へと向けた中庸な表現よりもいずれかの方向へと振り切った表現が支持される。そんな中、まさに“振り切った”『ZENITH』の後に、極めてキャッチーなアルバムをリリースしたPassCode。ある意味これはリスクを伴う選択だっただろう。『ZENITH』で提示した強靭なサウンドが軟化し、より広い聴衆へと向けて薄味となるのではないか…。だが、それは杞憂に終わった。

ハードコアなPassCodeが炸裂するもどこか抜けの良いサウンドが印象的な「PROJECTION」。享楽的なダンスサウンドを繰り広げる「DIVE INTO THE LIGHT」。痛快なファンクビートと高速スラッシュサウンドが交錯する「4」。目まぐるしい展開とヘヴィなビートという従来のPassCodeサウンドに陽性の解放感が加わった「THE DAY WITH NOTHING」。切々としたトーンで綴られる叙情的ミディアム・バラード「horoscope」。実に多彩な表現をものにしているが、いずれもそこに生々しい情感が滲んでいる。鋼の甲冑を装備した頑強なロボットのごとき『ZENITH』に対し、それを纏いながら数々の闘いに挑んできたことで強靭な精神を肉体を獲得した生身の人間のような『CLARITY』。生々しいゆえに弱さや優しさも垣間見え、それゆえに一層強くなった印象だ。PassCodeを定義した『ZENITH』に対し、「PassCodeの未来を照らす光」とメンバー自身が描写するこの新作はグループの果てしない可能性をもたらすものとなった。『CLARITY』という一歩を踏み出したことで、今後はあらゆる方向へと進むことが可能。そんな解放感に満ち満ちている。

大上陽奈子、高嶋楓、南菜生、今田夢菜の4人にお話を伺った。Speak emoには初登場となるが、筆者自身は4度目となるインタビュー。今回は少し趣向を変え、メンバー個別にインタビューを行なった。その分、アルバムに対する想いをじっくり聞くことができた。ご一読いただきたい。

軸から外れたんじゃなくて、軸がだんだん太くなってきてるみたいな

――最初に取材させていただいた際、ちょうどメジャーデビューして『ZENITH』が出る頃だったんですが、その時のグループの状態についてお伺いしたら、大上さんは「パズルがぴたっとハマったような」とおっしゃっていました。そのパズルは今もぴったりハマってますか?

大上:そうですね。ハマってると思います。でも、新しい形を模索してる感じもありますかね。

――まあ、いろんな“壁”を乗り越えてこられたので、時には少し揺らぐこともあるんじゃないでしょうか。ちょっと主張がぶつかったりとか、それこそ喧嘩したりとか、そういうことはないですか?

大上:喧嘩はないですかね。ぶつかったりとかもあんまりないです。

――以前『Locus』がリリースされる頃に「今後どういうふうな方向性で行きたいですか?」といったことをお聞きしたら、皆さんそれぞれ違ってたんです。大上さんはどういう言われたか覚えてますか?

大上:なんて言ったんやろう…?

――『Locus』の中の新曲「PARALLEL」で新しい方向性が示され、さらに新曲「Ray」を作られている頃でした。

大上:覚えてないです。どう思ってたやろう、その頃…。

――「PARALLEL」とか、その後リリースされる「Ray」のような「間口の広いものをやっていって、どんどん広めていきたい」といったことをおっしゃっていました。

大上:あぁ、言ってました。「Ray」が発売された後って、自分の周りの人からの評価がすごく高くて。例えば友だちとか、親戚とかお母さんからも好評でした。あと、高校の時の先生からも「『Ray』聴きやすいね」って。あと、(トルツメ)カラオケで歌えるのがやっぱり強いなと思いました。日本語だしメロディも入ってきやすくて。で、「Ray」でいいなって思ってくれた人たちが、その後の「Tonight」とかもちゃんと聴いてくれたりしたので、やっぱりそういった馴染みやすい曲もたまに必要なのかなって感じましたね。

――「PARALLEL」が『ZENITH』とはまたかなり違った印象で、そこで示された新たな方向性の中で「Ray」がリリースされ、今作に繋がっている感じがしました。そういった方向性って、プロデューサーの平地(孝次)さんと、あるいはメンバー間で話し合ったりしましたか?

大上:「アルバムはこういう感じでいこう」っていうのは、平地さんが考えてくれました。でも、南とかは「horoscope」に関して「こういう曲を作って欲しい」って依頼したみたいです。

――アルバムのレコーディングはどんな感じだったんですか?

大上:レコーディングは、ひとことで言ったら怒涛でした。PassCodeはこれまでも短い期間の中で制作することが多かったんですけど、今回はその中でも一番ぐらいのタイトさでしたね。前日に仮歌が届いたものとか2曲ぐらいありました。

――そんな感じだったんですね。

大上:正直大変と思いました。その時は。

――でも、メジャーっぽいですね。スケジュールが決まっていて、それに向けてダァーッと作るみたいな。

大上:あと英語の曲が多いので、「これ1日や2日で覚えれるんかな?」って思ってました。

――英語の歌詞を覚える時は、意味もしっかり理解されるわけですか?

大上:今回のアルバムでは、訳詞も送ってきてくれて、それを見て理解しました。

――英語の勉強にもなったわけですね。

大上:そうですね。発音はだんだん洗練されてきてるんじゃないかなって思います。

――海外にも行かないといけないわけですから。

大上:最近海外のお客さんもたくさん聴いてくれているみたいなので、英語の発音も磨いていかないと、と思いますね。

――で、アルバムです。変わりましたよね。

大上:やはりそう感じますか。

――はい。大上さんとしてはどう感じていますか?

大上:私も変わったと思います。個人的にはこっちの方が好みです(笑)。いろんなジャンルが聴きたい人間なので。『ZENITH』に収録されている“ザ・PassCode”みたいな曲が好きな方もいっぱいいると思うんですが、「horoscope」や「WILL」のような曲が入ってくることによっていろんなPassCodeが見せられると思います。平地さんの書く曲って、激しくて重たいサウンドがすごいカッコ良くて、そういう点が評価されがちだと思うんですが、実はミドルテンポの曲とかゆっくりめな曲もすごくいいんですよね。『CLARITY』を聴けばそれが分かるんじゃないかなと思います。

――平地さんは王道系のアイドルにも曲を書かれたりしていますし、以前のPassCodeにはアイドルっぽい曲やポップな曲もあります。そもそも平地さんって、久石譲さんから多大な影響を受けたともおっしゃっていますし。本当にいろんな曲やサウンドを作られるんですよね。ところで、先ほど「『ZENITH』はザ・PassCode」とおっしゃいましたが、今作『CLARITY』はそこにバリエーションを付けたという感じでしょうか?

大上:『ZENITH』では、PassCodeの“軸”を固めたと思っていて…。で、今回もあんまり変わったことをしたとは思ってないんですよね。まぁ、ちょっと先に進んだかなという感じですかね。軸から外れたんじゃなくて、軸がだんだん太くなってきてるみたいな。決して別の場所に行ってるわけではないと思います。これはこれでPassCodeだなと思いますし。

――以前もいろんなスタイルの曲をやっていましたが、前作『ZENITH』はある意味ひとつの“塊”みたいな作品となった印象でした。この『CLARITY』はあくまでその延長線上にあるとは思うんですが、バリエーションが増えた感はありますよね。例えば、歌の表現などで意識して変えた部分はありますか?

大上:歌も変わってると思います。とりあえず音程が高いんですよ。仮歌では平地さんが歌ってくれてるんですけど、裏声で出ちゃうんです。出ちゃうから「ここまで行けるわ」ってどんどん歌に盛り込んでくるんですけど、それが高いんですよね。

――前もおっしゃってましたけど、平地さんの仮歌を越えるべく頑張って歌ってらっしゃるんですよね。仮歌と本番って、キーは違うんですか?それとも同じ???

大上:同じなんです。

――男女で同じキーなんですね。

大上:そうなんです。同じキーで出ちゃうんですよ。

――すごいですね。裏声とかを使ってってことですか?

大上:そうです。裏声なんですけど。でも私たちが歌う時は地声を求めてくるんです。「これ、地声で出るんかな…」って私が言ったら、「いける!PassCodeに無理はない!」みたいに言ってきて(笑)。

――体育会系ですね。裏声に逃げられないわけですね。

大上:逃げられなくて…。気合で出すんです。

――なるほど。オートチューンの部分もだいぶ減りましたよね。

大上:メンバーの個性がより分かるようになりましたよね。

――それに生っぽさが出てる感じがします。

大上:それはすごく思います。楽器に関していえば、いつもライブでもギターを弾いてくれてるYoichi君っていうメンバーがいるんですが、Yoichi君が平地さんと一緒に作曲合宿をしたんですよ。そこでギターのメロディラインとかいろいろと一緒に考えて作っていったみたいで。そういうのもあったから、生っぽさが出てるのかもしれないですね。その場その場で作っていったらしいので。

――ところで、Twitterで「めちゃくちゃ好きな曲がある」って呟かれていましたが…。

大上:「horoscope」です。仮歌を聴いて涙が出たんです(笑)。初めてのことでした。今までそんなことなかったです。歌を聴いて感動することは結構あるんですが、涙が出るところまで響く曲って今までそんなになくて…。だからこの曲は大切にしたいなって思います。

――ましてや自分たちの曲で涙するわけですから、特別ですよね。

大上:そうなんです。自分たちの曲でそんな曲に出会えたって言うのがすごいうれしいです。

――どういうところがお気に入りですか?

大上:自然と涙が出てきます。あと、もともとピアノが入ってるサウンドがすごく好きなので、ピアノが盛り込まれているところも。平地さんもだんだん追加していったみたいで。ピアノとか管楽器系とか。最終的にあんな感じに仕上がりました。

――他はどうですか?ファンクっぽい曲もありますよね。「4」とか。

大上:「4」も好きです。

――これなんて言葉の載せ方とかがすごくおもしろいですよね。

大上:「4」は一番いろんな歌い方を試した曲かもしれないですね。「無機質に」とか「感情ない感じで」みたいに歌ってみたりもしました。

――では、改めてアルバムの聴きどころは?

大上:聴きどころは…。まずは曲順どおりに聴いていただいて、そのあとにシャッフルでめっちゃ聴いて欲しいな、と。いろんなジャンルが入ってるからこそ、シャッフルで聴いたら「あ、次これ来た」っていう落差があると思うので、楽しいんじゃないかなって思います。

――そのご意見、面白いですね。今はサブスク時代を迎えていて、「アルバムで聴く」っていう概念が希薄になってきていて…。それに対応した作り方をしてるアーティストもいたりしますよね。そういう意味では、『CLARITY』はアルバムとしても聴けるけど、シャッフルで聴くのもまた面白い、と。

大上:でも、最初は曲順どおりに聴いていただきたいですけどね。

明るい光というより暗闇で輝く光がPassCodeには合ってると思うんですよ

――高嶋さんって“ネットイキリ”なんですよね?(笑)

高嶋:ネットイキリです(笑)。基本MCとかでは喋らないんですけど、Twitterとかだといろいろ言います。長文書いて。

――ですよね。時々よく分からないことも(笑)。

高嶋:適当に呟いてます。

――では、お喋りでもちょっと“イキって”いただきたいなと思うのですが、今回のアルバムはいかがですか?

高嶋:『CLARITY』って直訳すると「明快さ」とか「明確さ」って意味なんですが、「今までPassCodeがやってきたことを自信に変えて、このアルバムが照らしてくれる未来を信じて、このアルバムと共にこれからも進んでいく」っていう意思が込められているんです。1年8カ月前にリリースしたメジャー初のアルバム『ZENITH』は一色で統一されてたんですけど、今回はそれとは全然違っていて…。でも、それがあったからこそこのアルバムが作れたんかなって思っています。全体的にカラフルな感じで、インディーズの時はこういうカラフルなものが多かったので、ちょっと懐かしい感じもありますね。懐かしいけど今のPassCodeの、進化したPassCodeのアルバムができたかなって思います。

――めっちゃ喋れるじゃないですか(笑)。

高嶋:いえいえ。ネットイキリです(笑)。

――で、アルバムですが、確かに印象が大きく変わりました。歌う側としてはいかがですか?

高嶋:英語パートが多いじゃないですか。英語はもともと苦手で…。でも、PassCodeで歌うようになって結構勉強しましたし、歌うことで少しは鍛えられました。あと、リリースするたびにどんどんキーが高くなっていっているので、レコーディングは苦労しました。全然声が出ないパートとかいっぱいあって。

――大上さんも同じようなことをおっしゃってました。でも、聴いた感じだと、『ZENITH』のほうが何かすごいメカニカルな感じがして、すごく硬質にガシッと作られている印象で…。

高嶋:あの頃は尖ってて、メジャー初めてのアルバムだったので「PassCodeはこういうものです」みたいなんを提示するのに必死で。だから、とりあえず一色にまとめものにしようということで、尖った感じでPassCodeって感じのアルバムができたんです。でも今回は人間的、人間らしさがあるアルバムになったと思います。

――まさにそうですよね。以前取材させていただいた際、『ZENITH』が「どんなアルバムか」という問いに対して、高嶋さんは「トゲトゲ」とおっしゃってたんですけど、本当そうですよね。そういう意味でも、ガーンと高い声を出してる印象があったんですが、むしろ今作の方が高いんですね。

高嶋:そうですね。こっちの方が高いんですが、“柔らかい高さ”と言ったらいいんですかね。『ZENITH』の時は尖った高さというか。今作は人間っぽく歌ってるんですけど、キーが高いんです。それに表現が難しい…。『ZENITH』の時はオートチューンが結構掛かってたので、世界観が統一されてたんですけど…機械っぽい感じで…。そういう機械っぽい高音は得意なんです。でも、人間らしくて味のある歌声、感情的な歌声が、高嶋はすごく苦手で…。なので今回は難しかったです。

――感情を出すのが苦手なんですか?

高嶋:歌に感情を乗せるのがすごく苦手で。平地さんにも「すごく機械っぽい」って言われるんです。「良い意味でも悪い意味でも機械っぽい」って…。

――あぁ。自分の感情をさらけ出すのではなくて、何かを演じる、表現するみたいな形がお得意なんですね。そういう意味では、今作ですごく感じたのが「生っぽい」ということです。カラフルだって言うのも、いろんな色を人工的に付けたのではなくて、感情がストレートに出たからこそ色彩感を帯びているというか…。

高嶋:オートチューンのかかり方が薄い曲もあって、ほとんどかかってない曲とかもあるので、それもあるんですかね。

――オートチューンはだいぶ減った印象ですよね。アルバムの中で高嶋さんのお気に入りの曲はどれですか?

高嶋:好きな曲は「PROJECTION」です。いつものPassCodeなんですけど、メジャーになってから結構まじめに曲をやってきたじゃないですか。インディーズの頃って、ラップで遊んだりとか、変な転調して遊んだりとかいっぱいしてて…。そういう要素が「PROJECTION」には入ってるかなって。ラップの部分とか。もともと英語の歌詞が出来上がってたんですけど、レコーディング当日に「やっぱり歌詞変えたい」って平地さんが言ったので、急いで書いてもらったんです。それで、レコーディング当日にラップの歌詞を渡されて…。結構遊んでる歌詞なんですけど、今までまじめに曲とか歌詞を書いてきた平地さんが、ちょっとまじめ過ぎたから今回のアルバムでは少し遊びたいってことで。おかしなラップとか入れて、インディーズ時代っぽさも出したんですよね。

――こういう言い方がいいのか分からないんですけど、『ZENITH』は少し洋楽っぽい雰囲気があって、いい意味でちょっとカッコつけてる感じがありますよね。

高嶋:イキってましたね、しっかり(笑)。

――でも、今作では、おもしろい言葉の表現とか、言葉のノリとか随所にありますよね。他にはどうですか?

高嶋:他は、「DIVE INTO THE LIGHT」ですね。間奏がすごい、何ていうか、チャラチャラした感じの、クラブっぽい、パーティーピーポーみたいな感じで(笑)。ダンスナンバーを作りたいということで出来た曲みたいなんですが、この曲を初めて聴いた時はライブの完成形が想像できました。すぐにでもやりたいって思った曲ですね。

――まさにパリピって感じです。

高嶋:PassCodeのファンが好きそうな曲です。

――あと、生々しさという点では「horoscope」とかどうですか?

高嶋:「horoscope」は、感情的に歌って欲しいと言われたんです。オートチューンも全く掛かってないですね。南が作詞したんですけど、メンバーが書いたからこそ感情移入できるというか…。こういう曲はこれまで無かったので、初めて聴いた時は新鮮でした。メロディがめちゃくちゃ好きで、メンバー皆この曲が一番好きって言ってます。

――もしかしたら、アルバムの中で最も“PassCodeらしからぬ”曲かもしれないですね。僕は「THE DAY WITH NOTHING」が大好きです。

高嶋:これもPassCodeには新鮮な感じですよね。

――激しい展開があるんですけど、3分台に詰め込んでますよね。

高嶋:詰め詰めです(笑)。

――こうした新機軸をライブのセットリストに組み込むというのはいかがですか?

高嶋:私、このアルバムを1曲目から順番にやるセトリを組みたいんです。セトリが組めるような曲順だと思ってて。これで1回ライブやってみたいです。

――完全再現ライブみたいな。

高嶋:そう。アルバム再現ライブ!

――いいですね。曲順って、すごく練ったりしたんですか?

高嶋:曲順は平地さんがすごい考えてくれました。「horoscope」がアルバムのど真ん中にあるのっていいですよね。1曲目からワーッてきて、「horoscope」で一旦落ち着いて、まただんだんテンションが上がっていく。アルバム通してすごく聴きやすいって思います。

――ジャケットなんですけど、これは…深海ですか?

高嶋:これは光をテーマにしているんです。アルバムには光を題材にした曲が多くて。「Tonight」や「horoscope」、「In the Rain」「Ray」など。明るい光というより暗闇で輝く光がPassCodeには合ってると思うんですよ。だからこうなったんだと思います。

――これ、海の中ですよね?

高嶋:海の中です。

――海中の洞窟みたいな感じですかね。考えたら『ZENITH』っていう“頂点”から“深海”へと一気に。

高嶋:でも光があるから…。このアルバムが光を導いてくれるみたいな意味が多分あると思います。

――ところで、以前インタビューさせていただいた際に、高嶋さんは「『NINJA BOMBER』みたいな曲をまた歌いたい」っておっしゃっていました。で、まぁ今作は、「NINJA BOMBER」まではいってないかもしれませんが、先ほどもおっしゃったように歌詞で遊んだりとかしてますよね。

高嶋:そういうの好きなんで、今回すごくうれしいです。

――改めてアルバムの聴きどころをまとめていただくと。

高嶋:聴きどころは…いろんなジャンルの曲が入っているので、どれか好きな曲が必ずあると思います。それがこのアルバムの強みかなって思いますね。『CLARITY』というタイトルどおり、PassCodeの未来が見えるような、そういう自信のあるアルバムになったので、これを聴いてPassCodeの未来に期待してもらいたいなって思います。

――高嶋さんが思い描いてるPassCodeの未来ってどんなものですか?

高嶋:このスタンスのまま、もっといろんな人に知ってもらいたいなって思います。まだ全然知ってもらっていないと思うので。もっといろんな人に知ってもらって、もっといろんな会場でやりたいですね。細く長く?いや太く長く?活動していきたいです。細いところからだんだん太くなっていくように…。

――どんどん拡大していくわけですね。

高嶋:いっ時のグループではなくて、ずっと見守ってもらえるようなグループになりたいと思ってます。

――そういう意味では、“拡大”を実感してるんじゃないですか?海外でもライブをやったり、海外チャートでも上位に入ったり…。

高嶋:ドーンと売れるのではなくて、徐々にだんだん会場も大きくなるといいな、と。見守ってくれてるファンの人たちも「PassCode、次はどういう景色を見せてくれるんやろ」とか楽しんで応援してくれてるので。2~3年前はソールドできなかったZepp DiverCityも、今回のツアーでは結構早い段階でソールドして立ち見とかも出たので、みんな着いてきてくれてるんかなって、広まっていってるんかなって思っています。ずっと応援してもらいたくなるようなグループになりたいですね。

上手く聴こえることよりもその時にしかできない歌い方を優先しますね

――南さんはTwitterで「『ZENITH』がモノクロだとすれば『CLARITY』はカラフルなアルバム」と呟いてらっしゃいました。でもそれは、単色のものに単純に色を足したってわけではないですよね。

南:そうですね。インディーズでのアルバムを「おもちゃ箱みたいなアルバム」って表現をよくしていたんですが、それに比べて『ZENITH』は、メジャーファーストということで「自分たちはこういうことをやってるっていうのを見せなきゃいけない」と思って作ったので、やることが決まっていたというか、そういう意味でモノクロというか…。自分たちの色を一つに絞って出したんです。で、今回アルバムを作るにあたって、もっとできることが広がったというか。『ZENITH』をリリースして、シングル「Ray」をリリースしてきたからこそ出せる色があって。今までやってきたことが合わさった色というか…。“青”とかじゃなくて、その中に薄い青とか濃い青とかいろんなものが混ざった色合いというか…。なので、一部の曲を聴いただけではアルバムの全貌が分かりにくいんじゃないかなと思います。『ZENITH』は、1曲目の「Maze of mind」を聴けば「こういう勝負の仕方のアルバムなんや」って分かったかもしれないですけど、今回は“12色入りの色鉛筆”みたいな感じで、1本だけじゃ使い方はまた変わってくるけど、全部あると本当に強いアルバムになるというか、強いものに仕上がったかなと思ってます。

――作り方などでこれまでと違うところはありますか?

南:今作だったら7曲目の「horoscope」とか、私が「こういう曲が欲しい」って要望を出して作ってもらったんです。『ZENITH』と違うのは、メンバーの意見が反映されてる部分ですかね。「PassCodeでどういう曲がやってみたいですか?」って訊かれた時に、「PassCodeなりのバラードがしてみたいです」って言っていたことがあって…。で、「It’s you」のリリックビデオを撮った時に平地さんと話したんです。「バラードって言っても、どういうバラードがいいの?」って訊かれて、「こういうふうなものが作りたいです」って細かく伝えたんですよ。そしたら、映像を撮ってる時に曲が浮かんできたらしくて、そのまま大阪に帰って作ったのが「horoscope」だったんです。そういう意味でも、これまで以上にメンバーが意向が反映されてるアルバムなんじゃないかなと思います。

――これ、南さんが作詞されたんですよね。

南:させていただきました。

――で、曲に関して事細かに要望を出したとのことですが、具体的にはどういうことを?

南:例えば、仮でデモが上がってきた時にはピアノが入ってなくて、「この曲は絶対ピアノが欲しいです」って話してピアノを入れてもらったりとか。曲ができる前にも「ミディアムだけどバラードに寄ってて、サビは若干ポップに、若干明るくなる感じで、全部暗いっていうよりも少し抜けるような感じがいいです」というオーダーをしたり…。「こういう感じのものがPassCodeにあったらおもしろいと思うんです」という風にプレゼンをして出来た曲です。

――かなり細かいところまでオーダーされてるんですね。

南:そうですね。「horoscope」に関しては、平地さんも本当に細かいところまで意見を訊いてくださったんです。例えば、最後の大サビに入る前のオチサビの後って、結構長い間が空いてるんですけど、デモの段階では空いてなかったんですよ。私が歌入れした後に、平地さんが「ここ、無音で空けようと思ってるんやけど、どう思う?」って訊いてくださって、私も「それがいいと思います」って言って…。そんな風にいろいろと細かい会話をしました。

――オチサビがあって、溜めて、少し余韻を膨らませてから次に行くみたいな。

南:平地さん、サラッと流したくなかったらしくて。引っ掛かりのあるものにしたいということで、若干間を空けるという形にしたんです。

――なるほど。それによってすごくドラマティックになりました。歌詞もとてもロマンティックですね。

南:ありがとうございます。

――これ、「僕」が夜を独りで過ごしていて寂しさを感じてるのかなと思いきや、意外とポジティヴでハッピーなのかなと思わせる部分もあるような…。

南:「ハッピーであって欲しい」って言うのが正しいのかもしれないですね。夜が明けるって、結構ハッピーなことだと歌われるケースが多いじゃないですか。夜明けってそういうイメージがあると思うんですけど、夜が明けることをすごく不安に思ったり、辛いと感じる人もいると思うんです。そういう人たちに寄り添える曲でありたいなって思って…。ずっと辛いままって悲しいじゃないですか。だから「どうか幸せであって欲しい」って願って作った曲なんです。その中にPassCodeの今までとこれからとか、PassCodeへの想いを詰め込んだ歌詞になってます。

――「音楽は魔法かなんて 解らないけど」という一節がありますが、皆さんはリスナーの方々に魔法をかけてるんじゃないですか?

南:「魔法」って言い切れないですけど、あって欲しいとは思います。音楽って「魔法」ではないかもしれないけど、魔法のように心を温めるものではあると思うんです。だからそういう曲になればいいなって思いながら作りました。私も、寂しい夜とか不安な時に音楽を聴いて励ましてもらうことがすごく多いので、PassCodeにもそういう曲があればもっと人に寄り添えるグループになれるんじゃないかと、もっと愛されるグループになるんじゃないかなと思っていて…。温かい曲を作りたいなと思って歌詞を書かせてもらいました。

――そういう意味でも、「頑張れ頑張れ」って曲ではないですけど、でもやっぱりちょっと火を灯してくれるというか、一歩踏み出させてくれるというか、ちょっと上げてくれるような曲ですよね。

南:頑張ってるんです、皆。十分。頑張らなくていいけど、やっぱりやらなきゃいけないことはあって、朝を迎えると一日が始まって、自分が置いていかれないようにしないといけない。そこで、そっと背中を押すぐらいの、片方荷物を持つぐらいの曲ができたらいいなと思って…。そんな無理に頑張れと言うような曲じゃなくて、心の奥の方がポッと温かくなるような曲にしたいって思いながら歌詞を書きました。

――なるほど、いい話です…。他に意見を出されたものとかってありますか?

南:「DIVE INTO THE LIGHT」とかだと、「ダンスっぽい曲作りたいんやけど、どう思う?」って訊かれて…。これまでにも「Never Sleep Again」とか「Scarlet night」とか「TRICKSTER」とかあるんですけど、「もうちょっとポップでもっと弾けられるような曲があれば」と提案したら、平地さんが「ほんじゃ作るわ」ってなって…。

――そういう意向が随所に反映されているわけですね。

南:そうですね。今作は全曲バラバラで、それぞれに色があるんです。『ZENITH』は似た曲が多かったので、セットリストのどこに来ても流れがキレイになりましたが、今回は、例えば「4」という曲は、ライブでは4曲目以外にやる気ないんですよ。私がセットリストを組んでるんですが、「4」を4曲目以外にやることはないだろうなと思っていて。もし4曲目が違う曲になるなら、その日は「4」はやらないだろうなっていうぐらい、いろいろこだわって作っていますね。

――今作は「生っぽい」「キャッチー」「明るい」という特徴があると感じています。『ZENITH』は鋼のようにガッシリと作られていて、どちらかと言えばダークな印象ですが、『CLARITY』はすごくポジティヴな気持ちにさせてくれるというか…。

南:去年ぐらいから平地さんが「明るい曲を作ることもいいな」って思うようになったらしいんですよ。そういった部分が大きく反映されてるんじゃないかなと思いますね。心情の変化というか作り方の変化が曲にもろに現れてるんじゃないですかね。

――敢えてこういう訊き方をしたいんですが、『ZENITH』リリース時にインタビューさせていただいた際、南さんは「メジャーに行くにあたって、ファンの中にはPassCodeが変わってしまうんじゃないかと危惧されてる方もいて、そういった方々に変わらなかったことを示すようなアルバムが『ZENITH』だった」といった趣旨のことをおっしゃっていました。で、メジャー2枚目となる『CLARITY』はとても間口が広くてキャッチーなものになりましたが、例えばそれを「変わった」と捉える人もいるかもしれません。そうした懸念ってありますか?

南:それは特にないですね。『ZENITH』を出したからこそできたアルバムだと思っています。『ZENITH』を出したから「Ray」っていうキャッチーな曲ができるようになって、『ZENITH』と「Ray」を出したから「Tonight」とか「Taking you out」という二面性のある両A面シングルが出せて…。そうしたことを繰り返すことで出来たアルバムなんです。確かに変わりましたが、“良くない変化”ではなくて、今までやってきたからこそ違うことができるっていう“挑戦”だと思います。「可愛いものになるんじゃないか」とか「静かなものになってしまうんじゃないか」といった、メジャーでやることへの不安感は『ZENITH』で払拭できたからこその変化というか…。だからこそ、いろんな楽曲で遊んでいけるというか。『ZENITH』のような曲ばかり繰り返しても面白みがないじゃないですか。PassCodeって挑戦し続けるグループじゃないと駄目だと思っているので、やっぱり新しいことをしないと。そういった変化って必要なもんだなと思うんです。“変わらず変わり続けなきゃいけない”と思っているので。ライブもそうですし、自分たち自身も楽曲もそうであるべきだと思うので、そこに対する不安とかは特にないです。

――変わることによってPassCodeの芯のようなものが維持できるというか、より強固になる部分があるのかもしれないですね。

南:サウンド面では、やってることが違っていても全てPassCodeだからできるサウンドだと思うし、細かいメロの付け方とか、どこを取ってもPassCodeらしいんです。「こういう曲なかったよね、でもPassCodeっぽいよね」っていうのが、今回のアルバムのキーになってるんじゃないかなと思います。

――『CLARITY』は『ZENITH』と地続きであることは間違いないですし、キャッチーさが増してはいますが、それは“進化”というべきもので、それがアルバムにエネルギーをもたらしている感があります。

南:『ZENITH』は、力技っていうか、ねじ伏せるような感じのものだったと思うんですよ。「これがPassCodeだ」っていう風に。でも『CLARITY』はそうじゃなくて、いろんな説得方法を覚えたというか、いろんな口説き方を覚えたというか…。力でねじ伏せなくても「こういうのもありますよ」って言うことができるようになったと。いろんな技を覚えたんだろうなって思います。

――「生々しさ」を感じると先ほど少し言いましたが、例えば「いろんな技を覚えた」っていう中には、「気負わずにそのままを出す」っていうのもありますか?

南:ライブ感を詰め込むのが皆上手になったんじゃないですかね。以前はレコーディングとなると「上手に歌わないと」とか「この音程をこういう風に歌った方がいい」「こういうブレスで歌った方がいい」という風に割とかしこまっていたんですが、今は自分たちのやり方がはっきり分かってきて、自分たちのカラーの出し方が上手になったと思います。メンバーそれぞれも歌い方が差別化できてるんじゃないですかね。きっちりハメることよりもニュアンスを伝えることに重きを置いていて、それゆえにライブっぽい雰囲気があるんじゃないかなって。それは『Locus』をリリースしたからこそでもあるかなと思っています。『Locus』はライブでやってる曲を詰め込んだアルバムで、ずっと歌ってきたからこその歌い方っていうのがある、と。荒削りだけどライブ感があるっていうか…。『CLARITY』にもそういう感じが出ているんじゃないですかね。

――そういう変化があったこのアルバムですが、レコーディングは難しかったですか?それとも、むしろやりやすかったですか?

南:レコーディングは難しかったですね。曲自体がだんだん難しくなっていって、求められることが増えてきたので。難しいんですけど、気づかない間にレベルアップしてるみたいな感じでした。以前は出せなかったキーを使ってる曲が多いんですよ。今までだったら「このキーって出せますか?」って確認されて「出ます」って言って、なんとかその一音を当てるだけだったんですが…。苦戦しながらも歌えるようになったってことは、知らないうちに成長してるんだろうなって。曲に引っ張られる形でみんな成長していってると思います。

――ある自分の限界を越えるキーがあったとしたら、「ここを狙おう」ってやったと言うより、曲に感情移入してるうちに自然と出たみたいな感じですか?

南:そうですね。高いなと思いつつも「意外と出るねんな」っていうのが今回は結構ありました。

――そういう意味では、技術を磨いて高い音を出そうというよりも、感情表現であったりとか曲を描くというところに重きを置いているという感じでしょうか。

南:もちろん技術がある方がいいし、歌も上手い方がいいし、ダンスも上手な方がいいっていうのは勿論なんですけどね。でも、結局人間の感情を動かすものって人間の感情だと思うんですよ。いくら上手でも棒読みで歌ってたら響かないじゃないですか。いくら上手でも「ホンマにそう思って歌ってるんかな」って思うし。少し荒削りでも伝えようとする気持ちがあるほうがいいかなって私は思います。ライブとかでもそうですけど音源とはまた違った歌い方とかすることがあります。上手く聴こえることよりもその時にしかできない歌い方を優先しますね。

――このアルバムを聴いて僕がすごく感じたのは、まさに歌が主役になってきてるな、ということで…。『ZENITH』はサウンドの構築美みたいなものがあって、ある意味、歌声も一つのパーツとしてサウンドの一部になっていた感があったんですが、『CLARITY』では紛れもなく歌が中心になっているというか…。

南:そうですね。音響も変わってきてるというか…。PAさんが意識してるのかは分からないですけど、だんだんヴォーカルが前に出るセッティングになってきてるんですよ。私たちもあまり気付いてないうちに、ライブでもレコーディングでも音が変わってきてるんですよね。昔は機械のように、楽器の一部のように声がサウンドに乗っていたのが、最近の曲でいうと一番分かりやすいのは「Tonight」だと思うんですが、声が中心になってきてるなって。たぶん平地さんの中でも変わってきてるのかなと思いますね。歌がメインになってるからこそ分かりやすくなったというか、耳に残るメロディが必要になってきたというか…。平地さんの作る曲にはそういうメロディがしっかりあるからこそ、歌が生きてくるのかなと思います。

いろんな叫び方とか声の出し方とかを考えながらシャウトしたので、いろんな声が出ているかと思います

――4月13日のライブを拝見しました。超満員でしたよね。

今田:すごかったですね。

――パフォーマンスも僕が今まで拝見した皆さんのライブの中で最高だと思いました。

今田:あぁ、良かった。

――ご自身ではどうでした?

今田:う~ん自分では…。いつも通りの熱気はあったかなと思います。

――「horoscope」「It’s you」「Ray」の流れがとてもドラマティックで素晴らしかったです。

今田:そう言ってくださる方、多いです。

――改めて感じたのは、今田さんのシャウトが空気を一変させるということです。ご自身ではいかがですか?「空気変わったなぁ」とか思いますか?

今田:そうですね。シャウト中は基本、上を向いているか下を向いていますし、イヤモニも付けてるので、会場の空気がどんな感じなのかっていうのは、実はあんまり気づいてないんです…。自分の世界に入ってます(笑)。

――そうなんですね。先日のライブを観ていて思ったんですが、お立ち台に上がってシャウトしている姿が、まるで降臨した神のように見えました(笑)。今田さんに手を伸ばすオーディエンスが引き寄せられていくようにも見えて…。

今田:すごい(笑)。

――そんな空気感です(笑)。

今田:ありがとうございます。

――上を向いたり下を向いたりして集中されてるわけですね。

今田:そうですね。基本的に下を向いた方がシャウトは出しすいんですよね。お腹に力が入りやすいんです。なので下向きたいんですけど、最近「あんまり下向かないで」って言われてます(笑)。なので、お客さんの方を向くように心掛けてはいるんですけど…。でも、やっぱり上向いたり下向いたりしちゃいます。

――でも、それがまたカッコいいんでよね。

今田:ホントですか?ありがとうございます。

――シャウト中は一体何を考えてるんですか?

今田:う~ん、シャウト中は特に何も考えてないですけど…。新曲とかは「いけるかなぁ」「失敗せえへんかな」って考えてます(笑)。速いシャウトとかは「噛まへんかな」とか。

――冷静な客観的な自分もいるわけですね。

今田:「失敗せえへんかな…」って(笑)。

――冷静に見られている部分もありながら、やはりシャウトって魂の叫びみたいな側面もあると思うんですが…。魂を解放するような…。例えばそれは、日々の不満が原動力となって…みたいなことはありますか?

今田:いや~、日々の不満は特にないです(笑)。

――え?ないんですか?

今田:不満…。あんまり不満というものは…。「不満」と「腹立つ」みたいなのって一緒ですかね?

――あぁ、はい。まあ、だいたい同じですかね。

今田:なんか腹立つというか、自分に対して…。

――あぁ、ご自分に対して。

今田:そう思いながら叫んでます。

――世の中に対してとかは…?

今田:無いかなぁ…。

――で、改めてどうですか?“シャウト担当”という役割は。

今田:う~ん、なんかまだ「これシャウトなんかな」「ちゃんとできてるんかな」「どれがシャウトなんやろう?」って感じなので、自分の中では“担当”という意識はあまりないですね。

――ご自身が思われている理想像にはまだ…。

今田:理想像も特に描いてはなくて。ただ単にやることになったからやってるんですけど(笑)。特に「こんなんになりたい」というはないです。自分が思うままに一曲一曲やってますね。

――何か“型”があって、そこに近づこうとしているわけではなく、思うがままにシャウトしている、と。

今田:そうですね。

――では、最新アルバム『CLARITY』に関してお訊きしますが、前作『ZENITH』とはまた随分違いますよね。

今田:『ZENITH』は、聴いてるとなんか心に重くのしかかってくるというか、そんな感じなんですけど、『CLARITY』はすっと心の中に入ってきて聴きやすいなって思います。わかりやすいっていうか、理解しやすい曲やなって思います。

――そうですよね。『ZENITH』はズシリと来る感じで、『CLARITY』にはキャッチーさとか生々しさとかを感じます。

今田:うんうん。

――シャウトに関して、『ZENITH』と『CLARITY』では変えたりしていますか?

今田:『ZENITH』は「地獄に堕ちろ」的な、火とか炎とかを思い浮かべながらやってたんですけど、『CLARITY』はそこまで暗い気持ちでは叫んでないですね。でも、ある程度ネガティヴっぽいことを頭の中で想像しながら叫ばないと、低音のシャウトとかは出ないので…。勝手に想像してます。歌詞の意味とはまた別に。

――『ZENITH』の場合、一曲の中での展開が激しく、シャウトに相応しいパートというものが設けられていた印象ですが、『CLARITY』の場合はキャッチーで明るいものが多く、ゆえに明るい曲調の中にシャウトが出てくるというケースもあって…。一聴すれば「合わない」と思う部分もあるように思うんですが、むしろそれが物事の裏側とか感情の奥底を表しているような印象で、それによって曲に深みが出ているというか…。

今田:あぁ。

――例えば曲調などに合わせて、シャウトの音程やニュアンス、声色など変えていますか?

今田:つい最近まであんまり種類とかは…。『ZENITH』は一種類のパターンで叫んでいて、どの曲を聴いてもあまり違いは感じられないかもしれないですが、『CLARITY』のレコーディングではいろんな叫び方とか声の出し方とかを考えながらシャウトしたので、いろんな声が出ているかと思います。

――例えば「THE DAY WITH NOTHING」や「It’s you」といった明るめの曲でシャウトをしていたり、例えば「一か八か」のような和風な旋律の裏で叫んでいたり…。難しかった点などありますか?

今田:う~ん…今回のシャウトに関しては苦労したことがパッと思いつかないんですよ…。それはたぶんレコーディング期間がとてもタイトだったので、あまり記憶が無いんですよね(笑)。

――アハハハ…。

今田:出来上がった音源を聴いてみると、「あれ?これライブでホンマに出来るんかな…」とか思うものはあったりしますけど。

――そういう意味でも「ライブでどうなるか」っていうのは楽しみでもあり、ちょっと不安でもあり。既に「4」「horoscope」など披露されましたが、やってみた感触はいかがでした?

今田:「In the Rain」は、やる前から取材とかでずっと「好きな曲やからやるのが楽しみ」って言ってたんですけど、やってみたらすごい踊りやすくて…。踊ってて楽しかったです。

――まさに「アルバムの中でお好きな曲は?」とお訊きしようと思っていたんですが、お気に入りは「In the Rain」ですか?

今田:そうですね。振り付けも…。振り付けがついてから曲が好きってなるタイプなので、「In the Rain」も振り入れした時に「あぁ、この曲好きやな」と思いました。なので、まだ振りが付いていない曲もあるので、振りが付いたらまた変わるかもしれないですね。

――なるほど。では、レコーディングで一番苦労したことって何ですか?

今田:う~ん、レコーディングは…。『ZENITH』とかはあまり歌のパートが無くて、ほとんどシャウトのパートやったんですけど、今回は大上と二人で歌うパートとかも結構増えましたし…。『ZENITH』ではサビを今田以外の3人で歌うことが多かったんですけど、今回はサビも4人で歌うことが増えたので、英語を覚えなきゃいけなくなって…。歌のパートの英語を覚えるのが一番苦労しました(笑)。

――「英語が大変だった」とおっしゃってたメンバーが他にもいましたが…(笑)。皆さん苦労されたんですね。で、以前取材させていただいた時、ちょうど『Locus』がリリースされた頃に、今後の方向性についてお伺いしたんですよね。で、皆さんそれぞれお答えになったんですが、今田さんは「『ZENITH』のような曲調が好きなので、そういう曲調を維持したい」といった趣旨のことをおっしゃっていました。で、『CLARITY』ではいろんな方向性が示されているじゃないですか。その点についてはいかがですか?「いやぁ、やっぱり『ZENITH』に戻りたい」とか思いますか?

今田:『CLARITY』の音源が次々と上がってきた時には、「なんかちょっと物足りないかも」って思ったりもしたんですけど、ライブで『CLARITY』の曲と『ZENITH』の曲を織り交ぜてやってみたら、ちょうどバランスが良かったから、これからもそういった“いい感じのバランス”でいけるんじゃないかと思いました。

――確かに。僕もツイッターで呟いたんですが、『ZENITH』があって、『CLARITY』が出て、それぞれ方向性のある曲をステージ上で共存させている、というのがすごく良かったように感じたんですよ。すごくいい対比になり、表現にも厚みが出ているように思えて。

今田:あぁ、良かったです。

――では改めて、このアルバムの聴きどころをおっしゃっていただけますか?

今田:聴きどころは…。今田はいつもはアルバムを1曲目から順番に聴いていくタイプではなくて、聴きたいやつをポンポンと流していくタイプなんですけど、最近は1曲目から順番に聴いてみたら「あ、すごいいい曲順や」って…それを『CLARITY』で初めて感じたんですよね。なので、聴きどころはここですというより、アルバムのこの曲順で聴いていただけたら好きになってもらえるんじゃないかな、って思います。

――ご自身では“アルバム”としてあまりお聴きにならない、とおっしゃいましたが、それってある意味“今どき”の聴き方ですね。

今田:あ、そうなんですか。

――今やストリーミングで聴く時代なので、曲単位で聴く方も多いと思います。次々と好きな曲だけ飛ばして聴いていく、みたいに。もしかしたら“アルバム”という概念はなくなってしまうんじゃないか、という見方もあったりするんですが、でも、そういう方が“アルバム”という捉え方をするということは、それだけアルバムとしての力が強いということかもしれませんね。

今田:あぁ、なるほど。

――では最後に。今田さんはDMM.comのCMでシャウト&ナレーションを担当されるなど、“CMタレント”としても活躍されていますよね。そういうお仕事はいかがですか?

今田:シャウトはいつも通りのことをやっただけなんですが、ナレーションがテンションを上げて言わなあかんかったので、それがちょっとぎこちなかったというか…(笑)。CMが流れてるのを見るとちょっと恥かしかったです(笑)。

――今後活動の幅も広がっていくと思うんですが、やってみたいお仕事とかありますか?

今田:なんやろ…。けど、シャウトで何かできればいいなと思います。

――例えば、誰かのアルバムや曲で客演するとかですか?

今田:あぁ、そういうの楽しそう。

――例えばフェスとかで……昨年のWARPED TOUR JAPANではProphets of Rage、Andrew W.K. とかと同じステージに立ったわけじゃないですか。そういうところに飛び入りしてはどうですか???

今田:無理です(笑)。

(取材・文:石川真男)

PassCode 商品情報

PassCode メジャー2ndアルバム『CLARITY』
発売日:2019年4月3日

初回限定盤【CD+「CLARITY」ダウンロード・ストリーミングアクセスコード付カード】
価格:3704円(税抜)+税
品番:UICZ-9113
https://store.universal-music.co.jp/product/uicz9113/

通常盤【CD】
価格:2778円(税抜)+税
品番:UICZ-4446
https://store.universal-music.co.jp/product/uicz4446/

[収録内容] -CD-
01. PROJECTION
02. DIVE INTO THE LIGHT
03. Ray
04. 4
05. Taking you out
06. THE DAY WITH NOTHING
07. horoscope
08. It’s you
09. In the Rain
10. TRICKSTER
11. Tonight
12. WILL
-Bonus Track-
13. 一か八か

[CLARITY初回限定盤付属ダウンロード・ストリーミングアクセスサイトコンテンツ] 映像
・Ray -Music Video-
・Ray -Music Video Behind The Scene-
・Taking you out -Music Video-
・Tonight -Music Video-
・Taking you out/Tonight -Music Video Behind The Scene-
他、後日追加コンテンツ公開予定
音源
・Opening -Taking you out TONIGHT! Tour 2018-
・DMM.com 20th半額キャンペーン#1[NoNarration] ・DMM.com 20th半額キャンペーン#2[NoNarration]

壁紙
・最新A写スマホ/PC用壁紙各種

*ダウンロード/ストリーミング期限 : 2019年12月31日(火)23:59まで
*作品内容は予告無く変更になることがございます。予めご了承ください。

PassCode プロフィール

2016年メジャーデビュー。その楽曲の方向性は、バンドサウンドをベースにスクリーモ、メタルコアなど変幻自在の楽曲群を擁し、シャウト/スクリームが異彩を放つ。2018年、2年連続となるSUMMER SONIC 2018(東京・大阪)やVans Warped Tour Japan 2018など多くの大型ロックフェスに出演。さらにイギリスのJPU Recordsよりアメリカ・ヨーロッパ・カナダで海外デビュー盤を発売。新曲「Taking you out」は全世界累計6億5,000万DLのスマホゲーム最新作『アスファルト9:Legends』(フランス・ゲームロフト社)とのコラボレーションMVを制作。国内外ともにロックファンやアイドルファンから絶大な支持を獲得している。2019年春、Major2nd Album『CLARITY』を発表後、自身初の全国6都市を回るZepp Tour開催中。
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