WHY@DOLL|辛いこともあるとは思うんですが、辛くなったらWHY@DOLLに来て!

WHY@DOLL|辛いこともあるとは思うんですが、辛くなったらWHY@DOLLに来て!

“楽曲派アイドル”の至宝である。筆者がおよそ3年前に“楽曲派アイドル”に魅了され、数多の音源を聴き漁った際に最も愛聴していたアルバムの一つが、『Gemini』だった。

1stアルバム『Gemini』では、洋楽要素満載のフュージョンやファンクをオーガニックなバンド・サウンドで再現。2ndアルバム『WHY@DOLL』では、ONIGAWARA、give me wallets、及川創介(CICADA)、仮谷せいら、長谷泰宏(ユメトコスメ)、吉田哲人ら多彩な作家陣を迎え、ぐっと洗練度を増したグルーヴチューンを展開。その後も、中塚武の作詞作曲によるシングル「Show Me Your Smile」でスイング・ジャズを、atagi/モリシー(Awesome City Club)が手掛けた「Sweet Vinegar」ではオリエンタルなムードも漂う叙情的ポップスを綴るなど、その音楽性をさらに拡大。音楽通からパーティピープルまで、その“楽曲”で多くの人の心を掴んできた。

だが、もちろん彼女たちの魅力は楽曲だけではない。ライブでは、華麗なパフォーマンスで楽曲の魅力を最大限に引き出すのみならず、安易な“沸き曲”に頼ることなく丁寧にグルーヴを紡ぎ出しながら、味わい豊かな音空間を構築。さらには、彼女たち曰く「脱力感溢れる」MCもそこに華を添え、えも言われぬ多幸感を生み出している。

楽曲でもライブパフォーマンスでも大いにその魅力を発揮するWHY@DOLL。そんな中でも最大の武器となるのは、二人のヴォーカルやキャラクターのコントラストではないだろうか。ひたすら愛らしく、柔らかで甘い歌声の青木千春。少しアンニュイな雰囲気も漂わせながら気高く神々しく声を響かせる浦谷はるな。この二つの声が、時に落差をもって並び、時に重なり合い、時に溶け合う。あたかもビターとスウィートの二層立てチョコレートのように…。

そして最新EP『Hey!』。“ライブ映え”を意識した楽曲4曲を収録したこの作品では、ファンクやディスコ、そしてポップやロックと様々なタイプの楽曲が並ぶが、いずれもリズムの立ったノリのいいナンバーだ。優れた楽曲を繊細なヴォーカルと煌びやかなパフォーマンスで描き出す彼女たちのライブに、高揚感と臨場感が増量されるというわけだ。これでWHY@DOLLのライブも盤石となることだろう。

だが、単にパワーとグルーヴが加わったわけではない。むしろ二人の声の対比や、ハーモニーにおける二つの声の絶妙な配合など、さらに緻密なヴォーカルワークが印象的であり、溌剌としたビートの上でその豊潤な“歌”の力が遺憾なく発揮されている印象だ。

そんな新曲群を引っ提げ、2月10日より全国ツアーを行うWHY@DOLL。青木千春、浦谷はるなのお二人にお話を伺った。

アイドルってファンの方々に支えられて成長していくんだなって実感しました(青木)

――昨年7周年を迎えられ、現在8年目ということですが、どうですか?ざっと振り返ってみて。

青木千春(以下:青木):早いです(笑)

浦谷はるな(以下:浦谷):特にここ最近一年一年が早いです。私たち2~3月でツアーを回ることが多くて、昨年一昨年もそうだったんですが、「さっきツアー回ったばっかりだな」と思ったら「もうツアーが来る」みたいな。一年の周期がすごく早くて…。

青木:上京してからももう5年で、札幌にいるより東京で活動してる期間のほうが長くなったんですけど、こちらに来てから本当にたくさんの場所に行けるようになりました。海外でもライブさせていただいたりとか…。毎年毎年リリースもさせていただいて…。そこに辿り着くまでの道のりを振り返ると長いなとは思うんですが、同時に早く過ぎてきてるなとも思います。「あっという間に10年とか迎えるのかな」って…。

――Negiccoさんは昨年15周年を迎えられましたけど、お二人もすぐですよ、15周年(笑)。

浦谷:(笑)。でも、「何年ぐらいやってるの?」って訊かれた時に「7年です」って答えると、「そんなやってるんだ?」ってびっくりされる方もいらっしゃるんですが、逆に「まだ7年なんだ」って思う方もいるみたいで…。私もどちらかと言えば、すごい濃い7年を過ごしてきた気がするので、「まだ7周年だったんだ」って去年の7周年の時に思いました。

――「濃い7年」とおっしゃいましたけど、もっと言えばどんな7年でしたか?いいことばかりでもないですよね?

浦谷:ないですね。でも、最初の1~2年がいろいろ悩んだりとか迷ったりすることが多かったですね。何も分からずに始めたっていうのもありますし、地元での活動がメインだったのでもっと上に行きたいって欲もありつつ、メンバーも今より多かったのですれ違いももちろんありましたし、やはり最初は苦悩した気がします。今は別のことで悩んだりしますけど、メンバー間の悩みはやはり最初の1~2年が多かったかなって。

――青木さんはいかがですか?

青木:最初オーディションを受けて、「受かったらアイドルになれるんだ」って思ってたんですけど、そうではなくて…。私たちには振付師もいなくて先生もいなくて、最初は全部自分たちでやってたんですよ。曲もなくて、アイドルさんのカバー曲を練習してって感じで、想像していたのと全然違っていてので、すごい戸惑いもあったんですが、だんだんファンになってくれる人が増えていって…。最初ミッションのようなものをやっていたんです。「ここまでいくとCD出せます」「ここまで行くと衣装をもらえます」みたいな。ファンの人と一緒に成長していく“劇場型アイドル”だったので…。そういうのも最後まで達成してCDを出せて、やはりアイドルってファンの方々に支えられて成長していくんだなって実感しました。そういうのを最初に経験できて、それが自分の中では大きなものになっているので、最初にそういう経験ができて良かったなって思いました。

――なるほど。ファンの方々のありがたみというか、そういうものが実感できたわけですね。その頃のWHY@DOLLを生で拝見したことはないんですが、当時と今で随分違うのは想像できます。人数もコンセプトも音楽性も違いますし。実際当時のお二人は今のこうした状況を想像していました?

青木:全くしてなかったです。

浦谷:上京したタイミングで、当時の事務所の社長に「メンバーは増やさないんですか?」って尋ねたことがあって。そしたら社長に「これからずっと2人でやっていくつもりだ」「2人からそういう話は聞きたくなかった」って言われて(笑)。私達もずっとアイドルをやってるかは分からないですし、もしかしたら他のアイドルさんみたいに卒業するってことになるかもしれないって考えた時に、2人組だとどちらかが辞める時にグループがなくなっちゃうって思ったんですよね。でも、今こうやって2人で長く活動してみて、2人組で良かったなって思うことがすごく多くて…。当時「2人組でやる」って言われた時は最初すごい戸惑ったんですけど、今は2人組で良かったなって思いますね。

――当時と今ではお二人の関係性は変わりました?

浦谷:私、元々敬語使ってたんですよ。ちはるん(青木千春)が先輩だったんで。

――そうなんですね。

青木:グループに加入した時期は2ヶ月しか変わらないんですけど、結構上下関係が厳しかったんですよ。「先に入ったほうが先輩だから」って。なので、最初2人で上京して来た時は、一緒に暮らしてるんですけど、ずっと敬語を使われてて…。これから2人組でやってくので、なんか壁があるの嫌だなと思って、「敬語は使わないでね」ってめっちゃ言ったんですけど、全然直してくれなくて。で、敬語でなくなってから、何でも言える関係になりました。

――敬語じゃなくなるまでどれぐらいかかったんですか?

青木:半年?1年?

浦谷:いや、1年はかかってないと思う。上京して「サンライズ」(編注:2014年1月21日リリースの4thシングル「サンライズ!~君がくれた希望~」)の時はまだ敬語使ってたような気がする。

青木:「MM」(2014年9月24日リリースのメジャー1stシングル「Magic Motion No.5」)の時は?

浦谷:多分使ってない。でも、半年経たないくらいですかね。

青木:半年ぐらい。

浦谷:徐々に無くしていった感じです。

――時々配信なども拝見することがあるんですが、今のお二人の“ボケとツッコミ”みたいな関係とは随分違っていたんですね(笑)。

浦谷:今や当時の“上下関係”は感じさせないぐらい私がズバズバ言ってます(笑)。

――ですよね(笑)。で、1stアルバム『Gemini』は本当に愛聴しましたし、2ndアルバム『WHY@DOLL』もたくさん聞いたんですけど、やはりこの2枚のアルバムは違いますよね。お二人はどう捉えていますか?

浦谷:『Gemini』は、当時色々な作家事務所さんに作曲や作詞をしていただいたアルバムです。『WHY@DOLL』は、楽曲提供していただいたアーティストさんがみなご自身でも活動していて、それぞれのアーティストさんの色が強い曲をいただいて、それをWHY@DOLLの色に変えてお届けしてるって感じだと思います。そういう意味では『WHY@DOLL』の方がそれぞれのアーティストさんとの“タッグ感”が強いのかなって思いますね。曲を書いていただく前にアーティストさんとお話ししたりしましたし、私たち自身も少し…

青木:関わって…。

浦谷:作詞もするようになりましたし。『Gemini』の時は、曲タイトルをつけたぐらいだったので…。

――ちなみにどれですか?

浦谷:私は「Tactics」。「シグナル」と「GAME」と「CANDY LOVE」はちはるんがつけました。

青木:「CANDY LOVE」は2人じゃなかった?

浦谷:ちはるんだよ。

青木:私?私です(笑)。

――そうなんですね。で、サウンド的には大きく違っている印象ですか?それとも地続きですか?

浦谷:私たちとしては、その時その時で自分たちの等身大のアルバムを出してるって感じなんですが、聴いている方はまた違う捉え方をするんじゃないかなとは思います。でも、考えてみると『Gemini』は、ちょっと背伸びした曲が多かったかもしれないですね。当時の私たちが歌うにはちょっと大人っぽいなと思う曲が多くて。『Gemini』に収録されている「曖昧MOON」など、「今になってようやく等身大っぽくなってきたね」とか、「当時は少し背伸びしてたイメージがあったけど、今の成長した2人にはすごい合ってるね」って言う方もいて…。そう考えると『WHY@DOLL』はより等身大な気がしますね。

青木:楽曲は今の方が多くの人に響くんじゃないかなと思います。シティポップ系が多くなって、どの世代にも聴き馴染みがある曲を歌わせていただいているなって。『Gemini』はコアな音楽、洋楽とかちょっと懐かしんで聴いていただけるような楽曲が多かったんですが、そもそも私自身そういう楽曲を聴いたことがなくて「どう歌ったらいいんだろう?」みたいな感じでした。そういう意味でも、『Gemini』はすごくハードルが高いなって思ったんですけど、でも、そういう歌を歌わせていただいたからこそ、「WHY@DOLLのような今の若い子たちがそういう歌を歌うと逆にいいんだよ」ってすごく言ってもらえたので…。『Gemini』をリリースしてから「楽曲派だね」って言ってもらえるようになって、それもすごくいいことだなって思いましたし、今は今で本当にいろんな世代の人から聴いていただける曲を歌わせていただいていると思うので、そう考えると、WHY@DOLLの音楽はどの世代でも楽しんでいただけるな、って思います。

――『Gemini』が大好きだったんですけど、『WHY@DOLL』が出た時に全然違う印象を受けて…。でも、いろんな可能性が広がった作品だなと思いました。そこからいろんな所にいけるなって。もしかしたら『Gemini2』を作っても良かったのかもしれないですけど、あえてそうしないことで、すごく可能性が広がったかな、と。で、先ほど『Gemini』が「洋楽っぽい」っていう発言がありましたが…。

浦谷:ファンの皆さんが「昔の洋楽っぽい」って言ってくださったんですが、私もその当時の洋楽をあんまり聴いたことがなかったので私自身はそんなに洋楽っぽいって感じてはいないんですけど…。でもすごい言われましたね。

――どういう洋楽って言われたんですか?

青木:「CANDY LOVE」…?

浦谷:そう。「CANDY LOVE」とか、オマージュじゃないですけど、すごく似た楽曲があるって。

――ジェームス・ブラウンですか?

浦谷:あ、よく言われます、ジェームス・ブラウン。

――途中のコール&レスポンスのところとか。

浦谷:そうですね。発表した当時はよく言われました。

――そういった要素が洋楽好きのおじさんたちにすごい響くんすよね。そういう意味では、『WHY@DOLL』には、そういう“訳知り顔”のおじさんたちから脱却しようっていう意図があったんですか???(笑)

浦谷:そういうテーマがあったわけではないです。でも、音楽的にすごく評価の高いアーティストさんたちに提供していただいた曲を歌うことで、新しいWHY@DOLLを見せられたらいいなっていう思いは強くて…。現に今までと違う色の楽曲が詰まったアルバムになったと思うので、意図せず脱却したかもしれないです(笑)。さっき、ちはるんも言ってたとおり、『Gemini』では音楽好きでツウな方、音楽に詳しい方々がたくさんファンになってくれたと思います。

――現場ではそういう方をよく見かけます(笑)。

浦谷:でも『WHY@DOLL』の曲は、パッと聴いていいなって思う曲がいっぱい入ってると思います。なので、ライブをやった時も「そんなに音楽が詳しいわけじゃないけど、ライブ見てこの曲いいなと思いました」って方がすごい多くて、ライブ会場でアルバムを買ってくださる方が多かったですね。

――なるほど。で、いろいろ転機があったと思うんですけが、やっぱり「菫アイオライト」辺りが一つの大きな転機でしたか?

浦谷:そうですね。T-Palette Recordsに移籍した最初の作品で、新たな環境で頑張らないといけないなって思った時に提供して頂いた曲なんですよ。歌詞も前に「曖昧MOON」の歌詞書いてくださったつのだゆみこさんが書いてくださったんですけど、私達をよく見てくださっていて、「これからのWHY@DOLLの道しるべになる曲になって欲しい」って思いで歌詞を書いてくださってたので、歌詞にすごい愛が溢れています。

――曲タイトルがいっぱい入ってますよね。

浦谷:そうなんです。今やライブでは鉄板曲ですし、私たちも大事な時に歌うとすごい気合の入る曲ですね。なので自分たちのスイッチも入れてくれるし、お客さんのスイッチも入れてくれるような大事な曲になっています。

タイトルだけで楽しい曲が入ってるんだろうなっていうような…(青木)

――新作EP『Hey!』は「“ライブ映え”に特化した」ものとのことですが、どこからそうしたコンセプトが出てきたんですか?

浦谷:私たちの所属するT-Palette Recordsの社長がライブを見に来てくださって、「WHY@DOLLはすごいいい楽曲が揃ってるんだけど、ここぞというところでお客さんと一体となれるような、グワッとアガる曲がまだちょっと少ないよね」という話になりまして…。そこで「ここぞという時に盛り上がる楽曲を集めたEPを出そう」って話になったんですよ。で、私達のライブの鉄板曲を書いてくださってるONIGAWARAさんと吉田哲人さんに2曲ずつお願いしました。

――そういった曲を“ライブ映え”とおっしゃってるわけですね。例えば、お二人にとって“ライブ”ってどういうものですか?

青木:ライブ……「WHY@DOLLの曲はCDでも楽しめる」って言ってもらうことが多いんですけど、歌ってる私たちはやはりパフォーマンスで皆さんに伝えることが一番大切だと思っているんです。「今までCDで曲を聴いてたけど、ライブで聴くともっといいね」ってすごく言ってもらえるので、やはり私たちは歌うことが大好きだし、ライブは自分たちの一番やりたいことができる場だなって思いますね。

浦谷:WHY@DOLLのライブには癒しを求めに来る方が多いんですよ。もちろん盛り上がったりもしてくださるんですけど、MCでの脱力感とか(笑)そういう部分も求めて来てくださってる方が多いと思うので、皆さんと気持ちを分かち合う場所かなと。キャッチボールじゃないですけど、私たちも出すけどみんなにも出してもらって一緒に…(笑)。

青木:共有するって感じ?

浦谷:うん。一緒に同じ場を作るって感じがします。

――気持ちを共有して、盛り上がったりポジティブな気持ちになったりとか。

浦谷:観た人が「またこれから1週間頑張ろう」って元気をもらって帰る、みたいなライブをしたいと思っているので、そういう空気作りとかは大事にしてます。

――ほわどるのライブにはこれまでもそういう機能があったけど、その部分を強調するようなというか、さらにそれを増強するような楽曲を集めたEPって感じですね。

青木浦谷:そうですね。

――ちょこちょこTwitterでも呟いたりしてるんですが、皆さんのライブってホントに“ハズレなし”って思うんですよ。まあ、いつも100%ってわけじゃないかもしれないですが、平均値がすごい高いというか…。でもT-Palette Recordsの社長は「なんかまだちょっと物足りない」みたいなことをおっしゃったと…。

浦谷:そうですね。これまでのライブはどちらかと言うと「私たちが作り上げたパフォーマンスを皆さんに見ていただく」っていうイメージが強くて…。もちろん一緒に楽しめる曲もあるんですが、「ついて来い!」みたいな曲がないって意味だったんだと思います。

――なるほど。優れた楽曲を完成させて提示するっていう感じだったのが、これからは一緒に作り上げるものもやろう、と。

青木:Tokyo Idol Festivalとか大きいフェスに出ると、やはりそういうのを感じてたんですよね。私たちには沸き曲とかワーッてなる曲は少ないと思うんですけど、フェスっていろんな人が来て一体となる場所なので、そういう時になんか足りないなっていうのは感じてたところで…。今回の曲はどの曲も“ライブ映え”っていうコンセプトのもとに作られたんですが、絶対フェスに合う曲だな、そういう大きい会場で歌うのに合う曲だな、って私は感じてます。

――でも、去年のTokyo Idol Festivalのスマイルガーデンでの「CANDY LOVE」とか、そんな一体感がありましたよ。オーディエンスの盛り上がり方もすごかったですし、すごいたくさん人いましたよね。

青木:いっぱいいましたね。

――東京女子流さんの前でしたっけ。

浦谷:そうです。私たち女子流さんの前でした。

――なので、ファンの方はもちろん、ファンじゃない方もたくさんいて、でもすごい一体感があったと思うんですが…。じゃあ、更にそれを?

浦谷:より、ですね。

青木:さらに!

――で、EPのタイトルが『Hey!』なんですが、とてもシンプルで、ある意味ライブっぽいですよね。

青木:覚えやすくていいと思いました。「Hey!」って乗りやすい!タイトルだけで楽しい曲が入ってるんだろうなって…。内容が想像しやすいタイトルだと思います。

――ほわどるっていうとゆるふわな感じですが、これはちょっと違いますよね。ちょっと気合入ってる感じ(笑)。

浦谷:「こっちに気付いて!」みたいな(笑)。

青木:「おいでよ!」とかそういう意味なのかなって思いました。「楽しい音楽あるからこっちにおいでよ」みたいな。「一緒にやろうよ」っていうような「Hey!」だと思います。

――じゃあ、新曲を披露する時はステージ上でたくさん「Hey!」って言わけですね(笑)?

青木:『Mr.boyfriend』は歌詞に「Hey!」って入ってるんですよ。

――あぁ、そうですよね。

青木:その時に言います(笑)。

それなりに長く続けてきたからこそ歌える「なるようになる」だと思います(浦谷)

――まずは1曲目「ケ・セラ・セラ」。このタイトルですが…

青木:おまじないみたいなものですよね。「大丈夫だよ」っていう感じで…。

――歌詞の中には「Lo Que Sera, Sera」というフレーズが出てきます。ツアータイトルも「Lo Que Sera Sera」ですし…。

浦谷:調べたんですけど、基本的に会話で使う時は「Lo」が入るって書いてありました。そっちのほうが自然な表現だ、って。

――そうなんですよね。「Que Sera Sera」ってスペイン語ともフランス語とも取れるんですが、フランス語だと文法的にはおかしくて、スペイン語でも「Que Srea Sera」とはスペイン語圏の人は言わないらしいんですよね。言うなら「Lo Que Sera Sera」になると。元々はイギリスの映画に出てくるものなんですが、イタリア語を模した「Che Sara Sara」っていう貴族の家訓があって、それを観た作曲家ジェイ・リヴングストンがスペイン語風に変えて「ケ・セラ・セラ」というあの有名な曲を作った、と。そんな風に、いろんな国のニュアンスが入っているので、これから国際的な活動を目指そうとするお二人にはぴったりですよね!

浦谷:フランス行きたいです!

――ジャパンエキスポとか。

浦谷:行きたいですね、ジャパンエキスポ!

青木:そこで歌えたらいいですね!

――でも、日本でもよく知られたフレーズです。それをタイトルに付けるっていうのは、ちょっとプレッシャーないですか?(笑)

浦谷:「ケ・セラ・セラ」っていい言葉だっていうのは知ってましたし、この曲の歌詞を見て私自身もすごい勇気づけられるんですよね。ライブを観て元気になって帰ってもらいたいと思っているので、そういう思いを強く伝えられる曲ができたなって感じです。私たちのライブって、仕事帰りに来られる方が多いんですよ。平日に定期公演やってるっていうのもあるんですけど、そんなライブで「ケ・セラ・セラ」を歌って、お客さんに元気に帰ってもらう、っていう意味でもすごくいい曲ができました。

青木:「ケ・セラ・セラ」がリード曲なんですが、歌詞もすごく前向きだし、歌ってても自分たちも元気をもらえるし、まだ発売前なのにライブでやるとみんなが笑顔になってるんですよね。この曲だけですごくいい景色ができてるんですよ。なので、この曲が“おまじない”みたいになればいいなって思ってます。

――日本語訳すると「なるようになる」って感じですが、歌詞を見るとすごくポジティブですよね。お二人は歌詞は読み込みますか?それぞれに解釈したりとか…。

青木:そうですね。

浦谷:まだ年数をあまり重ねてないグループがこの曲を歌うのと、8年目の、まあ、まだまだそんなにすごく長いわけではないですけど、アイドルとしてはまあまあ年数を重ねてると思うんですが、そういう私達が歌うのとでは全然意味合いが違ってくると思っていて…。今まで悩んだこともありましたし、しんどかったなって思うこともありますが、それなりに長く続けてきたからこそ歌える「なるようになる」だと思います。

――なるほどなるほど。

浦谷:なので、ライブに来てくださってる方は、私たちよりもよほど人生経験の豊富な方が多いんですけど(笑)、アイドルっていう分野で8年目を迎えた私たちがみんなの背中を押せたらいいなって。アイドルって元気を届ける仕事だと思うので、そういう仕事をやってきた私たちだから歌える曲かなって思いました。

――10代の小娘には歌えないみたいな(笑)。

浦谷:(笑)私たちだって10代の小娘だったら、歌ってはいたと思いますけど、本当のところをちゃんと伝えられるかっていえば無理だったと思うんですよ。今の年齢だからこそ歌えるというか…。曲はどちらかと言えばアイドルのド定番みたいな曲になってると思うんです。それこそ、さっき言った『Gemini』みたいな「ツウな人」向けというよりは、パッと聴いて好きになれる、キャッチーでアイドルの王道行ってる曲だと思うんですが、あえてこの年になってこういう王道な曲に戻りましたっていう…。でも、歌詞を見ると結構深い事を歌っているので、今の私たちだからこそこの曲が歌えるのかなと思います。

――なるほど~。

青木:私もWHY@DOLLとしては結構アイドルっぽい曲に戻ったと感じるんですけど、でも歌詞は、はーちゃん(浦谷はるな)も言ってたように、今の私たちだからこそ歌える内容が詰まっているので…。そういう思いも込めてこれからたくさん歌っていきたいと思います。

――歌詞を見ると、例えば「立ち止まってちゃ変化はない」とか「待っても夢は来ない」とか結構実感されたんじゃないかと思うようなフレーズが見られます。

青木:そうですね。いいことばかりじゃないので…。「立ち止まる」っていうのも、これだけたくさんライブをしててもお客さん増えないなとか、ワンマンやってもソールドアウトしないなとか、どうしたらもっと上に行けるんだろうとか、そうやって悩むことが「立ち止まる」ってことなんじゃないかと思います。でも待っていても解決しないですし、もっとできることがあるんじゃないかなと思って…。そういうことを考えながら活動してるんですが、そういう意味でもこの歌詞は私たちに合ってるんじゃないかなって。そこは私が歌ってるパートなんですけど、責任感じます(笑)。大切なパートなので…。

――やはり「楽な道なんてどこにもない」ですか?

浦谷:ないですね。みんな何かしら悩んで、いろいろ試行錯誤しながら、もがいて生きてると思うんですよ。楽な人生歩んでる人って、ほんの一握りだと思います。すごい運の持ち主か、元々恵まれた環境にいるか…。そういう人達もいずれ挫折すると思うんですよね。楽な道はないと思います。 

――ですよね。例えば、めちゃくちゃお金持ってる人だって、持ってるゆえの苦悩ってあるでしょうしね。

浦谷:そうですよね。

――やはり説得力ありますね。で、歌詞を読み込まれたとおっしゃいましたが、「うれしい時に涙が出るのは 心の傷埋めようとするから」という一節がありますよね。なんかちょっと哲学的な感じもするんですが…。

浦谷:確かに。

――素晴らしい一節だと思うんですが、イマイチ分からないんですよね…。どう解釈していますか?

浦谷:悲しいことで泣くのって結構簡単じゃないですか。悲しいから涙が出るのは当たり前ですし。

――“傷”があるわけですもんね。

浦谷:でも、うれし涙ってなかなか流せないと思うんですよ。なので、悲しいことで泣くよりもうれしいことで泣いた時には、それだけ悲しいことが癒されるっていう意味なんじゃないかなって。

――あー、なるほど。納得しました!

浦谷:ハハハ。

青木:すごい!

――この一節にちょっと矛盾を感じていたんですよ。「うれしい時に涙が出るのは心に傷があるから?」「うれしい時にも心に傷が出来るのか?」って思っちゃったんですけど、今の説明で分かりました。

浦谷:絶対あるじゃないですか、低迷して悩んでる時期って。「あの時すごい苦しかったな」って思うけど、今はそこにいないわけですし、今からどうにかして変わるわけじゃないじゃないですか。だったら、悩んで苦しんで泣くんじゃなくて、うれしいことでいっぱい涙流していきたいなって。

――なるほど。それは今この時に受けた傷でないけど、やはり引きずってる、あるいは残ってる傷を“うれし涙”が癒してくれる、と。

浦谷:いつか何か大きなこと達成して、自分がそこでいっぱいうれし涙を流せたら、その時ってもう過去だし、逆にその時があったら今があるとも思えるんじゃないか、と。

――それって誰かに説明を受けたんですか?

浦谷:受けてないです。自己解釈(笑)。

――おぉ~やはり説得力あります!で、他の曲にも言えると思うんですが、この曲の歌詞もポジティブですよね。でも、こういう気持ちに自分を持っていくのは簡単なことじゃないと思うんですが、どうですか?例えばこれを歌う時にポジティブなメンタルを作ったりするんですか?

浦谷:いえ。私たち自身それほど自信があるタイプじゃないですし、どっちかというとメンタルもそんなに強いタイプじゃないんですよ。むしろこの曲を歌うことで自分たち自身も励ましてるっていうか。

青木:この曲は歌ってて自然と笑顔になれるので、すごいなって思います。

浦谷:自分たちでメンタル作らなくても、歌えば勝手に自信が沸くんですよね。

青木:自然と笑顔になれる曲ってこういう曲なんだなって思いますね。

――確かに、キャッチーですし、イントロの「Wow Wow」っていうので一体感が作れて、自分自身もアガる機能が曲にありますよね。

浦谷:そうですよね。

青木:ライブでもみんな言ってくれるよね。

浦谷:うん。一緒に歌ってくれるんですよ。

青木:最初も後半にもいっぱい「Wow Wow」が入ってくるので。

浦谷:あの大合唱を聴くと、この曲歌ってよかったなってすごく思いますね。対バンライブって私たちが目当てじゃないお客さんもたくさんいるので「刺さらなくてもしょうがないな」みたいに思うこともあるんですが、「ケ・セラ・セラ」は目に見えて分かるんですよ。「あ、興味を示してくれてるな」って。この曲はWHY@DOLLに元々興味がなかった人にも刺さるのがすごい分かるんです。なので、すごい歌いがいのある曲ですね。

――まさに“ライブ映え”してるわけですね。

青木:してます!

浦谷:めっちゃしてます!

作曲者の吉田哲人さんから「世界平和をテーマに書いて欲しい」って言われて(笑)(浦谷)

――続いて「ふたりで生きてゆければ」ですが、これもとてもリズムが立ったいい曲ですよね。

浦谷:これは2人で作詞したんですが、作曲者の吉田哲人さんから「世界平和をテーマに書いて欲しい」って言われて(笑)。

――えぇええ!

浦谷:はい(笑)。今までの作詞では、“恋愛の歌”を経験少ないながら知恵を振り絞って書いていたんですけど、今回は違って…。“世界平和”っていうとすごい壮大に聞こえますが、「平和って何だろう」と思った時に、普段の何気ない日常を維持することが一番大変で、大きな幸せよりはそういう日常の幸せを日々キープできることが“平和”なんじゃないか、っていうテーマを頂いて…。で、自分が思っている日常のことを書いてみました。この曲は1番と2番をそれぞれが担当してるんです。1番は全部私で、2番はちはるんで。

――ですよね。Aパートは完全に1人で歌われ、途中でハーモニーが入ってきて、って感じですよね。

青木:そうです、はい。

浦谷:作詞自体も完全に分担したので、それぞれの価値感がちゃんと描かれていると思います。なのでタイトルも「ふたりで生きてゆければ」になってるんです。

――なるほど。やはりこれもポジティブな曲ではありますが、ちょっとネガティブな感じから始まってジワジワと上がっていくみたいなところがあります。ということは、浦谷さんはネガティブなところを書かれて…?

浦谷:なんか、私が歌詞を書くといつもそうなっちゃうんですよね。ちはるんと私で“陰と陽”みたいな感じで(笑)。

青木:でも、それが繋がるのがすごい(笑)。

浦谷:私がそういうちょっとネガティブな暗い要素があって、ちはるんがすごいポジティブな明るい要素があることで、WHY@DOLLが出来上がってると思うんです。それがすごい分かりやすい曲かもしれないですね(笑)。

――例えば、最初の「今日もまた繰り返しの毎日」とか、お二人なんて日々いろんな変化があると思うんですが…。

浦谷:始めはそう思ってたんですよ。高校で将来の進路のことを考えた時に…それは高1の時でまだアイドルはやってなかったんですが、「普通の職に就いて毎日同じ仕事するのは嫌だな」って思ったんですよね。その時は美容系の専門学校か学校の先生になりたかったんですけど、小学校、中学校、高校とかは多分無理だなって思ったんです。

青木:保育園だっけ?

浦谷:そう、だから保育園の先生になろうと思って(笑)。高2の時にそういう選択をしたんですけど、高2の夏ぐらいからアイドルを始めて、「これは毎日違う仕事だし、日々変化が訪れるから楽しそう」って思ったんですが…。もちろん仕事内容は毎日違うし、行くライブハウスも毎日違う、歌う曲も違うから変化はあるはずなんですが、自分自身の人間的な変化っていうのがあんまり訪れなかったような気がして…。

――あぁ~深いですね。

青木:深いねぇ。

浦谷:なので、日々同じ日はないはずなんですけど、私にとっては“繰り返し”と感じてた時期があったんですよね。

――ちなみに、それはいつ頃ですか…?

浦谷:上京してからのほうがより感じてたかなぁ~。もっとトントントンって上手くいくって勝手に安易に思ってたので、あんまり上手くいかなかった時に“繰り返し”をすごい感じましたね。

――それはそこそこ昔の話ですよね。そうした経験ってあまりいい経験ではないのかもしれないですけど、それが今の表現に繋がってるということですよね?

浦谷:正直いい経験ばかりしていい経験のことばかり書いても、ネガティブな経験した人には響かないかなと思いますし、逆にあまり良くない経験も歌にしてみることで共感してくれる人がいるかなと思いますし。よく女子が失恋ソング好きなのってそういうことだと思うんですよ。失恋した経験は痛かったけど、それがすごい分かるからその曲が好きっていう。

――なるほど。ある意味、表現者あるいは歌手って疑似体験を人にさせてあげるっていう役割もあると思うんですが、みんなどこかでネガティヴな経験もしているはずなので、それを疑似体験させてるわけですよね。

浦谷:そうですね。

――で、これはそれぞれで作詞して、後で合わせたっていう感じですか?

青木:そうです。お互いに書いて…。

浦谷:それぞれ1曲全部書いて、そこから吉田さんがピックアップして…。で、今回は1番が私、2番がちはるんっていう形になりました。

――あぁ、ピックアップして…。もしかしたら混ざってたかもしれないわけですよね?

浦谷:混ざることもあります。

青木:でも、この曲は1番、2番で綺麗に分かれました。

――例えば1番。そんな「繰り返しの毎日」や「変わらない人生」に対して「疲れたな」なんて独白みたいなことを言ってるわけじゃないですか。ある種の“自分語り”をしているわけで…。でも「君が聞けばあきれてしまうかな」という一行が利いてますよね。

浦谷:フフフ(笑)。

――これによって“ドラマ”が生じますよね。「君」という人がいて、それに独白を聞かせることで“関係性”が出てきて、シチュエーションが出来上がる。すごいテクニックを使いますね。

浦谷:アハハ(笑)。これも「君」は誰でもいいんです。聴く人にとっての、いつも悩みを打ち明ける相手とか、すごい刺激を受けてる相手とか、大切な人とか誰でもいいんですが、ネガティヴばっかり吐いてると「またそんなこと言って」ってなるじゃないですか。それでもここでの「君」っていうのは、絶対的に自分に影響を与えてくれる大切な相手だと思いますね。

――それは「ファンの方」でもあるわけですか?

浦谷:はい。ですよね。

――青木さんが書かれた2番ですが、ここから盛り上がってくるというか、ポジティヴになってきますよね。「乗り越えていけるんだ」とか…。「君となら」っていう部分の「君」は誰を想定していますか?

青木:私も、この曲を聴いてくれる人にとっての大切な人を思い浮かべてくれればいいと思います。あと私たちのこととかでも…。特に誰っていうのはないんですが、自分にとっての「この人だな」という人に置き換えて聴いて欲しいなと思いますね。聴き手の自由で…。私自身は、「ふたりで生きてゆければ」ということなので、私たち2人で暮らしてますし、ライブも毎日のようにやってるので、はーちゃんを思って書きましたね。

――おぉ…。

青木:やっぱり、どんな時もはーちゃんとだから一緒に頑張って行けるんだ、っていう思いをちょっと書いてみました。これ、初めて言いました。

――そうですか!

浦谷:でも、はるなもちはるんのことが頭にあったよ。

青木:ホント?

浦谷:やっぱり一緒に「生きてる」からね。

青木:生きてるね。

浦谷:家族よりも一緒に生きてるなって感じなので。

――でも、お二人はホントに仲いいですよね。

浦谷:ケンカしないんですよ。ピリつくことはあってもケンカはしないですね。

――ピリつくことはあります?

浦谷:お互いやはり別々の人間なので、多少は意見のズレや感覚のズレがあると思うんですよ。でも、そこをお互い責めたりはしなくて、ちょっとイラッとしても受け入れますね。

青木:爆発する前になんか収まります。

浦谷:どうしても我慢できない時は言いますよ。言わないと気づいてくれないこともあると思うので。でも、ホントに小さなことですよ。この間も…お風呂場のマットに珪藻土っていう板を使ってるんですが、あれは何回かこうやって足踏みしないと床がべちゃべちゃになるんですよ。べちゃべちゃの日が何日か続いて、嫌だったので、これは言わないと気が付かないな、と思って…

青木:言われました。それまで珪藻土を使ったことがなくて、すぐに乾くものだと思ってたので、そんなに足踏みしてなかったんですよ。でもなんかすごい濡れるなって思って…。分かんなかったけど言ってくれたので、それで分かりました。

浦谷:そういう些細なことです(笑)。

――ちょっと微笑ましい感じもしますが、でもね、そういったところからね。

浦谷:溜め込むのはよくないと思います。

――アイドルさんとかガールズグループさんを取材すると、一緒のグループにいても「友たちじゃない」っていう人も結構いるんですよね。

浦谷:女子は難しいんですよね。

――それは別にいがみ合ってるわけではなくて…。四六時中一緒にいるので、プライベートではご飯に行ったりとか全然しないというか…。中には「ビジネスパートナーだ」って言う人もいたりしますよね。でも、だからこそ成り立っているという気もします。どうですか?お二人は。“友達”ですか?

浦谷:“ビジネスパートナー”っていう言い方も間違いじゃないですよね。“友達”ではないし“家族”にちょっと近いと言えば近いですけど、それもまた違う気がするなって思います。

青木:うん、なんだろうね。

浦谷:でも、家族に言えないことも言い合える仲だし。

青木:兄弟?兄弟違う?

浦谷:なんだろうね。

青木:何て言ったらいいんだろう。

浦谷:難しいですね。冷たい言い方だけど“ビジネスパートーナー”は合ってるといえば合ってると思うんですよ。でも、みんなが思い描くような“ビジネスパートナー”とは少し違って…。もっと深い仲です。

マネージャー:まあ、言ったら“相方”だよね。

青木:うん、“相方”。

浦谷:いつも“相方”って呼んでるんですけど、それが一番しっくりくるかもしれないです。

――“ビジネスパートナー”って言うとちょっとドライすぎる感はありますが、“相方”だといい表現かもしれないですね。

浦谷:深い仲です。信頼してますし、言えないことも言えます。お互いの変化とかも気付くしね。

――そうなんですね。例えば、こうやって作詞をする時、お互い見せないでやりますか?

青木:見せないです。

浦谷:見せるとお互いいろいろ考えちゃうんです。「相手の歌詞がこうなるんだったらこうしよう」とか。それって自分のオリジナルじゃなくなるじゃないですか。だから、歌詞を送る時も個々にマネージャーに送るんですよ。で、ピックアップされた結果「こうなりました」って初めて相手の詞を見ます。修正が必要な場合もあるんですね。「世界観が違い過ぎるからここはちょっと合わせて欲しい」っていう注文が来たりして。そこで初めてお互いの歌詞見せ合って、「どういう世界観で書いてるの?」っていうのをディスカッションして合わせたりしますね。

――そこそこ完成に近いというか、全体として出来上がった時に初めて見るというか…。

青木:そうですね。

――今回は直しとかあったんですか?

青木:それが今回なかったんですよ。びっくりしたんですけど。

浦谷:私、ちょっと煮詰まってて全然書けなくて、いわば“ダメもと”で出した歌詞だったんですけど、それがむしろ良かったみたいで…。自分があんまり良くないなって思ってるのに限って「良かったよ」って言ってもらえることが多いんですよね。

――でも、そういう意味ではお二人のコンビネーションはバッチリですね。ところで、他の曲は結構ストレートな表現が多い気がするんですが、4曲の中でこの詞が一番味わい深くないですか?

浦谷:言っちゃえば、ちょっと重い曲ですよね。この4曲の中で言うと。軽い気持ちで歌えないというか…。

――「Wow Wow」って感じでバーンと盛り上がる歌詞ではないですよね。

浦谷:みんなの心に語りかける曲みたいな感じかなと。

青木:確かに他の3曲に比べたら、みんなで一体となって楽しむ曲ではないかもしれないですね。けど前向きな曲ではあるから…。確かに伝えるのは表現力が必要かもしれない…。

――この曲調も、ストレートな8ビートで始まり、ちょっとロックっぽい要素があって、もしかしたら一番速い曲、一番アグレッシブな曲ですよね?

浦谷:テンポはすごい速いですね。でも、先日振り入れしたんですけど、ダンスはそんなに激しくなくてじっくり見せる曲になってるんですよね。ちょっとミュージカルっぽいかもしれないです。詞の世界観に合ったダンスになっていて。踊るっていうよりは…

青木:しなやか系?

浦谷:場面場面を切り取ったダンスが多いんですよね。

――演じるというか…。

浦谷:そうですね。機械仕掛けなところもあったりとか。

――詞が深くてちょっと重い部分もあって、でもビートはすごいハツラツとしていて、ガンガンいく感じで…。

浦谷:難しい。

青木:練習しないと。

歌うと名前を覚えてもらえます(青木)

――続いて「It’s all right!!」ですが、これなんてまさにお二人のことを歌った曲ですよね。「WHY@DOLL」という名前も出てきます。どうですか?ご自身のことを詞に書かれて、それを自分で歌うわけです。

浦谷:今までなかったですね。「WHY@DOLL」って名前が入るのは…。すごい新鮮な気分ですね。すごいストレートに「WHY@DOLL」って。

青木:歌うと名前を覚えてもらえます。

――なるほど。ある種の自己紹介ソングみたいな。

浦谷:Aメロには「春夏秋冬全国津々浦々」というフレーズがあるんですが、去年本当にいろんな場所に行ったんですよ。そういうところをONIGAWARAさんが見てくださって、書いてくださったんだな、って。

青木:ONIGAWARAさんの曲はコール&レスポンスが毎回あるんです。今まではサビとかにしかなかったんですが、この曲はAメロやBメロにも入ってるので、ファンの皆さんと一緒に歌えるところが増えて楽しいです。

――コール&レスポンスで盛り上がるって、まさに“ライブ映え”するってことですよね。

青木:そうです!

――例えば「ケ・セラ・セラ」や「ふたりで生きてゆければ」などもご自身のことを歌っていると言えるかもしれないですけど、それらは象徴的だったりとか、皆さんのことと解釈もできる、って曲です。でも、これはストレートじゃないですか。例えば「寂しい時は会いに行くからね」っていうのは遠征のことですよね?

青木:そうですね、この部分はそういう意味ですね。ありがたいことに、なかなか行けない場所にもファンの人が待っていてくださるので…。

――あと「会いたい気持ちと会えない時間が愛を育んでいくんだ」ってちょっと聞いたことがあるようなフレーズですが、これも、地方のファンの方々と直接会うことはなかなかできないですが、離れてる間にも“愛”が育まれる、と。

浦谷:会えた時の喜びは大きいですよね。ONIGAWARAさんは恋や愛をテーマにした曲が多いので、アイドルとファンとの関係はもしかしたら“恋”に似てるかもしれないですね。

――でも、「将来は分からないけど幸せを祈るよ」っていう一節では、ちょっと突き放してる感じがするんですが(笑)。

浦谷:みんな分かんないじゃないですか、将来は。

青木:私たちもどうなるか分かんない…。

浦谷:その歌詞は私が歌ってるんですけど、結構好きなんですよ。まさに「ケ・セラ・セラ」みたいじゃないですか。

――ですよね。まさにそうです。

浦谷:「分からないけど幸せになって欲しいな」って、すごく素敵な歌詞だと思います。

――お二人が「ファンを幸せにしてあげる」って約束するのではなく、「なるようになる」と(笑)。

浦谷:ライブに来てくれたら幸せになるように努力はしますけど(笑)。皆さんの日常生活に何があるかは知らないので(笑)。

――そこは自己責任で(笑)。

浦谷:ハハハ(笑)。でも、ライブに来てる間だけでも幸せになって欲しいですね。

――なるほど、その場はね。でも、そこから出たらやはり自分で頑張ってくれ、と(笑)。

浦谷:辛いこともあるとは思うんですが、辛くなったらWHY@DOLLに来て!って(笑)。

青木:おいでよ!って(笑)。

聴きながら目を閉じて“擬似ライブ”をしていただきたいですね(笑)(浦谷)

――続きまして『Mr.boyfriend』です。この曲は…。

浦谷:boyfriendって何?って感じです(笑)。もう恋愛はよく分かんないんです…。

――そうなんですか???

浦谷:boyfriendってどんな人なんだろうね?

青木:男友達?

浦谷:え?boyfriendって彼氏のことでしょ?恋人とか。

――“boyfriend”とワンワードになっている場合は「彼氏」のことです。

浦谷:boyとfriendで分かれたら?

――男友達です。

青木浦谷:あ、そうなんだ!

――あと“male friend”という言い方もあります。

浦谷:難しいですね…。そう、海外で「男友達」ってどうやって表現するのかな?ってずっと思ってたんですよ。そういうことなんだ…。

――そうなんです。でも、boyfriendって何?って感じなんですね。

浦谷:でも、将来ひとりで死ぬのは嫌なので、いつかは…とは思いますけど。まだそういうタイミングは来てないです。なので、ちょっとよく分からないんですよ。

――そうなんですね…。

青木:多分、この歌詞に出てくる2人はまだ付き合ってないんですよね。

――おぉ。ですよね。

青木:学園ドラマとか恋愛マンガのヒロインじゃないですけど、誰もがキャーってなるような人に恋しちゃってて…。好きな人を想って、でも言い出せない、みたいな…。歌詞を読んだだけでキュンとしちゃいますね。

――まだ恋は成就してなくて、ライバルも多いんでしょうね。

浦谷:超モテ男ですよね、これ。

青木:ちょっと学生に戻った気分になりますね。

浦谷:私は、アメリカの海外ドラマみたい、って思いました。boyfriend役の男子はすごいイケてて、その子にお似合いだなってみんなに思われているキラキラした女子がいて、それを遠巻きに見てる「私」の歌かな、って。

――ですよね。その「私」はまだちょっと垢抜けなくてイケてなくて。

浦谷:「いつかは」って思うけどなかなか踏み出せない平凡な女の子、みたいな。

――でも、脱皮するとキレイになる可能性も秘めてるような。

浦谷:たいてい海外ドラマってそういう子が結果的に付き合ったりするんですよね。なので、将来的には付き合いますよこの2人(笑)。

――なるほど(笑)。最後はプロムかなんかに誘うみたいな(笑)。

浦谷:それがストーリーのラストみたいな。

青木:気付いてくれるんですよね。

浦谷:これはそれまでの過程の歌って感じですかね。

――シチュエーションが見えてきましたね。僕、思ったんですけど、今回のEP『Hey!』はライブ映えする4曲ですが、中でもこれが一番“ライブ映え”するんじゃないかと。

浦谷:本当ですか?私も一番最初に聴いた時に一番好きだったのは「Mr.boyfriend」でした。

青木:この曲が一番盛り上がりそう。

浦谷:キャッチーですごくいいと思いましたね。

青木:乗りやすい。

――曲調もレトロなディスコって感じでキャッチーですけど、僕が思うのは、お二人が「わたし君の彼女になりたい」とか「私だけに特別を見せてよ」とか「あなたにお熱なんです」とか、それに「あなたのことが好きです」ってもろに言っちゃうわけじゃないですか。ライブ映えしますよ絶対(笑)。

浦谷:でも、私たちのファンは「フー!」とか言わなそう…。

青木:言ってくれるかもよ。

浦谷:でも、ここぞっていう時にあんまり「フー!」って来ないと思います。来て欲しいなとは思いますけど。

青木:自然と沸き起こればいいよね。

浦谷:そうだね。そういう曲になるといい。

――沸くといいですね。

浦谷:恥ずかしがり屋な人が多いですね、私たちのファンは。他のグループのライブを見ると、ダンスソロが入ったりすると「フゥー!」って盛り上がったりするんですけど、WHY@DOLLのファンは普通に見てる方が多い印象です。

青木:見守る系の優しい方が多いので…。

浦谷:でも、このEPの4曲はね、ガッと盛り上がる曲になるといいね。

――そんな方々もハジけるような4曲を作ったっていうことですよね?

青木:そうです!

浦谷:「みんなの殻も剥いてあげよう」と思って(笑)。

――なるほど。でも、実際今までこれほどストレートに「あなたのことが好きです」って歌ったことはありますか?

青木:あります。「恋はシュビドゥビドゥバ!」の最後で。

――あぁ、「恋はシュビドゥビドゥバ!」でね。

浦谷:でも、あんまりストレートなのないね。

青木:あんまりないね。

――なので、ONIGAWARAさんも“恋愛の曲”っていう仮面をつけながら、こういうことを言わせようとしたのかなって(笑)。

青木:あぁ~。

浦谷:ファンの皆さんは一番聞きたいフレーズかもしれないですね。

――いやー、そうだと思いますよ。そういう意味でも“映える”のかなって感じがします。

浦谷:盛り上げよう!

――では、そろそろ締めに入りますが、今回のEP『Hey!』。どういうものになりましたか?どういうふうに楽しんでいただきたいですか?

浦谷:そうですね。繰り返しになりますが、ライブでとにかく一緒に盛り上がれる曲が本当にギュギュッと詰まったEPになっているので、まずはいっぱい聴き込んでいただいて、ライブでとにかく自分の殻を破って、明日のこととか何も考えずに一緒に楽しんでいただけたらうれしいなって思います。なかなかライブ来られない方は、このEPを聴いて、日々の辛いこととかは忘れて、聴いている間は幸せな気持ちになっていただければなって。これからツアーを回るんですが、ツアーで訪れる地方の方々には直接お伝えしようと思いますし、ツアーに来れない方にも4月以降にいろんな地方を回ろうと計画してるので、多くの人に届けられたらなって思います。

――普段ライブに来られない方にもちょっとしたライブ感を味わってもらえる曲かもしれないですよね。

浦谷:聴きながら目を閉じて“擬似ライブ”をしていただきたいですね(笑)。

――なるほど(笑)。青木さんはいかがですか?

青木:この4曲ともコンセプトが“ライブ映え”ということで、今までにないWHY@DOLLの新しい一面が見せられる曲だと思います。この曲を聴いていただく方に、笑顔に元気になっていただきたいので、そういう思いを込めて歌いたいと思います。是非たくさん聴いて笑顔になっていただけるとうれしいです。

(取材・文:石川真男)

WHY@DOLL ライブ情報

WHY@DOLLワンマンライブツアー2019 WINTER  “Lo Que Sera Sera”

2019.2.10 札幌|SPiCE(ex:DUCE SAPPORO)
①FIRST STAGE
13:00開場 13:30開演 
前売り3,000円/当日3,400円
②SECOND STAGE
17:30開場 18:00開演
前売り3,000円/当日3,400円
(共にドリンク代別)

2019.2.24 大阪|LIVE SQUARE 2nd LINE
①DANCE LIVE
12:30開場 13:00開演
前売り3,000円/当日3,400円
②BAND LIVE
18:00開場 18:30開演
前売り3,500円/当日3,900円
(サポート:大久達朗(Gt)、越川和磨(Gt)、鳴海克泰(Ba)、PITARI(Key)、神保洋平(Drums))
(共にドリンク代別)

2019.3.17 名古屋|RAD HALL
①DANCE LIVE
12:30開場 13:00開演
前売り3,000円/当日3,400円
②BAND LIVE
18:00開場 18:30開演
前売り3,500円/当日3,900円
(サポート:大久達朗々(Gt)、鳴海克泰(Ba)、PITARI(Key)、神保洋平(Drums)、石井裕太(Sax))
(共にドリンク代別)

2019.3.24 東京|下北沢GARDEN
①DANCE LIVE
12:30開場 13:00開演
前売り3,000円/当日3,500円
②BAND LIVE
18:00開場 18:30開演
前売り4,000円/当日4,500円
(サポート:大久達朗(Gt)、越川和磨(Gt)、鳴海克泰(Ba)、松浦碧(Key)、大菊 勉(Drums)、エトウヒロノリ(Tronbone)、PITARI(Trumpet)、石井裕太(Sax))
(共にドリンク代別)

WHY@DOLL 商品情報

4曲入りE.P「Hey!」2019年2月12日リリース!

TPRC-0219 \1,852+税

1.「ケ・セラ・セラ」 
作詞:MEG.ME 作曲:吉田哲人 編曲:吉田哲人、長谷泰宏
2.「ふたりで生きてゆければ」 
作詞:青木千春、浦谷はるな 作曲:吉田哲人 編曲:吉田哲人、長谷泰宏
3.「It’s all right!!」 
作詞:竹内サティフォ 作曲・編曲:ONIGAWARA
4.「Mr.boyfriend」 
作詞:竹内サティフォ 作曲・編曲:ONIGAWARA
5.「ケ・セラ・セラ(Naked)」 
作詞:MEG.ME 作曲:吉田哲人 編曲:長谷泰宏、吉田哲人
6.「ふたりで生きてゆければ(Naked)」 
作詞:青木千春、浦谷はるな 作曲:吉田哲人 編曲:長谷泰宏、吉田哲人
7.「ケ・セラ・セラ(Instrumental)」 
8.「ふたりで生きてゆければ(Instrumental)」 
9.「It’s all right!! (Instrumental)」 
10.「Mr.boyfriend(Instrumental)」 

WHY@DOLL プロフィール

北海道札幌市出身 2人組ガールズユニット。
DISCO/CITY POP/FUNK/R&BDISCO/CITY POP/FUNK/R&B 等 様々なサウンドを現代アレンジし、ツインボーカルを生かしたMixによってどのジャンルの楽曲でもWHY@DOLL独自のテイストを生み出す。
懐かしさを感じつ心地よく癒れる雰囲気と空間を併せ持つユニット。

メンバー プロフィール

青木千春 (ちはるん)

1993 年1月21日生 26歳
血液型 AB 型
趣味:散歩、紅茶収集 、風景写真を見ることK-POP、映像編集
☆ブログ http://ameblo.jp/chihapon-0121/
☆Twitter https://twitter.com/aokichiharu
☆instagram https://www.instagram.com/chiiihaaarun/
☆CHEERZ https://cheerz.cz/artist/96/30371
☆.yell plus https://yell.plus/apps/member/777/

浦谷はるな(はーちゃん)

1995 年4月1日生 23歳
血液型 不明
趣味:読書 、映画鑑賞(ホラー系)、カメラ、Sax、Keyboard
☆ブログ https://ameblo.jp/hum-hum-mofy/
☆Twitter https://twitter.com/humhum0401
☆instagram https://www.instagram.com/humhum0401/
☆CHEERZ https://cheerz.cz/artist/97/24002
☆.yell plus https://yell.plus/apps/member/778/


公式サイト
http://www.whydoll.jp/

公式ツィッター
@WHYDOLL2014


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