ものすごい勢いで上昇している印象だ。さながら大きな翼を持つジェット機が、滑走路を走行しながらエンジン推力を最大にして離陸し、大空へとぐんぐんと上昇しているかのよう…。福岡を拠点とする五人組ガールズグループ、九州女子翼。シーンでは現在も数多のアイドルが次々と産声を上げているが、デビュー1年未満の新人の中では最も勢いのあるグループの一つだと言っても過言ではないだろう。
これまでの道のりをざっと述べておこう。2017年10月に実玖、山本愛理、新谷香苗、詩絵里の4人でデビュー。GALETTe「じゃじゃ馬と呼ばないで」や西恵利香「MUSICを止めないで」などの名曲の作曲者として知られる筑田浩志をサウンドプロデューサーに迎え、定期公演と映像作品を軸に活動することで注目を集めてきた。今年3月に鈴川瑠菜が加入して現在の5人体制となり、翌4月には「TIF2018全国選抜LIVE」に出場。九州・沖縄ブロックで見事1位通過し、TIF出場権を獲得。そして5月には、指原莉乃がMCを務める『この指と~まれ!』に出演。実玖が指原から「今年会ったアイドルで一番可愛い!」と絶賛され、さらには他の多くの媒体で「指原莉乃が推す美少女」として取り上げられることによって、九州女子翼の名が一気に広まることとなった。そして8月にはTIFに出場し、計4ステージで全力のパフォーマンスを展開。中でもSKY STAGEでは彼女たちのコンセプトや魅力が最大限に発揮され、さらにその勢いを加速させることとなった。
こうした数々の“幸運”が現在の飛躍の大きな要因となっていることは間違いないが、そればかりではない。それ以上に、女子翼の各メンバーが定期公演や対バンライブ、リリースイベントなどで研鑽を積み、優れた楽曲をより魅力的にオーディエンスへと伝えるパフォーマンスを繰り広げていることも、この躍進の大きな要因であろう。彼女たちがステージ上での激しい動きで風を巻き起こしているのと同じように、様々な“幸運”を引き寄せていることも含め、彼女たち自身がこの上昇気流を巻き起こしているのだ。
そして、ここへきて各メンバーがキャラを確立してきており、自身の役割を自覚しながらそれぞれの個性を発揮している印象だ。
例えば実玖は、指原莉乃のお墨付きを得たルックスを武器に女子翼のセンターとして君臨するが、しばしばその美貌を大胆に崩しながら多彩な表情を作り、楽曲を多角的に表現している。山本愛理は、その歌唱力の高さと巧みな煽り、そして今や大きな見所の一つとも言うべき“顔芸”で、女子翼のステージの大きな推進力となっている。新谷香苗は、その“アイドル偏差値”の高さで女子翼のステージに花を咲かせ、また、“飛び道具”系メンバーの多い中、その経験値の高さで大きな安定感をもたらしている。詩絵里は、その人柄と包容力で女子翼の精神的支柱となっており、また、そのアーティスティックな感性で今後女子翼の音楽性に大きく貢献することとなるだろう。そして、新メンバーの鈴川瑠菜は、パフォーマンス面でようやく4人に追いつき、これからいよいよ個性を発揮するところだが、これがまたすごい逸材のようだ。まずは定期公演の1幕で行われた「大喜利」や「エチュード」などでその“バラエティ対応力”を発揮しており、また、当記事でもわかるとおり、淀みなく言葉が出てくる喋り手としても大きな可能性を秘めている。
そして、各楽曲の歌割りにもメンバーの声色やキャラを生かした工夫が施されており、各人もそれぞれの“見せ場”で大いにその力量を発揮している。例えば「TAKE WING」落ちサビの最初のラインでの実玖の惚れ惚れするような表現力。例えば「私だけのArmor」サビの印象的なフレーズ「超えろ!」における、香苗の甘い声と愛理のパンチのある歌声とが織り成すコントラスト。例えば「絶対零度」の歌い出しにおける、詩絵里の抑制の中からじんわりと滲み出る情感。そして「Maybe Darling」歌い出しにおける瑠菜の素朴な語り口。他にもまだまだあるが、ステージでは各メンバーがこうした各々の見せ場で“主役の座”を奪い合っており、それにより彼女たちのステージは、躍動感や熱量のみならずシアトリカルな情動の起伏をも獲得しているのだ。
ともかくも、激しい上昇気流に乗りながら、果てしない大空へと羽ばたいている彼女たち。そしてその伸び代は無限大。まさに英語で言うところの“The sky is the limit(可能性は天井知らず、成功するチャンスは限りない)”である。
そんな彼女たちにSpeak emo2度目のインタビューを敢行。フルメンバー5人が揃う中、TIF出場、指原莉乃との邂逅、そして待望の1stアルバム『TAKE WING』などについて、お話を伺った。
左から詩絵里、新谷香苗、実玖、山本愛理、鈴川瑠菜
武道館に行くまで泣きませんよ!(笑)(愛理)
――皆さん、今絶好調ですよね! この状況をどう捉えていますか?
鈴川瑠菜(以下:瑠菜):今回東京に来て、「あ、TIFで爪痕残せていたのかな」ってようやく感じました。リリースイベントなどでホントに毎回、“溢れんばかりの人”って言うんですか? いっぱいいっぱいお客さんが来てくださって、ステージに出るたびにびっくりするんですよ。人の多さに。そういう光景を見ると、前回の東京遠征でちょっと爪痕残せていたんだなって実感できて、良かったなと思います。
山本愛理(以下:愛理):対バンでも女子翼のファンの方がたくさん来てくださって…。昨日のライブでは前の方が椅子席で後ろが立ち見だったんですが、立ち見のところでめっちゃ盛り上がってくれたんですよ、女子翼のファンの方が。そのおかげで私たちもすごい熱量を出せたんじゃないかなと思っていて。エゴサしたら「女子翼はトップバッターだけどトリみたいな感じで盛り上がってた」みたいなことが書いてあって、うれししかったです。
新谷香苗(以下:香苗):ツイッターなどを見ていると、対バンで女子翼を楽しみに来てくださってる方がいて、しかも初めて見に来てくださるのに女子翼が目当てだという方もたくさんいて、うれしかったですね。
詩絵里:コールがすごいそろってて、それがバーッと聞こえて、こちらもすごいパワーが出ました。
実玖:今回のリリイベでは初めましての方がとても多くて、いつも来てくださる方ももちろんたくさんいましたが、半分ぐらいは初めての方だったんですよ。TIFだったり、指原莉乃さんの『この指と~まれ!』だったりを見て「女子翼の名前を知ったよ」って方がとても多かったので、その反響が今返ってきてるのを感じて驚いてます。リリイベの時、始まる前に社長がお客さんに「前にお詰めください」みたいなことを言っていて、それが聞こえた時に「そんなに人が多いの!?」と思って、「気のせいだよ!」とか言いながらステージに出たら、すごい多くて…。後ろの方とかホントに顔がチラッと見えるか見えないかぐらいだったので…。そんなに後ろの方まで見に来てくださるのは、本当にありがたいことだなと思いました。
――僕も昨日リリイベにお邪魔したんですが、時間ギリギリに来たら一番後ろだったのでほとんど見えませんでした!(笑) で、前回は4人体制でのインタビューで、後から瑠菜さん単独のインタビューを追加して、という形だったんですが、今回取材するにあたって読み直してみたんですけど、あの時は面白かったですよね!?
愛理:面白かったですよね!面白かったですよね! 私「ああいいこと言ってた」って思って…
一同:(爆笑)
――いや、ホント面白いことおっしゃってました。みなさんそれぞれに面白かったですし…。瑠菜さんは初めてのインタビューでしたが、あの時は落ち着いた大人っぽい感じかなと思っていたら…
瑠菜:猫かぶってました。
――猫かぶってましたよね! 今は立て板に水のごとく淀みなく言葉が出てきます。
瑠菜:喋ります。口を開けば止まらないんですよ(笑)。
――こんなに喋る方だとは思っていませんでした。
瑠菜:そうなんです。喋りすぎてよく怒られます。「うるさい!」って(笑)。
――で、その時のインタビュー内容を見ると、まだある意味“素朴”というか“純朴”というか…。ライブの後に取材させていただいたんですが、あの時のライブで実玖さんや愛理さんは号泣されたんですよね。
愛理:そうでしたね~。
――正直言いますよ。あの時のライブって“超満員”ってわけじゃなかったじゃないですか。まあ、そこそこ入って、それなりに盛り上がって…。その時「これまでで一番コールが大きかった」「お客さんとの一体感がすごかった」って感激して泣いたとおっしゃっていましたが、その時から比べると今はもの凄い勢いで進化していて、知名度も上がってきていて、隔世の感があります。あれから半年ちょっとですが、状況が全然違いますよね。
愛理:ホントですね。
――あんなことでもう泣かないでしょ!? 「あんなこと」って言ったらいけないですが…。お客さんの“数”が全てではないですし、素直にあの時の盛り上がりに感激したのは素晴らしいことですけど、でも今や、あれでいちいち泣いている暇はない、ぐらいになってるんじゃないですか?
愛理:そうですね。これから先は、武道館に行くまで泣きませんよ!(笑)
一同:おおっ!
――書いていいですか(笑)。
愛理:書いていいですよ! どんどん書いてください!
――でも、ホントにあの頃と比べると状況が大きく変わりましたよね。実感します? ご自身でも。
実玖:実玖はたぶん一番実感してないと思います。
瑠菜:実玖ちゃんはいつも「何かの間違いだよ」って言ってるんですよ。
香苗:私もあんまり感じてはいないかもしれないです。
――実感はないですか。
香苗:でも今回のリリースイベントでお客さんがたくさん来てくださったのを見て「おーっ」てなりましたけど、それまでは全然感じなかったです。
詩絵里:自分たちではそこまで気づいてなかったですけど、リリイベなどで「オーッ」ていう大きなコールを聞いたりして、そこでようやく実感するっていうか…。「ああ、やっぱり前より変わったんだなぁ」って。
――じゃあ、僕が一番感じてるかもしれないですね。前回取材させていただいた時、ほんの数ヶ月前ですが、「九州女子翼? まあ筑田さんの楽曲を歌ってるからとりあえず取材しとこうか」ぐらいだったのが…(笑)
一同:アハハ
――今やもう「ぜひお時間ください!」みたいな(笑)。社長に必死に頼み込んで(笑)。覚えてますか、僕のこと???
一同:もちろんですよ!
――忘れないでくださいね…。
実玖:いやいやいやいや!
愛理:忘れないですよ!
――お会いできる機会もだんだん少なくなってくると思うんで…(笑)。
一同:いえいえいえ(笑)。
表では「絶対私たちが行きます!」とか言っとうのに、裏では「絶対無理絶対無理、勝てるわけがない」とか…。「このうそつきが!」と思ってました(笑)(瑠菜)
――で、前回の取材以降いろいろありましたよね。まずはなんといってもTIFです。「TIF2018全国選抜ライブ九州・沖縄ブロック」を見事勝ち抜いて出場権を獲得しました。でも、もう半年前のことですし、その後もいろいろとあったので、その時のことは憶えてないでしょ???
愛理:めっちゃ憶えてます。
瑠菜:鮮明に憶えてます。
実玖:TIF予選出場の書類を書かせてもらった時に、手が震えすぎて“九州女子翼”さえ書けるか書けないかぐらいで…。
――えぇええ~!
実玖:実玖と愛理は以前I’S wingっていうグループで活動させてもらってて…
――はい、知っていますよ。
実玖:その時もTIFの決勝ライブに出させてもらったんです。エントリーの時はまだ解散が決まってなかったんですが、決勝ライブの前に解散が決まったので、無投票でライブだけやらせていただいたんですよ。その時は本当にファンの皆さんにも申し訳ないっていうか…。それまでたくさん応援してもらって、ライブもさせてもらえるのが決まったのに、無投票になって…。で、それにも拘わらず、たくさんの方が応援に来てくださって、申し訳ない気持ちしか残ってなくて…。で、女子翼はデビューしてそんな経ってなかったので、正直思ったんですよ、「まだ勝てない」って。前日のリハの時には不安で不安で苦しくて、リハで「無理だ」って泣いたんです、実玖は。実玖、泣き虫なんですよ…。
一同:アハハ。
実玖:その日にめっちゃ泣いて、でも、泣いたことによって「絶対勝てる」と思って…。なんでかわからないんですけど(笑)。でも、それがきっかけで予選ライブに向けてメンバー5人が団結したので、そういう意味でもいい経験になりました。しかもTIFにも出場させてもらって…。
――緊張を涙で洗い流せるんですね。
実玖:そうなんですかね…。なんか~、最近よく泣くんですけど。
香苗:ホントなんで泣きよるんか分からん時に泣き始めて、泣き止まない時があるんですよ。
実玖:アハハ
香苗:「子供か!」と思って!
実玖:一番泣くんですよ。ちょっとしたことですぐ泣いちゃって、みんなに「えっ?今?」みたいな感じで言われます(笑)。
詩絵里:そこ?ってところで。
――それはあれですよね?精神的に病んでるわけじゃなくて、うれしいことがいっぱいあったからですよね???
実玖:はい(笑)。
――他の方はいかがですか?
香苗:女子翼に入る前から「TIFに出てみたい」って想いはあったんです。で、まず社長から電話で「TIFの予選ライブ出ることが決まったよ」って言われた時に、それだけでめっちゃ喜んで…。SNSとかでは「勝ちます!優勝します!」って言ってて、ホントに出たいとは思ってたんですけど、心の中では「無理かな」みたいな気持ちがずっとあったんですよね。でもそれは、あんまり表に出したらホントに叶わなくなっちゃうと思って出さなかったんですけど、ホントにずっと不安でした。でも、決勝ライブで1位になれた時はもう信じられないぐらいうれしくて、いま動画を見返すとメンバーみんな手を繋いで…
愛理:そうそう(笑)。
瑠菜:懐かしい(笑)。
実玖:発表される前に不安すぎて、私たち5人だけごそごそっと固まって、みんなで手を繋いで発表を待って、1位って聞いてうれしすぎて…。あの時がたぶん一番ジャンプしたと思います。
香苗:実玖ちゃんあんまりジャンプしないんですよ。
実玖:ライブの時、実玖が一番ジャンプ力ないんですけど、その日は一番跳んだんですよ。それぐらいうれしかったです。
――僕も配信で見てましたよ。ハラハラしながら。
一同:あー、ありがとうございます!
――いや、ホント善戦するとは思ってたんですけど、勝てるかどうかっていうのは正直わからなかったですね…。もしかしたら、とも思っていましたが…。まあ、でも、前回言いましたが、僕が目をつけた人は…
愛理:見る目があります!
――(笑)売れる場合もあれば、売れない場合もあるんですけど…。
一同:アハハハ
愛理:売れます売れます。
――売れますよ!武道館どころじゃないですよ。
愛理:ドーム行きましょう。
――世界へ行きましょう! で、他にはないですか?
瑠菜:大したことじゃないかもしれないんですけど、決勝ライブの時、私まだ女子翼としてデビューして間もなくて。
愛理:3週間ぐらいだったよね?
瑠菜:はい。3週間ぐらいで。でも決勝ライブで、本当に右も左も、上も下も、何もわからない状態で出させてもらって、自分以外のメンバーはTIFに出るまでの経緯も知っていて、過去の経験もあるから、ホントに「不安で不安で」って言ってたんですよ。あの時はみんなが「不安」とか「無理かもしれん」とか言ってたんですけど、私一人で「大丈夫ですよ!行けますよ!」ってずっと言ってたんですよね。
詩絵里:逆にそれがすごい助けになりましたね。
瑠菜:だって「無理って言ったら無理になるやん!」と思って…。「なんでそんなこと言うんですか!」みたいな感じで、無責任に「絶対行けますよ!」って言ってたんですよね。わかんなかったからこそ、ああやって無責任にポンポン言えたんだなと。でもあの時「行ける行ける!」って言ってホントに行けたので良かったなって思います。
――予言者ですね。
瑠菜:でも、今はもう絶対言えないですね。
――今は言えないんですか?
瑠菜:絶対言えないです(笑)。あの時は何にもわかってなかったから…。
――でも、そういう存在がいるといいですよね。
詩絵里:正直、自分がマイナス思考で「なんか無理かも」って言ってて、でも、その中で(瑠菜は)ずっと「大丈夫ですよ、もう見えてますよ!」みたいなこと言ってて、そしたら「もう信じるしかない」って思って、自分の考え方もそっちの方向に変わっちゃって…。今思ったら(瑠菜は)すごいこと言ってたな、と思って…。
瑠菜:皆ツイッターとかブログとか、表では「絶対私たちが行きます!」とか言っとうのに、裏では「絶対無理絶対無理、勝てるわけがない」とか…。「このうそつきが!」と思ってました(笑)。なので「行けます行けます」ってずっと皆に言ってましたね。無責任に(笑)。
詩絵里:それがなかったらホントに潰れとったかも。
――瑠菜さんは前のインタビューで「こんなところでとどまってるグループじゃない」という風におっしゃってましたよね。
瑠菜:ホントにもう初めて見た時からそう思ったんですよ。九州女子翼を初めて見た時、鳥肌が立ったんですよ。「えっ?なんでこのグループ、こんなとこでとどまってるんだろう?」って思いました。
――そうらしいですよ、みなさん。
実玖:ホントに?
――最初にインタビューした時、言ってましたもんね。
瑠菜:「なんでこんな薄暗い会場で」って。「なんでこんなところでとどまってるの?」って。
――会場はたいてい薄暗いですよ(笑)。
香苗:(笑)。瑠菜ちゃんが観た時は、まだ結成3カ月とか4カ月ぐらいだったから。
瑠菜:アイドルさんとかいろいろ観るんですけど、こんなにぶわーって感じることってそうそうなかったんですよ。女子翼の時にはなんか感じるものがあったんです。ホントに。うわーって感じで鳥肌がぶわーって立って、「なにこのグループすごーい!」ってなったんです。それで「自分もこのグループとしてがんばっていこう」って決めることができたんですよね。本当になんか自分の直感が当たったのかなって今になって思います。
滑舌が悪いので“九州女子翼”ってグループ名さえ上手く言えないことがあるんですけど(笑)、あの時が“九州女子翼”を一番滑舌良く言えました!(実玖)
――で、実際にTIFに出場しました。いかがでしたか? みなさんそれぞれ印象に残ったステージとかありました?
実玖:これ「せーの」で言わない?せーの!
一同:SKY STAGE!
――やはり!
愛理:SKY STAGEって夢だったんです。SKY STAGEって女子翼が一番似合うと思うんですよ! リハーサルの時点で“映えて”ましたから(笑)。なので、ホントに私たちが立つためにあるステージだなと思いました。
――ですよね。SKY STAGEに立ったのは初めてだったんですよね?
愛理:初めてでした。
――I’S9の時にも立ってないですよね?
愛理:I’S9の時はガンダム前のステージに。
実玖:FESTIVAL STAGEでした。
――で、どうでした? SKY STAGEの景色は。言いたい方からどうぞ。
瑠菜:喋っていいですか? すごかったです! ステージって前向いてたらお客さんの顔が見えるじゃないですか。で、振り付けでバッと後ろを向く時があって、後ろを向いたらすごいんですよ、景色が。フジテレビのビルと海、港、一面に広がる空。「ああ、素晴らしい景色だなぁ」と思って、ものすごく感動したんです。それで、また前向いたら今度はお客さんの顔がバーって一面に見えて、赤いTシャツ着てくれたりとか、一緒に盛り上がってくれたりとか、「なんて幸せな光景なんだ!」と思いました。
――僕も観てましたけど、お客さんいっぱいいましたよね。他の方はいかがですか?
実玖:I’S9でTIFに出るって決まった時からSKY STAGEに立ちたいなと思ってたんですが、その時は先程言ったようにガンダム前のFESTIVAL STAGEで…。それで、I’S wingの時もTIFが決まったらSKY STAGEがいいなと思ってたんですけど、解散することになってしまい、結局出れなくて…。I’S9の時は1日しか出れなかったんですけど、今回女子翼になって2日間で4ステージも出させてもらって、まずはそれが信じられないぐらいうれしかったですし、SKY STAGEに出ることは3年越しの夢だったので、それが叶ってホントにうれしかったです。
――そこで“爪痕を残し”て、実玖さんはグランドフィナーレでも“爪痕を残し”ましたよね。あれだけたくさんの出演者がいる中でマイクが回ってきました!
実玖:あれは詩絵里ちゃんと2人で立たせてもらったんですけど、初めは後ろのほうで「ああ、映ってるかなぁ」って思ってたぐらいだったんですけど(笑)。一回はけて、もう一回出るタイミングの時に…
詩絵里:たまたま先頭のほうにいて…
実玖:最前の端に行くか真ん中の2列目に行くかで迷って、「真ん中に行こう!」って言って真ん中に行ったんです。
――“場所取り”があったわけですね。
実玖:それでそこから、「しゃべる方!」みたいになった時に、司会の方に目線で「私、喋ります!」って感じでアピールしたんです(笑)。
詩絵里:すごかったもん、その時!(笑)
実玖:そしたら、マイクを渡してくださって、でも、まさかホントに回ってくるとは思わなくて…。絶対来ないと思ってたのでびっくりして「はあー、どうしよう」と思って、そこから、とりあえず“九州女子翼”と“実玖”っていう名前だけは絶対言おうと思って、そこは滑舌をすごい意識しました。私、滑舌が悪いので“九州女子翼”ってグループ名さえ上手く言えないことがあるんですけど(笑)、あの時が“九州女子翼”を一番滑舌良く言えました!
――動画で見たんですけど、確かに興奮されている感じはありました(笑)。
香苗:あんなテンション高い実玖ちゃん久しぶりに見た。
――前回のインタビューで「自分の歌ってるとこ以外は死んでるって言われる」っておっしゃってましたもんね(笑)。他の方はいかがですか?
詩絵里:SKY STAGEはまさに女子翼にぴったりだなと思ったんですけど、特に楽曲があのステージに合うなと思いました。パフォーマンスしていて自分たちでもぴったりだなって。「TAKE WING」とか「fair wind」とか歌詞がぴったりすぎて、自分でパフォーマンスしながら「はー」って思って、それを自分たちだけじゃなくて観に来てくれた皆さんも言ってくれて…。それもうれしかったです。そして、最後に実玖ちゃんが言った一言で、すごい「うえーん」ってなりました。
――なんておっしゃったんでしたっけ?
詩絵里:「私たち九州女子翼はSKY STAGEから日本全国そして世界へ羽ばたきます!」みたいなことをビシッと言ってくれて。それでみなさん「ウォー!(拍手)」ってなって。それがすごく印象に残っています。
――世界へ、ね。
実玖:実玖、憶えてない…。
一同:えーっ!
実玖:緊張したらすぐ記憶飛んじゃうタイプなんですよ。だからSKY STAGEはホントに楽しんだんですけど、社長に「実玖ちゃん、最後締めてね」って言われた時に、ちゃんと喋れるかどうか、それだけが不安になっちゃって…。実玖、日本語あんまり得意じゃないので…。でも「最後ビシッと決まってた」って皆に言われたので、日本語喋れて良かったなって思いました(笑)。
――今後日本語しゃべる機会はますます多くなるかと思いますので、しっかり勉強していただいて(笑)。愛理さんはどうでしたか?
愛理:SKY STAGEってエレベーターで上がるんですよね。で、エレベーターのドアが開いた瞬間、視界が開けて、パーッて眩しかったんですけど、それがうれしかったですね。SKY STAGEに立てることってすごいことじゃないですか。デビューして1年も経ってないのに。なので、ほんとに感謝感謝で、周りの方にすごい支えられてきたんだなって実感しました。これはもう爪痕残すしかないと思って、バリバリのパフォーマンスを見せた記憶があります!(ドヤ顔)
一同:(笑)。
愛理:なんか「女子翼を観たい」って人がワッと来たんですよ。「女子翼のパフォーマンスすごいよ」みたいに期待して。どんどん集まってきて、しかも女子翼のTシャツを着てる人も多くて、「これは絶対に素晴らしいパフォーマンスを届けるしかない!」と思って、気合い入りました。ホント楽しかったぁ!
――でもホントに、もしかしたら初出場の中では一番注目されてたかもしれないですよね。「TIFで見つかる」ってよく言うじゃないですか。「見つかった」んじゃないですか?
愛理:ですよね!
詩絵里:「ですよね」って(笑)。
一同:(笑)
――香苗さんはいかがでしたか?
香苗:私的にもTIFっていったらSKY STAGEってイメージがあったのでホントにうれしくて。当日はステージも楽しかったですけど、終わった後に女子翼のファンの方々が声をかけてくださって。そこで「良かったよ」ってめっちゃ言ってくれて、それを聞いた時に涙が出そうになるぐらいうれしくて。
瑠菜:すごいうれしかった。
香苗:ずっと心に残ってますね。
――その時のパフォーマンスは、緊張もせず出し切ったって感じですか?
香苗:緊張はしました、やっぱり。
瑠菜:緊張しましたね。
詩絵里:「あぁ、きたよー」って感じでした。
――でもその緊張を乗り越えて力を出し切ることはできましたか?
瑠菜:記憶がないです。
――記憶がないって感じですか。
香苗:でも歌詞と風景とが合っていたので、歌いながら歌詞は自分に入ってくる感じがすごくしました。
――なるほど。女子翼の楽曲っていうものを、もしかしたらその時一番体感できたのかもしれないですね。
香苗:かもしれないですね。
――あの時僕も観てたんですけど、なんか急に風が吹いてきましたよね。
詩絵里:風吹いてました。めっちゃ憶えてます。
――ツイッターでも呟いたんですけど…。ものすごく暑かったじゃないですか。でも、みなさんがパフォーマンスをしている時、涼風がサーッと吹いてきて…。それは皆さんが巻き起こしたのか…
愛理:はい!
瑠菜:“fair wind”を!
――いや、ホントそんな感じがしました。で、他のステージも、全部ではなかったんですけど、観させていただきました。DREAM STAGEとフジサンのヨコを。なんかいつも以上に動いてましたよね。気合入ってましたよね?
瑠菜:それはもう! 正直このステージが終わったら倒れてもいいぐらいに毎回思ってました。
愛理:うん。そんな勢いでした。
瑠菜:ここで倒れても悔いはないみたいな。
――なんか本当にいつも以上……いや、いつもすごいんですけど、いつも以上に動いてる感じがして、フジサンのヨコのステージなんて「倒れちゃうんじゃないか」ってちょっと心配しながら観てました。
瑠菜:そうですか? でも元気でしたよ。
――元気でしたか。まあ、この炎天下で、特典会などもやっていて、でもステージはどれも気合入りまくりの全力投球で。体力的にもギリギリなのかなって…。でも、それは見せずにいつも以上に躍動感と熱量のあるパフォーマンスでした。
一同:おぉ!
私は女子翼をアイドルと思ってなくて、どちらかといえばアーティストと捉えてやっています(詩絵里)
――TIFと前後しますけど、TV番組『この指と~まれ』で指原莉乃さんに会ったじゃないですか。
一同:はい。
――どうでしたか? 指原さんに会ってみて。
瑠菜:顔ちっちゃい!
愛理:足細い!
香苗:無駄なお肉が全くないみたいな。ずっとテレビとかで観ていた方だったので、実際に会ってみて、なんだか夢のような…。あんまり会ったって感じがしなかったです。
愛理:オーラがすごい! だって私、指原さんの隣に座ったんですよ。そしたら、横からすごいオーラがきらきら光ってて、目を合わせられなかったですね。私、人と話す時は目を合わせるんですけど、なんか逸らしちゃって…。見れないんですよ、指原さん。光りすぎて。
――見てないんですか?
愛理:見ました(笑)。指原さんが前を見てる時にチラッと見ました(笑)。
一同:(爆笑)
――芸能人って感じでした?
愛理:芸能人! まあ、自分も芸能人ですけど(笑)。
一同:アハハハ(笑)
――自覚が出てきましたね。で、そこで実玖さんは“見つかった”じゃないですか。指原さんから「最近会ったアイドルの中で一番可愛い」という風に大絶賛されました!
実玖:あ、ありがとうございます。
――どうでした?
実玖:番組収録に行く前に社長から「実玖は喋るのがあんまり得意じゃないから、見た目を褒めてもらうのが今日の目標やけんね」って軽い感じで言われてたんですよ。
――社長から指令が出たんですね。
実玖:はい。それで、そうやって番組内で言っていただけて、終わった後に「目標達成できた!」と思って(笑)。まあでも、番組内だからそうやって「可愛い」って言ってくださったんかな、と思ってたんですけど、その後の雑誌とかの取材でも、何度も実玖の名前を出していただいたことがすごくうれしくて! 何より“実玖のことが指原さんの頭の中にある”ってことがすごくうれしいです!
――でもどうですか? “指原莉乃が推す美少女”という冠を背負って…
実玖:そんな風に言っていただいてから最初の1カ月半~2カ月ぐらいはすごいプレッシャーで…。それ以前から「実玖がしっかりしてないのにしっかりしなきゃ!」ってやってきて、さらにそういう風に褒めていただいたことによって、なおさら「やらなきゃ」とか「自分が!」みたいなのをすごく感じて、逆に苦しくなった時もありました。女子翼の名前が広まったきっかけの一つでもあるし、「実玖って子がいるらしいよ」ってことも広まったって実感があったぶん、「頑張らなきゃ」みたいなのを感じ過ぎて…。でも今は「胸を張ってそれが言えるような自分になろう」と思っています。いつ誰が見ても「指原さんが推すだけあるね」って言ってもらえるようになろうって、ポジティブに捉えて活動するようにしてます。
――でも、指原さんにそう言われて、まあ、指原さんが各所で言っていただいたからでもあると思うんですが、決して一過性の話題で終わることなく、そして言われた実玖さんだけでなく、九州女子翼というグループ自体がその“流れ”に乗ってぐんぐん大きくなっている感がありますよね。ちょうど僕が前回インタビューさせていただいた後ぐらいからですよ!(笑)って、まあ、それは関係ないですが、まあでも時期的にはあの頃からガーッと来た感じじゃないですか。で、某インタビューを拝見すると、前回取材させていただいた頃、2月末でしたが、けっこう苦しかったっておっしゃってたような…。
愛理:あ、それ、愛理かもしれない…。苦しかったかもしれないです。
――ですか。そんなふうに全然見えなかったんですが…。
愛理:本当ですか?
――めっちゃノリノリでインタビューしてましたよ。一番ノッてました!
愛理:そこはぐらついてたんでしょうね、キャラ的に。いろいろ迷うとこもあったんですよ。I’S wingから九州女子翼になって、全然違うじゃないですか、タイプが。私はまだ全然大人っぽくないですし…。ないんですよ…。
詩絵里:そんなことないよ!
愛理:ちょっともやもやする時期があったんですよ。でも、TIFの決勝が変えてくれたんじゃないかなって思ってますね。そこで切り替えようって思って、いろいろ頑張りました。
――外から見れば、去年の10月にデビューされ、半年もしないうちにTIF出場が決まって、そこから色々と話題になって、メディアに出る機会も増えて…。めちゃくちゃ順調に見えるんですけど、思い悩んでた時期もあったんですね。
詩絵里:私は逆に最近思い悩んでます。
瑠菜:私も最近です。
愛理:え~そうなの??
――え? それはどういったことでですか?
詩絵里:もっと歌を伸ばしたいなって…。そういう想いが今すごい強いです。
――そうですか。
詩絵里:瑠菜ちゃんが3月に入って、みなさんに「いいメンバーが入ったね」「女子翼がさらに良くなったね」って言われて、それはそれでうれしかったんですけど、逆に「ああ、どうしよう…。私、この中でさらに埋もれていってる」って思って、「じゃあ、私は歌で頑張るしかないな」って…。今は歌を頑張ろうって思ってます。メンバーそれぞれ、例えば実玖ちゃんは表現力がすごいとか、瑠菜ちゃんはもうとにかくうるさいとか(笑)
一同:(笑)。
詩絵里:ですけど明るいとか。それぞれの個性があるから、自分は歌を伸ばそうって思いました。
――なるほど。瑠菜さんはどんな悩みを?
瑠菜:無いように見えるじゃないですか。
――はい。無いように見えます(笑)。
瑠菜:見えるじゃないですか。いやまあ、無いように見えるじゃないですか。
香苗:何回言うのもう。無いやろ、本当は!(笑)
――(笑)
瑠菜:よく言われるんですよ、瑠菜ちゃんって悩みなさそうでいいねって。でも、悩みしかないんですよ。基本ポジティブだから…
――えーっと、どっちなんだろう…?
瑠菜:何かしてるんですよ私、常に動いてるので、何もしてない時にふと「自分って何もないな」と思って。
――あぁ。
瑠菜:まだ私何もないんですよ。だから、自分がもっと上を目指して輝いていくにはどうしたらいいんだろうって思っていて。「今自分は何を持ってるんだろう」と思うことが最近よくあって、女子翼に入ったばかりの時は、ただただ一所懸命で、とにかく頑張らないといけないとか、振り付けを間違えないとか、それだけで精一杯だったんですけど…。今日ちょうど女子翼に加入して半年なんですけど、半年経ってやっと「自分って何があるんだろう」と考えるようになって…。なんていうか…。なんて言うんでしょうね。世の中にはアイドルがたくさんいるじゃないですか。でも、その中で自分がどうやっていったらいいのか、っていうのがわかんなくて。みんな、みんなすごいんですよ。ホントに。本当にみんなすごいんですよ。
――こんなところでとどまってるグループじゃないんですもんね。
瑠菜:みんなすごいから、その中で「自分は絶対足引っ張ってるな」とか「正直自分がいないほうがパフォーマンスがまとまるんじゃないか」とか考えることが結構あって。
――今もそんな風に考えますか。
瑠菜:考えます考えます。
愛理:ネガティブに?
瑠菜:そうなんですよ、意外に。
詩絵里:そこでこそポジティブに!
瑠菜:4人の時の動画を見たら、「あれ? 今よりパフォーマンスまとまってない?」と思って、「自分って要らないんじゃないか」と思ったり、でもそのぶん意識して頑張ろうっていうのはあるんですけど、「でもどうしたらいいんだろう?」って思って、これから頑張って解決していきたいなと思っていて…。
――でもそれはレベルが上がったってことですよね。確かに入ったばかりの時って差があったとは思いますけど、今のパフォーマンスを見たらだんだん差がなくなってきたと思います。明らかに後から入った子だなって感じではないですよ。パフォーマンスも追いついてきて、「じゃあ、次は自分がどう貢献しよう」とか「どんな風に個性を出していこう」っていう“新しいステージ”に入ったんじゃないですかね。
瑠菜:そうですね。自分がワンランクステップアップしたからこその悩みかなと思って、そこはポジティブに捉えてます!
――早いですね、切り替えが(笑)。
一同:(笑)
瑠菜:落ち込んでネガティブになったあと急にポジティブになるんですよ。だから他人に悩み事なくていいねとか言われるんです(笑)。
――なんか、つかめたような、つかめないような。
瑠菜:悩みしかないのに、自分で蓋をして解決したように見せかけちゃうんですよ、私。そうなんですよ!
――なるほどね。今度個別にじっくりインタビューさせていただきたいですね。でも、最初の取材のイメージがあるので、こんなに喋る方だとは思いませんでした(笑)。
瑠菜:そうなんです、ずっと喋ってるんです!
――で、そういう意味では、前回インタビューした時から比べても、みなさんキャラをだんだん確立してきてるなっていう感があります。詩絵里さんは“お母さんキャラ”ですよね?
詩絵里:私、でも、いろいろ言われるんですよ。お母さんって言われたり、気持ち悪いって言われたり…
――気持ち悪い???
香苗:声が低いじゃないですか。その低い声でメンバーに「かわいい」って言うので(笑)。
詩絵里:ちょっと喋るのも遅いですし…。
――あぁ~。
香苗:そんなトーンで「好き」とか言われたら、なんかちょっと「おー、鳥肌」みたいな。まあ、そんな風に「キモい」って言えるぐらいの関係になったということです。
詩絵里:それはちょっと何気にうれしいです。
――でも、詩絵里さんは、最初にインタビューした時はまだ初めての芸能活動ってことで、経験値は他のメンバーと差があったと思うんですが、今やなにか“精神的な支柱”というか、お母さんのように見守ってる感はありますよ。
詩絵里:ホントですか。なんか自分ではあんまりわかんないんですよね。
――いると心強い感じがしますし。
一同:うんうん。
香苗:安心感。
――あります。
瑠菜:詩絵里ちゃんは、人の動きとかもよく見ていて、ついさっきやったリリイベの時にもまさに思ったんですけど、一回リハーサルして、その後にメンバー一人一人に「あそこはこうしよう」みたいなことを言ってたので、その時に「詩絵里ちゃんよう見とんやな」と思って。私、自分のことで精一杯で全然見れないんですよ。なので「詩絵里ちゃんはホントによく見とうなぁ」って感心しました。このグループ、リーダーっていうのがいないんですけど、まあ、実玖ちゃんがずっとリーダー的な存在であったんですけど、皆が皆いろいろ、リーダーが一人じゃないっていうか、全員がリーダー、全員が全員みたいな…
詩絵里:全員が全員???
瑠菜:違う違う(笑)。全員が全員
実玖:しっかりしてるってことね?
瑠菜:しっかりしてて…。まあ、私はあれなんですけど、私を除いて、皆が皆リーダーみたいな役だから、なんかすごいなと思います。自分も見習おうって思うんですけど、まだちょっとその段階まで行ってないのかなって思います。もうちょっと自分は周りを見たりとかしたいんですけど、それこそステージ中とか、まだ一生懸命なんですかね。皆が見えてるとこも自分だけ見えてなかったりするから、「もっと見ないとな、もっと見ないとな」と思えば思うほど頭がこんがらがって、結局だめだめになったりするんですけど、でももうちょっと冷静に周りが見れるようにならないといけないなと思います。
――いつもこんな感じですか?
実玖:はい(笑)。
愛理:同じことを何度も何度も繰り返すんです(笑)。
一同:(爆笑)
――(笑)。あと詩絵里さん、以前から音楽やりたいっていうふうにおっしゃってて、鍵盤を弾かれたりとかして、アーティスティックな部分を出されてた印象があります。もっとそこを伸ばしていくのもいいんじゃないかと思うんですが…。
詩絵里:はい。私は女子翼をアイドルと思ってなくて、どちらかといえばアーティストと捉えてやっています。メンバーそれぞれの捉え方があっていいと思うんですけど、アイドルって思ってる子もいれば、自分はアーティストって思ってるし、でもみんな「パフォーマンスが大事」っていうのは変わらないので。
――フィロソフィーのダンスさんが同じようなことをおっしゃっていましたよ。「アイドルっぽいメンバーもいて、アーティストっぽいメンバーもいて、アイドルもアーティストも関係なく応援されるグループ」みたいなことを。例えば、ご自身でなにか音楽の勉強されたり研究されたりとかしていますか?
詩絵里:いやぁ、あまり言ってないんですけど、密かに「曲を作れたらいいな」という夢は持っています。
女子翼の楽曲はどれも本当にいいので、シングルだと“入らない”曲が可哀想になっちゃいますから(香苗)
――いよいよアルバム『TAKE WING』がリリースされます。昨日インストアを観せていただいて、そこで「“アルバム”を出せることがうれしい」とおっしゃってた方がいたと思うんですけど、どうですか? アルバムでデビューするということは…。
詩絵里:最初のリリースがアルバムになるとは思ってなくて…。でも最初からアルバムっていうことが本当にうれしいです。個人的にアルバムが好きなんですよ。たとえば好きなグループさんがいたら、アルバムを買いますね。だからこそアルバムを届けたい、全部入ってるからそれを届けたい、っていう思いがすごく強いです。
――なるほど。でも、今やだんだんCDがなくなってきて、サブスクとかで聴かれる時代じゃないですか。もしかしたら次に出す時は、もうCDで出すことは主流じゃなくなってるかもしれないですよね。
詩絵里:そうですよね…。
――ある意味、ちょうど時代の過渡期の…結果的にはCD時代最後のリリースってことになるかもしれないですね。
愛理:平成最後とかですよね!
――そうかぁ、女子翼としては平成最後のリリースになるかもしれないですね。で、僕がアルバムを最初に聴かせていただいた時、6曲入りで僕の手元のカウンターでは計23分ぐらいだったんですけど、アルバムとしては短いといえば短いじゃないですか。
実玖:そうですね。アルバムを出すってなった時に「6曲ってアルバムって感じがあんまりしないかな」って思ってたんですよ。でも、先日アルバムのサンプルみたいなやつが事務所にあって、それを見たらすごくボリュームがあったんですよ! ジャケットも歌詞カードもすごく女子翼らしさがあったし、「これが女子翼だ」って感じの一枚で、女子翼を知らない方に手に取ってもらっても女子翼がわかる作品になっています。自信を持って10月2日に発売したいなと思います。
――6曲23分って、今流行りですよ。
実玖:え?そうなんですか?
――ヒップホップって聴いたりします?
一同:あんまり…。
――カニエ・ウェストって、全米ナンバーワンとかになるラッパー/プロデューサーなんですが、その人が今年、自分の作品や自分がプロデュースした他人の作品を次々と出してるんですけど、どれも7曲で、22~25分ぐらいなんですよ。
愛理:へぇ~。調べてみます。
――プッシャ・Tっていうラッパーの人がいるんですけど、その人の最新作もカニエ・ウェストがプロデュースしていて、7曲で24分ぐらいの収録時間なんです。で、彼は「7曲で仕留められなかったら音楽なんてやる意味がない」って言っていて…。
一同:えぇー!
――つまりは、昔のアルバムっていうと15曲とか20曲ぐらい入っているのもありましたが、今や7曲で聴かせなきゃいけない、と。で、皆さんは“6曲”で仕留めるわけですよ。
一同:おぉおお!
――6曲で仕留めてください!
一同:はい!
――で、アルバム。出来上がりを聴いて、ジャケットも見たわけですよね? いかがですか? 自分たちの“アルバム”ですよ!
実玖:女子翼として初リリースをアルバムで出させてもらうのはホントにありがたいなと思いますし、このアルバムをきっかけにして、女子翼の勢いをさらに加速させていきたいなと思っています。今回オリコンでデイリーチャートで1位を取りたいなと思っていて…。アルバム部門なんですけど、初リリースで1位を取ったらまた何かが変わるんじゃないかなと思っています。そして、私たちはそんな強い意志を持ってるよ、っていうことをたくさんの方に伝えて、1人でも多くの方にこのアルバムをお届けできたらなと思います。
――では、愛理さん。
愛理:私たちのアルバム、一曲一曲ホントにどれもいい曲なんですよ。わかりますか?
――わかりますよ! 知ってます。めっちゃ聴いてますよ!
愛理:あ、ありがとうござます! 登場曲のSEからすごいんですよ。そのSEから何度も聴いていただいて。一曲一曲聴いていただいたら女子翼にハマる。このアルバムを聴いたら絶対女子翼にハマるんですよ! しかも、アルバムには2タイプあるじゃないですか。Bタイプは6曲+DVDが付いてるんですけど、DVDにはミュージックビデオが2曲、そして「TAKE WING」のドラマバージョンも入ってるんです。さらに加えて、個人のイントロデューシングムービーがあるという、今の女子翼の全てが詰まったアルバムなんです。なので、ホントにこれは1位取るしかないなと思って。あとウィークリー15位以内を取ると決めたので…。これは実玖ちゃんもさっき言ってたとおり、「もっともっと加速していきたい」「女子翼の勢いはこのままじゃないんだよ」ってことをこのアルバムで証明できたらなと思います。
――ウィークリー15位ですね!では香苗さん。
香苗:女子翼の楽曲はどれも本当にいいので、シングルだと“入らない”曲が可哀想になっちゃうじゃないですか。でもアルバムだと、そういうのがなくて全部入ってるので、それが本当にうれしいですし、私自身としてもCDをリリースするのが初めてで、レコーディングとか制作に関わることも初めてでしたし、ソロパートを歌うとか…。以前のグループではソロパートもなかったので…。レコーディングの時からCDに自分の声が入ることがホントにうれしくて! だから、初めてのCDを一人でも多くの方に手に取っていただきたいですし、女子翼の楽曲を聴いて毎日頑張ろうって思ってもらいたいです。
――では、詩絵里さん。
詩絵里:私もCDリリースが初めてで…。小さいころから音楽が好きで、歌うことも大好きで、アルバムを出すことが夢だったので、とてもうれしいです。最初は父が音楽活動に対して結構反対してたんですよ。だから逆にこのアルバムで結果を出して、もっと応援してもらえたらいいなと思っていて。中学3年生の時にダンススクールに通う時もすごい説得して、それで渋々許してもらったっていう感じで、女子翼のオーディションに受かって活動するのも、学校も頑張りつつっていうのが条件なので…。今回アルバムをリリースして、それで結果を出したいなと。
――今もまだちょっと反対されてるんですか?
詩絵里:反対ではないです。勉強も頑張りなさい、女子翼も頑張りなさい、って感じです。
――それで結果を出して、やって良かったって思ってもらいたい、って感じですね。では、瑠菜さんに最後締めていただきましょう!
瑠菜:もともと女子翼の普通のファンだったんですが、その頃から「女子翼CDないんだ、欲しいな欲しいな」「出たら絶対買うのに」と思っていて、たぶんそれはファンの人も絶対同じことを思っているはずなんです。CDを発売できるということが決まった時、「あぁ、絶対皆喜ぶやろうな」と思ったんです。女子翼はなんといっても曲がすごいいいんですよ! ファンだった頃の私は、毎週毎週ライブに行けるほど時間もないし、高校生だったので金銭的にもそんなに余裕があるわけじゃないですし…。でも、女子翼に会ってなくてもCD聴いたら女子翼の音楽がいつでもそばにある、いつでも女子翼を近くに感じられるっていう…。そんな風に私自身ずっとCDが欲しかったので、それを皆さんに届けられるのがホントにうれしいですね。CDを発売することで女子翼を近くに感じて欲しいし、ライブがない時もいつでも女子翼の音楽を聴いて欲しいと思っています。
(取材・文:石川真男)
九州女子翼 商品情報
九州女子翼/TAKE WING
2018年10月2日発売
タイプA(CD Only)
¥2,000(税込)
タイプB(CD+DVD)
¥3,000(税込)
<CD収録曲>
1. fly high!
2. TAKE WING
3. 私だけのArmor
4. Maybe Darling
5. 絶対零度
6. fair wind
<DVD収録内容>
1、TAKE WING Music Video
2、絶対零度 Music Video
3、実玖Introduction Movie「セッカチ」
4、新谷香苗Introduction Movie「オレンジ」
5、山本愛理Introduction Movie「ポジティブシンキング」
6、詩絵里Introduction Movie「エビ」
7、鈴川瑠菜Introduction Movie「欲張り」
8、九州女子翼Introduction Movie「ロボドル」
九州女子翼 プロフィール
九州の女性で描く「カッコよさ」「綺麗」「おしゃれ」「志の強さ」を音楽で表現するガールズグループ。
攻撃的なダンスにエモーショナルで洗練されたサウンドで魅せるステージングを展開する。
映像展開・劇場定期公演を主軸に九州を全国へ、世界へアピールする。
2017年10月9日福岡・久留米シティプラザ六角堂広場にてお披露目。10月27日福岡・スカラエスパシオにてプレデビュー。
2017年10月28日長崎・稲佐山公園野外ステージにてデビュー。
総合プロデューサーをITR entertainmentの代表でアーティスト・アイドル・劇団などを手掛ける吉田格が担当し、音楽プロデューサーには現在人気の作家筑田浩志を起用。
メンバー プロフィール
実玖(MIKU)
1998/10/1
O型
山口県下関市出身。
16歳から芸能活動を始め、これまでに10社近くのCMのイメージキャラクターとして起用されローカルメディアのこの世代においてはトップ 出演率を誇っている。山口が生んだ天使と呼称される程の美少女。2017年5月に解散した正統派アイドルグループI’S wing(改名前:I’S9)で活動。その後ソロ活動も経験し現在のグループ活動に至る。
Twitter:@itr_miku
新谷香苗(SHINGAI KANAE)
1999/10/15
B型
福岡県出身。
2014年までダンス&ボーカルグループ「Rev.from DVL」にて活動。
タップダンス、ピアノ等のスキルも持ち合わせ幅広い表現を得意とする。
メンバー選考のLive.me 審査では唯一のスカウト枠にて通過するなど個性あふれる魅力を持っている。
Twitter:@itr_kanae
山本愛理(YAMAMOTO AIRI)
2001/8/1
B型
山口下関市出身。
小学生時代から芸能活動を子役として開始。
天真爛漫な性格で演技・歌・ダンスとマルチな才能の持ち主。
グループ活動以外でもさまざまな舞台活動を行う。
2017年5月に解散した正統派アイドルグループI’S wing(旧:I’S9)で活動。その後現在のグループ活動に至る。
Twitter:@itr_airi
詩絵里(SHIERI)
1998/10/5
A型
長崎県川棚町出身。
これまでダンススタジオでダンスを学び、また高校ではコーラス部に在籍。
歌って、踊ることを兼ねてから願い今回のグループ結成オーディションに参加。
芸能活動の経験がなく合格した唯一のメンバーとなる。
Twitter:@itr_shieri
鈴川瑠菜(SUZUKAWA LUNA)
2000/12/19
A型
福岡県在住。
福岡県在住17歳の鈴川瑠菜。
特技アクセサリー作り。
九州女子翼のファンでもあり、見る側から立つ側の立場に覚悟を決めて加入。
凛とした佇まいと、芯ある人間性で九州女子翼の新しい羽となる。
Twitter:@itr_luna
公式サイト
http://itr-kgw.com/
公式ツイッター
https://twitter.com/ITR_KGW
[su_youtube url=”https://www.youtube.com/watch?v=8-4_V3D_PEw”]
【前回インタビュー記事】アイドル新戦国時代”の新たな勢力図を描くべく、南西の地より全国へ世界へと大きく羽ばたく“九州女子翼”。