callme|(大きく手を広げて)今ではもうここからここまでぐらいに大きく広がったのがこの3年間の成長だな、と

callme|(大きく手を広げて)今ではもうここからここまでぐらいに大きく広がったのがこの3年間の成長だな、と

この精巧かつスタイリッシュなサウンドを奏でる表現者たちを形容するに相応しい言葉ではないかもしれないが、callmeは“スルメ”アーティストである。その多彩な楽曲には様々な工夫が凝らされており、そこには、一撃で聴く者の心を射抜くものもあれば、耳馴染むまでに少々時間を要するものもあるが(筆者の印象としては、後者の方が多いように感じる)、いずれにせよ彼女たちの作品は、繰り返しの鑑賞に堪えうる、いや、聴けば聴くほどさらに味わい深くなるものであることは間違いない。すなわち、噛めば噛むほど味が出る楽曲を自ら作り、それらを歌い踊って表現する“スルメ”アーティストなのだ。

以前に取材をさせていただいた際、彼女たちの中には「ポップの軸」とでも称すべき“基準”があり、「キャッチー」と「コア」の間でその軸をしなやかに動かしながら「どこに合わせるか」によって様々な表現を試みている、といった趣旨のことを述べていた。そして、「この一線を越えてポップになりすぎるとcallmeらしくない」あるいは「これ以上踏み込みすぎてコアになってはいけない」といった“バランス調整”も行なっており、こだわり抜いた上で“callmeのポップ”を構築しているようなのだ。ともかくも、大衆の耳目を奪うためだけの奇を衒った表現がすぐに飽きられることを知っており、その一方で、聴き手を置いてきぼりにする自己満足のための表現に意味がないことも認識しているのは確かだ。裏を返せば、大衆に寄り添おうが、自己の表現をとことん追求しようが、そこにブレない軸があれば、聴き手の心を長く深く揺さぶり続けることが可能であることも…。

“しなやかに動き”ながらも“ブレない“軸。この矛盾こそ、callmeサウンドの“スルメ要素”なのではないだろうか。それはあたかも、揺れに合わせて柔らかにしなりながら震動を吸収する、耐震性に優れた高層ビルのようだ。「ポップ」から「マニアック」までその“軸”を微細に動かすからこそ、“ブレない”callmeサウンドが確立されるのだ。

そして、「callmeサウンドが確立された」2ndアルバム『This is callme』後にリリースされたEP群では、その“振り幅”がさらに広がっている印象だ。「ポップの軸」がさらに多彩な位置に設定されているのだ。だが、その軸はあくまでブレていないがゆえに、いずれのサウンドにおいても「callmeらしさ」は失われていない。

KOUMI、RUUNA、MIMORIから成るセルフプロデュース型ユニット。それぞれの得意分野でその手腕を発揮しながら、自ら楽曲を制作し、それらを歌とダンスで表現してきた。ダンスと英語が得意なKOUMIは、振り付けを担当し、しばしばその流暢な英語でラップも披露する。リーダーのRUUNAはヴォーカルの要となり、同時にマーケターとしてトレンドを意識しながらcallmeサウンドにバランスをもたらす。そして、MIMORIはこれまで全楽曲を作曲し、多くの曲で作詞も担当する。2014年12月30日結成。翌2015年3月に「To shine」でシングルデビュー。同年3人の高校卒業を期に仙台より上京し、活動を本格化。現在に至る。

これまでリリースされた2枚のアルバム『Who is callme?』『This is callme』、そしてその後にリリースされたEP『Bring you happiness』『One time』、そして最新EP『Hello No Buddy』について伺いながら、これまでcallmeが歩んできた道のりを辿り、そのサウンドの“噛みごたえ”の秘密を探った。

今まではあんまり“気持ちを新たにする”感覚はなかったんですけど、今回はやっと少し立ち止まって振り返ることができたんですよね(RUUNA)

――先日(4月22日)のヤマハ銀座スタジオでのライブの際にMCで、ライヴのリハを行なった2週間で、これまでのことを色々と振り返られた、といったことをおっしゃっていました。どんなことを振り返られたんですか?

RUUNA:そうですね。いつもは結構ギリギリのスケジュールの中でやってるんですけど、久しぶりにライブまでの時間が多めに取れたんですよ。振り付けもライブの3日前とかから始めて、みたいなことが多かったんですが、今回は『Hello No Buddy』をリリースして、ひと段落した状態で単独ライブに臨めたので、毎日入念にリハをやって、(3人で暮らしている)家でもリビングで集まってライブの打ち合わせとかも結構念入りにやったりして。そうしているうちに、なんか新しい気持ちになったというか…。4月って新しく始まる新年度のイメージがあるじゃないですか。でも、私たちは学校とかに行っているわけでもなく、皆これ一本でやってきているので、今まではあんまり“気持ちを新たにする”感覚はなかったんですけど、今回はやっと少し立ち止まって振り返ることができたんですよね。それで「ああ、こういうのあったよね」って感じで…。

KOUMI:スタジオ以外でもお家に帰って、リハ動画を見て「ここもうちょっと詰めた方がいいね」とか「直した方がいいね」とか。そういうことは今まではスタジオでしかやってこなかったんですけど、ちゃんとお家帰っても皆忘れないようにして、より精度を上げられたんじゃないかな、って。今回のライブは、特に何かの節目とかではなかったんですけど、今までとは違った新しい気持ちでできたかなと思いました。

――先程もおっしゃいましたけど、お家でそういう“残業”をすることはあまりなかったんですか?

RUUNA:そうですね。3人とも割と仕事とプライベートとは分けるタイプで、お家に帰るとそれぞれの部屋で自分の時間を過ごすんですよ。なので、これまではできるかぎり仕事は家には持ち込みたくないって思っていました。でも、3周年を迎えて、自分たちの中ではやっと土台ができたと思っていて。なので、今年は外に飛び出す1年にしたいな、思ってるんです。3年間頑張ってきたんですけど、これまでチャンスが来なかったのはきっと「自分たちにまだ何かが足りないからだ」って思っていて…。そういったことを今回色々と話して「いろんなことをやってみよう」という結論に至ったんです。今まではやっぱり「それはcallmeらしくない」とか、自分たちの中でも選んでいた部分があったんですけど、もう今年は提案や意見を聞いたら「とりあえず全部やってみて、それで吸収していこう」って。3人はもう10年ぐらい一緒にいるので、関係性が変わらないことはすごく居心地がいいんですけど、それがマイナスポイントでもあるのかなって…。なので、今年は全部変える気持ちで何かやろうと思っていて、自分たちの中でも意識が変わったというか。関係性は変わらないんですけど、そういうまた違った気持ちになったんですよね。

――その気持ちになったのが2週間のリハの時ですか?それとも今年になってから?

RUUNA:そうですね。今年入ってから「そういうタイミングではあるよね」って思ってたんですけど、実際にそれをしっかりと実践できたのがその2週間だったかなって。皆で同じ気持ちになって、皆で一緒にご飯を食べて、そのご飯を食べている時もずっと仕事の話をして。「なんかこういうのがちょっと足りないよね」とか意見交換をして…。例えば、ちょっと逃げちゃう場面っていうのもあるじゃないですか。あまりSNSが得意じゃないメンバーがいれば、「じゃあ、いいよ」って他のメンバーが更新したり…。でも、これからはちゃんとやろう、と。まあMIMORIさんのことなんですけど。

KOUMI:なので、今年からは決まったんですよ。

RUUNA:言ったんです。「もうそういう甘えは聞かない」って。

――おぉ。

MIMORI:だから「1日2回はツイートしよう」ってことで、今日も朝入れてきました(笑)。

RUUNA:そうやってくれてすごく嬉しくて(笑)。まあ、本当に些細なことなんですけど。

――なるほど(笑)。そうやって振り返られたとのことなので、ではここで、これまでの軌跡を作品ごとに簡単に辿ってみたいのですが…。それぞれの作品が皆さんの中でどういう位置付けなのか、どういう意味を持つのか、といったことを皆さんの口からお聞きしたいんですが、まずは1stアルバム『Who is callme?』。これは皆さんにとってどういう作品でしょうか。

RUUNA:もう無我夢中で作った作品ですね。“セルフプロデュース”っていうものがまだ何もわかってない状態でやっていたので、アルバムのバランスとかもそんなに考えず、沢山作って良かったものを選ぼう、ぐらいな気持ちで曲を作っていた印象です。でも今聴くと「それも良かったな」って思うんですよね。私もずっと作詞をやってきてある程度書き方とか分かってきましたし、各メンバーも自分のやりやすいものを見つけて結構書けるようになってきています。でも、この頃の無我夢中で絞り出していた作品もいいなって。今ではもうできなくなってしまった感覚ですよね。そういう意味では、最近callmeのことを好きになってくれた方も、『Who is callme?』を聴いていただければ、私たちがどんな歩みをしてきたのかが分かっていただけると思います。

――自分たちで音楽を作るっていう“初期衝動”みたいなものが溢れてるんでしょうね。

KOUMI:やっぱり1stアルバムなので、本当にやりたいことだけを詰め込んで、歌詞も本当に初々しい私たちの一面がそのまま出ているかなって思っているので、そんな1stと今の作品を聴き比べてみてると面白いんじゃないかなって思います。

――ある意味、今じゃ書けないような詞ですか???

KOUMI:そうですね、はい(笑)。

MIMORI:恋愛の歌詞とかは結構ベッタベタだと思います。高校生の妄想って感じです。

RUUNA:もう本当に“ザ・少女漫画”。自分たちの空想の中でこういうのに憧れていたみたいな、学生のときに憧れていたみたいなものが詰まっているので、全然共感できないような歌詞だったと思うんですよね。だけどあの時の自分たちにとってはそれが“恋愛曲”だったんですよね。最近の作品は等身大というか、自分たちのリアルを描くようにしているんですけど、なんかあの時は“夢がいっぱい詰まっている”じゃないですけど…。

KOUMI:キラキラしてる。

RUUNA:いっぱい詰め込まれている感じですよ。

MIMORI:未知の世界への輝きが詰まってますね。自分たちもまだよく分からないけど、とりあえず自分たちのやりたいことをやり始めて、「こういうのやってみました。皆さん、どうぞよろしくお願いします」っていう挨拶代りの1枚だと思います。

――まさに名刺代わりの1枚。「callmeと申します」という感じですよね。では、続いて『This is callme』。

RUUNA:『This is callme』は「これがcallmeです」っていうのが明確に出たアルバムだと思っています。1枚目の『Who is callme?』が「callmeを知ってもらおう」っていうものですが、そこから活動してきて、ちょっと見つけた「自分たちらしさ」みたいなものが詰まっている作品じゃないかと。結構そこが基盤になって、そこから今も広がってるんじゃないかと思います。ダンスが踊れるリズムで曲を作るんですけど、歌とダンスの基準がここで定まったように思います。それまでは結構模索していたんですが、こういう方向性でやっていこうっていうのが自分たちの中でピシッとハマった1枚ですね。

MIMORI:1枚目で模索して、で、発売して、何曲か「こういうのが自分たちの得意ラインだね」っていうのを見つけたので、得意ラインの方をメインに据えて作ったのが2枚目だと思います。自分たちの好きなものを沢山作って、その中に「callmeらしさ」っていうものを見つけて、その中から「callmeらしいPOP感」を見つけました。

――そういう意味ではcallmeサウンドを確立したと言ってもいいでしょうか?

RUUNA:そうですね。それが『This is callme』ですかね。

――でも、それをリリースした直後ぐらいにインタビューをさせていただきましたが、その時って例えば『Sing along』とか「Cosmic walk」とかって、新機軸というか、それまでにはなかった“新しい試み”みたいな感じだったじゃないですか。

RUUNA:はい。

――でも、今やそれらもcallmeサウンドとなりましたよね。それも含めた“callmeサウンド”って感じです。

RUUNA:そうですね。本当に。MIMORIはポップなメロディを作るのがあまり得意じゃないんですが、自分たちの中でのポップを追求したのが『This is callme』ですね。毎回アルバムを出すたびに反省点はたくさんあるんですけど、でも、ちょっと一歩踏み出せたアルバムかもしれないですね。「Sing along」 とかも、今聞くと「すごいPOP」ってわけではないんですけど、でもあの当時の自分たちからしたら「すごくPOPなのができた」って思っていたんですよ。なので、「挑戦する」っていうことの大切さを感じた1枚でもありますね。それ以来「ずっと挑戦していくこと」がテーマになりました。

――当時聞いた時にすごい思ったんですけど、それまでは緻密に作り上げたカッコいいサウンドで、ある意味“隙がない”印象だったんですが、『This is callme』では、とりわけ「Sing along」なんて、何というか、歌い掛ける、問い掛ける、みたいな部分が出ているように感じました。

KOUMI:ポップな曲でも皆が言うようなポップじゃなくて、ちゃんとcallmeエッセンスも入れたいなと思ったので…。前作では「step by step」がポップソングだったんですけど、『This is callme』では、私たちの色を入れてさらに進化したポップソングが出来たんじゃないかなと思っています。

――そうした「“ポップの軸”をどこに置くか」といったお話を以前のインタヴューでされていたと思うんですけが、やはりそれもその時々で変わってくるんでしょうか?

RUUNA:そうですね。

MIMORI:最近はその振り幅が大きくなりました。振り切りたいものは思い切り振り切るし、逆に本当に追求したいものはとことん追求する、っていう感じです。今までここからここまでだったのが、(大きく手を広げて)今ではもうここからここまでぐらいに大きく広がったのがこの3年間の成長だな、と感じています。

「やっぱりやりたいものをやりたいよね」ってみたいな感じになって「It’s own way」ができました(笑)(RUUNA)

――まさにそれは、その後にリリースしたEP『Bring you happiness』『One time』『Hello No Buddy』で感じたところで…。特に『Bring you happiness』なんて「It’s own way」があって、あれはかなり大胆な試みだったと思うんですが、あの曲はどういうところから出てきたんですか?

RUUNA:表題曲の「Bring you happiness」ではパレットのタイアップをやらせていただいたんですが(編注:日本パレット協会公認「物流応援!パレットPRソング」)、ちょっと苦戦したんですよ。以前も「Can not change nothing」でドラマのタイアップをやらせていただいたんですけど、それもちょっと難しかったというか…。それまでの曲作りは自分たちでテーマを決めてやってきたので、外部からテーマをいただいて自分たちでどう消化して作品に出すか、っていうのがすごく難しいなって改めて感じたのが「Bring you happiness」だったんです。アルバム『This is callme 』をリリースして、中途半端じゃなくて振り切った方がいいなと感じたので、「Bring you happiness」はかなりポップな方寄せて、メロディも最初のデモから少しポップにに変えたりしたんです。

MIMORI:その時から共作してくださるDaichiさんっていう方が加わって、新しい”ポップエッセンス”になってくださったんですよ。Daichiさんと色々やり取りしながら、また新たなポップができたんです。

RUUNA:なので、その反動で「It’s own way」ができちゃったんです(笑)。

MIMORI:今度は”こっち”に振り切ってバランスを取るっていう(笑)。

RUUNA:「やっぱりやりたいものをやりたいよね」ってみたいな感じになって「It’s own way」ができました(笑)。

――これは僕の想像なんですけど、あの曲って、色んな曲のモチーフがどんどん出てきて、それを「全部繋げちゃおうか」みたいな感じでできたのかなと思ったんですが、実際はどうなんですか?

RUUNA:あの曲は……今までは歌詞に自分たちのことをあまり書いてこなかったんですね。やっぱり妄想とか、自分の中の世界観を言葉にすることが多かったんですが、初めて自分たちのありのままのリアルな気持ちを書いたのが「It’s own way」で…。歌詞も自分たちのことをこれだけ深いところまで書いたのは初めてでした。

MIMORI:で、自分たちが上京してから2年間のことを歌詞にしてるんですが、まさに山あり谷ありだったので、それに沿ってメロディも作ったんですよ。あの曲とこの曲を合わせたとかではなくて、自分たちのストーリーに合わせて…。上がる部分があったり、ちょっと落ちる部分があったり、っていうのが自然とできていったというか…。曲の断片を集めたわけではなかったですね。

――なるほど。次々とリズムが変わっていくじゃないですか。別曲のように感じられる部分もあると思うんですが、つまりは「次はこうきて、次はこういく」みたいな感じで一つ一つ作っていったという感じなんですか?

MIMORI:そうですね。やっぱり最初は3人とも同じ気持ちなんですよ。上京してもワクワク!っていう感じだったんで、ワクワク感やドキドキ感を入れたんですけど、でも自分たちで見直してみると「なんか拙いよね」って。「これじゃあ、ちよっと悔しい」ってなって…。そこで「もうガラッと変えよう」となって、一気にリズムも変えたんです。リズムを変えた方が詞もさらに引き立つと思ったので、どんどん…。4つパートがあるんですけど、全部リズムが違うので。最初と最後はほぼ一緒なんですけど…。最初で描いた「頑張ろう」っていう気持ちが最後に倍になっているんですが、リズムにも自分たちの心境の変化や気持ちの勢いが表れています。

――ある種ミュージカルのような“ストーリー”が描かれてるんですね。

KOUMI:そうですね。3人なんですけど、1人の人生のドキュメンタリーを1つの曲にしたみたいな。

――そんな風にいわば“callme史”をそこで振り返ることは、この時期に必要だったということですか?

RUUNA:そうですね。去年3月のリリースなんですが、年明けの1月に制作していて「新しい年はどうしよう?」って自分たちの中で考えていたんですが、「上京してからの2年間を1曲にまとめよう」って話になって。デビュー曲からずっと一緒に作ってきたアレンジャーのRumbさんも「やっぱり今はこの流れだね」っていうのを感じていて…。2年間で「この時気持ちが落ちてたよね」とか「この時はちょっと希望が見えてたよね」っていうのを、言葉に出さないんですけど、皆が同じように思っていて、この1曲が打ち合わせをするわけでもなく出来上がったんですよね。それはもう本当にデビューの時から同じチームでやらせてもらっている幸せだな、と。

――なるほど。では、「何か変わったことをやってやろう」「新機軸を見せよう」というより、自然に出てきた感じなんですね。

RUUNA:そうですね。出てましたね、はい。

――それを初披露した時ってお客さんの反応はどうでした?

RUUNA:いやぁ、もう、私たちがすごい緊張してたんですよ。「10分あるしな~」と思いましたし、振り付けもいつもの倍なので、作るのにも時間が掛かりましたし…。

――ダンスも結構激しいですよね。

RUUNA:そうなんですよ。振り付けも、デビュー時からずっと一緒にやらさせてもらっているブラスタ(編注:Team Black Starz)さんも、皆さんその曲の意味をそれぞれに捉えていて、皆で「いいものにしよう」っていう気持ちが集まってあの曲になったんですよね。そういう意味でも、お客さんに「しっかりと受け取ってもらいたいな」って心から強く思った曲で、自分たちにとっても大切ですし、callmeを好きな皆さんにもこの曲を大切にして欲しいなって…。なので、披露した時、後半の盛り上がるところでも、声を出して盛り上がるっていうわけではなくて、気持ちが盛り上がってるのを同じ空間でお客さんと共有できたのが、すごくうれしかったです。

――では、続いてEP『One time』ですが…。

RUUNA:表題曲の「One time」は初めての自信作になったと思います!

MIMORI:今までのいいところを全部まとめたのが「One time」かなって思っています。callmeとしてのバランスが一番取れた楽曲だと今でも思っていますね。

――確かに「One time」には色んな要素が入っていますよね。リズムも多彩ですが、それをちゃんと5分にまとめているっていうか…。ある意味その「It’s own way」を5分でやったみたいな印象があります。

MIMORI:「It’s own way」の第1セクション・第4セクションのようなサウンドを音をさらに成長したcallmeで再現しようとしたのが「One time」です。テーマは全然違うんですけど、あの雰囲気をもっとブラッシュアップしようと思って作りました。でも、なかなか完成しなくて、あれは一番最後にできたんですよ。先にカップリングが次々とできていって、発売ギリギリになって「これじゃ、もう締め切りが危ないかも」ってなったところで、もう1曲だけ頑張って作ってみようって振り切って作ったのが「One time」でした。最後の最後で一番バランスがいいのができました。

――意外と追い詰められて作ったものが良かったりするんですよね(笑)。

MIMORI:アレンジャーのRumbさんもすごい悩んでくださって…。皆でご飯を食べながら話した時に、Rumbさんから「どうしたらいんだろうね、次は…」みたいな感じで初めてちょっとマイナスな言葉を聞いたんですよ。「次、本当にどうしたらいいんだろう?」って、自分たちに問い掛けられたのが初めてだったんですよ。今までは「どうしたい?」って感じで引き出してくれていたんですが、この時は少しRumbさんの本音も聞けて、私たちも「こういうふうにしていきたいです」って感じで想いをぶつけて、試行錯誤してやっと出来上がったのが「One time」です。

――Rumbさんの葛藤も見えたわけなんですね。

MIMORI:そう。Rumbさんも悩んでいましたね。

――なるほどね。で、2曲目の「Way I am」なんて、「新たなアンセムを作ろう」といった気概を感じたんですが…。

RUUNA:いやぁ、もう「Way I am」ができた時は「バンザーイ」っていう感じでした(笑)。「これが表題でも良かったな」っていう気持ちもあったんですけど、でも最後に「One time」ができて、「いや、こっちだ」ってなって。「Real love」とか「Confession」といった“クール系”が自分たちの得意ラインだというのは分かったんですが、でも「もう少し皆と盛り上がることができる曲があるといいな」と思っていたので、「Way I am」ができて、披露してすぐに盛り上がる曲になって、「step by step」とはまた違った“アゲ曲”になって嬉しいですね。

今まで恋愛曲は“妄想”だったんですけど、初めて自分のリアルな恋愛観を綴った曲かなと思っています(MIMORI)

――では、最新EPの『Hello No Buddy』です。

KOUMI:これは最初バレンタインに配信でリリースする予定だったんですよ。

――ですよね。

KOUMI:で、歌詞のテーマも恋愛系がいいんじゃないかなって思っていて、MIMORIが書いていたんですけど、なかなか上手くいかなくて。

MIMORI:全然書けなかったんです。恋愛が。最初違う配信曲を書いていて、それがちょっとアゲアゲな感じで、もっと甘々な明るい恋愛曲を書いていたんですよ。バレンタインデーなので。でも全然書けなくてすごい悩んでどうしようってなった時に、「もう、いっそこの曲をやめて、もう1曲作ってみよう」ってことになって、「Hello No Buddy」ができたんです。で、結局書けなかった“恋愛”について、自分の本音を綴ったのが「Hello No Buddy」です。今まで恋愛曲は“妄想”だったんですけど、初めて自分のリアルな恋愛観を綴った曲かなと思っています。ちょっと恥ずかしいですけど…。

RUUNA:そういう意味でも、callmeの中では一番リアルな作品になったかなって思います。ずっと「共感してもらえる歌詞を書きたい」っていうのがあって、やはり「同世代の人にも聴いてもらいたい」っていう気持ちがあったので、自分たちをさらけ出した方が皆さんにも自分たちのことをもっと知ってもらえるし、興味を持ってもらえるのかなって。でも、なかなかリアルに書くっていうのがまた難しくて…。で、本当にありのままの自分たちをさらけ出したのが「Hello No Buddy」だと思いますね。このEPは、全て「愛」をテーマに歌詞をそれぞれが書いていて、それは“恋愛”だったり、“家族への愛”だったり…。そういうのが滲み出ている作品ですので、今まで以上に歌詞に注目してもらいたいですね。

――なるほど。表題曲を「Hello No Buddy」にしたっていう意味でも、このEPはある意味“洋楽的な部分”に寄っている印象なんですよ。なので、先ほど言った“ポップの軸”というか、そういうものをその時々で動かす中で、今回はより本格的なもの、よりスタイリッシュなものに“軸”を合わせているように思ったんですよね。でも詞は逆に素が出ているって感じなんですね。

RUUNA:そうですね。今回は「あんまり格好つけよう」とは思わずに作ったんですけど、ちょうど冬に配信するっていうのがあったので「ちょっと切ない曲が欲しいね」ってことで作りました。

MIMORI:表題曲として作ったわけではなくて、「こういう曲が配信曲としてあったらいいね」と思いながら自由に作ったんですよ。「これが最新のcallmeだよ」って感じで。それが配信されて、ライブでも先駆けて歌っていたので、皆さんからもいろいろ感想をいただいたんですよね。それで、今までよりもたくさんの方に聴いていただいているなっていう実感も少しあって、最終的に全曲揃った時にバランスを考えて「Hello No Buddy」に決まったんです。今回は表題曲を最後に選びましたね。

――感想ってどんなものがありました?

RUUNA:思ったよりも手応えがあったというか…。自分たちの中では「キャッチーだ」っていうメンバーもいれば「え、キャッチーなのかな?」みたいな意見もちょっとあったんですよ。でも、スタッフさんも含めて皆で話した時に、「『Hello No Buddy』の頭のメロディって、ちょっとなんか歌いたくなるよね」っていうのを聞いて…。そしたら、お客さんも皆歌ってくれていたりとかして…。聴きながら歩いてくれたりとか、皆さんの日常の中に「Hello No Buddy」が存在しているというか…。ライブの時に泣いている方とかも結構いて。自分たちも驚きました。「な、泣いている!」みたいな(笑)。

MIMORI:まさか共感してもらえると思わなかったんですよね。「恋愛が分からない」っていうテーマで書いたんですけど、いろんな捉え方をしてもらえて…。自分の恋愛観にも重ねてもらえて、涙流してくださっている方もいて、自分的には驚きの1曲でした。

KOUMI:今までは、恋愛曲は、妄想で書いたり、何かの作品を題材に書いたりしてたんですけど、「Hello No Buddy」はもう本当にミモちゃんが等身大で歌詞を書いたので、そういう面では伝わりやすかったのかなって思いました。

――で、すごいしっとりとした大人っぽい曲で、KOUMIさんの英語が映えるじゃないですか。にも拘わらず、詞が等身大といいますか、なんかもう神々しいぐらいに純朴ですよね。

MIMORI:「恋愛ってどういうものだろう」って疑問しかなかったので、「好き」っていう気持ちも全然わかんなかったんですよ。憧れとかは分かりますし、家族や友達への「好き」っていうのはあるんですけど…。なんかよく「恋愛すると周りが見えなくなる」って言うじゃないですか。自分が変わっちゃうみたいな。そういう“変わる感覚”とかが全然分からなかったので、「誰かそれを一度でいいから教えてもらいたい」っていう自分の切実な願いです(笑)。

――でもなんか、敢えてこのサウンドにこういう詞を乗せるギャップと言いますか、ある意味のミスマッチみたいなところがcallmeらしいなっていう感じがします。だってあの曲調だと、ベタベタなもう臭い台詞の恋愛の曲になりがちじゃないですか。

KOUMI:そうですね。そうなりがちで。でもcallmeはそんなのできないですよね。逆に(笑)。

――なるほどね。またこれ歌詞の英語の部分はKOUMIさんが書かれているんですよね?

KOUMI:はい。基本は、歌詞を書いている人から日本語で渡され「こういう英語にしたい」って言われて、それをもとに訳して歌にはめていくっていう感じです。

――なるほど。KOUMIさんの書く英語は本格的ですね。

KOUMI:あ、本当ですか?フフフ。

――例えば「It won’t be that easy」のthatとか、英語っぽいですよ。「This love is not for you」とか。え~っと、あと「All I need」の「That will get you nowhere」とか。他にもいっぱいあります。

KOUMI:本当ですか。良かったです。でも、私はネイティブではないので、その辺のニュアンスってまだ分からなくて。なので、今はまだネイティブの方に教えてもらいながらっていう形でやっているんですけど。

――英語のフレーズとか勉強したい方はcallmeの曲を、歌詞を研究をするといいと思います!

KOUMI:なりますかね(笑)。

――いいと思います。例えば次の『You don’t know me』の中の一節「Who do you think you are ?」とか、これなんかも覚えるべき表現ですよ!「何様だ!」みたいなニュアンスですよね。

KOUMI:そうです。ちょっとキツい言い方ですよね(笑)。

――では、その流れで次の曲に参ります。『You don’t know me』。これがまた一転して、“疾走感のあるアーバンファンク”といった感じです。僕の大好きな「Real love」系の(笑)。

RUUNA:おぉ、ありがとうございます!

――歌詞も、強気なというか、ちょっと小悪魔的なというか、そういった女性が描かれています。

MIMORI:これはストレスを吐き出した曲です(笑)。この曲のテーマは……まだ何も知らない彼氏に対して“可愛い彼女”を演じているんですよ。「これが世間で言う可愛い彼女」っていうのを演じているんですけど、「本当はこんな子じゃなくて、あなたのために演じてるんだよ」っていうのを知ってもらいたい女の子のストレスを書いた曲なんです。「知ってもらいたいけど、自分からは言いたくないけど察してね」っていうちょっとめんどくさい女の子を描いてみました(笑)。

――それは実体験ですか? それとも少女漫画から?(笑)

MIMORI:そうですね。「Hello No Buddy」で素直に書いたので、これは思い切り妄想で書きました。

――この詞を最初に読んだ時、恋愛系だとは分かったんですが、その裏に“別の意味”が隠されてるんじゃないかな、と深読みしてしまったんですが…(笑)。なんだかあれこれと書くメディアに対して「知らないくせにそんな勝手に色んなこと書かないでよ」みたいな(笑)。

RUUNA:全然違いますよ!

MIMORI:そんなことないです。妄想の彼氏に向かって言ってます。

――こうして取材させていただいて、「ここはこうなんでしょ?」とか言ったら「You don’t know me」と言われそうな(笑) 。

MIMORI:そんなそんな(笑)。

――ですよね。で、ここでのKOUMIさんのラップがまたいいんですよね。ライブとかめっちゃ格好いいですよ。

KOUMI:いえいえ~。ありがとうございます!

――また独特のフローをされていますよね。

KOUMI:レコーディングの時、ブースに入るまで全然決まってなかったんですよ。とりあえずもらった日本語詞を英語に直して、こういうこと言いたいっていうのを英語にしてブースに持ってくんですけど、言葉が多すぎたり少なすぎたりするので、そこは微調整しながらアレンジャーのRumbさんと、「こういうリリックでこういうリズムでいったら面白いんじゃない?」って感じで話し合いながら進めています。これも直前で決めた感じです。

――何か好きなラッパーとか参照しましたか?

KOUMI:今回はありましたね。スタッフさんに70年代ぐらいのラッパーの音をまとめて聴かせていただいて。

――70年代ですか???

KOUMI:はい。聞いてちょっと名前は忘れちゃったんですけど、そうした音源を聴いたり、後は自分の好きなラッパーのラップを聴いたりしましたね。

――例えば誰ですか?

KOUMI:私が最近好きなのはエイサップ・ロッキーなので、その辺りを。

――おお、なるほど。では、続きまして「Don’t be afraid」。callmeといえばピアノのイメージがありますが、この曲のようにギターが効いたものも結構ありますよね?

RUUNA:そうですね。この曲は去年末のリキッドルームでのライブ用に作った新曲なんですよ。大きいライブをやるときは来てくれた皆さんへプレゼントじゃないですけど、やっぱり新曲をお届けしたいなと思ったので…。『Hello No Buddy』EPは、納得するまで制作していたために発売延期させていただいたんです。なので、皆さんを1カ月お待たせしちゃってるっていう気持ちがあったので、もともとライブで歌っていた曲を1曲追加しようってことになって…。それで急遽追加したのが「Don’t be afraid」なんです。スタジオで他の曲の歌詞を作っている時に、デビューから担当してくれているディレクターさんが「『Don’t be afraid』歌える?」って聞いてきたので、「全然歌えますよ」って答えたら、「1曲追加しちゃおうか」って提案されて、「いいんですか?」って(笑)。全く練習もなく普通にライブで歌っているままレコーディングしました。もともと予定していなかったんですけど、ライブで歌い慣れていたので、初めてちょっと気楽な気持ちでレコーディングできたというか…。

――あぁ、じゃあ、あるライブ感覚というか臨場感が入っていると。

RUUNA:そうですね。すごくあると思います。

――すごくノリも良くて、4つ打ちではありますが、ビートのニュアンスに変化がつけられていて、いわゆるディープなクラブミュージックの密室感ではなく、どこか開放感というか爽快感があります。

MIMORI:はい、そうなんです。

――では、続いて「All I need」です。

MIMORI:これは転調しようと挑戦した曲なんですよ。

――ああ、ですよね。

MIMORI:いままで転調の曲がなくて、『One time』のときに「ちょっと転調にチャレンジしてみない?」っていうふうにRumbさんから提案されて。「転調ですか???」って言ったんですけど、頑張って転調したのがこの「All I need」です。最初はどうやったらいいのかわからなかったんですけど、「ここで転調させたら面白いんじゃない?」って感じでRumbさんと話し合って、こういう転調の仕方になりました。

――そうですよね。(手元の書類を指差して)「転調に新機軸を感じる」ってここに書いています(笑)。

MIMORI:あ!ありがとうございます。

――なるほど。それ狙っていたわけですね。

MIMORI:はい。「転調で頑張ってみよう」って。

――歌詞に関してですが、「Why are you so mean to us?」ですから、付き合っている2人がいて、それに対して干渉するというか、揶揄する人がいる、って感じなんですよね?

KOUMI:いますね。これは「ボニー&クライド」をテーマに書いた詞なんです。2人は愛し合っているんですけど、やっぱりそれをいい目で見ない人がいて、でも、いい目で見る人もいるんですよね(編注:強盗や殺人を繰り返したこの実在のカップルは、当時の米国では義賊として英雄視する向きもあった)。私は今回いい目で見る側から書いたんですが、時代背景とか複雑で、どういう側面から見るかによっても違うと思うんですよね。でも、2人が深く愛し合っていたことは間違いないので。ボニーのクライドを愛する気持ちをテーマにこの詞を書きました。「なんでそういう目で見るの?」という気持ちとか…。私もこれからそういう恋愛してみたいなっていう思いも込めて。

2人に「ストレスが溜まっているときに傍にいてくれてありがとう」っていう思いを伝える曲ですね(MIMORI)

――続いて「Prayer」です。RUUNAさんにとって特別な曲ですよね?

RUUNA:そうですね。この曲はちょうど2年前に出来上がっていたんですけど、その時私の声帯の調子が良くなくて、ヴォーカル録りがあまり上手くいってない時期だったんです。ちょっと声が出づらくなっていて、レコーディングでもKOUMIとMIMORIをメインにしていて、自分の中ではもうホント“暗黒時代”だったというか。振り返ってみて思うんですけど、レコーディングが上手くいかなくてちょっと苛立ってたんですよね。初めて悩んだというか、なんか「レコーディングが楽しくない」みたいな時期だったんですよ。今ではそれを踏まえて喉のケアの仕方も変えたので、上手くいっているんですけど。そういうこともあって、あの当時はちょっと挫折を感じていて、歌詞も「仙台に帰りたい、でもまだ帰れない」っていう揺れ動く気持ちを書いた曲なんです。その曲を今回改めて聴いてみて、自分の中でも「いい歌詞を書けていたな」って思うことができて…。その2年前の歌詞と今の自分の気持ちを踏まえて、ちょっと歌詞を書き直しました。

MIMORI:メロディもRUUNAさんに合わせて変えました。あとコーラス部分も厚く重ねて、ちょっとゴスペルっぽくしたり。2年間で色々とできるようになったので、今の自分たちに合わせてブラッシュアップして作り込んでいきました。

RUUNA:今回この曲のレコーディングに行くのがすごく怖かったんですよ。最初に作ってレコーディングした時が自分の中で全然上手くいってない時期だったので…。でも、Rumbさんがいつもヴォーカル・ディレクションしてくれるんですけど、今回録り終えた後に「なんで躓いてたんだろうね?」って言われて…。色々と乗り越えて今歌えていることが嬉しいなっていう気持ちになれた曲ですね。色んな想いが込められています。

――で、この「Prayer」なんですけど、表題曲を筆頭に洋楽っぽい曲が並ぶ中、この曲は少しJ-POP寄りですよね。

RUUNA:そうですね。

――ゆえに、溢れる情感が際立っている感があるんですが、そこら辺もちょっと“スナック秋元”にも通じるものを感じました(笑)。なんかすごいいい話をしていただいて、こんなふうに落とすのもなんですけど(笑)。

RUUNA:いえいえ(笑)。この曲は私がメインで歌うのが決まっていて、Aメロが2年前とは違うものになったんですが、MIMORIが私のブレスのタイミングとかを考えて作ってくれて…。「Hello No Buddy」とかもそうなんですけど…。すごく歌いやすくて、「あれ、すごい歌いやすい!」みたいなことをMIMORIに言ったら「そりゃあそうでしょ」って(笑)。

MIMORI:ちゃんと考えて作ったからね。

RUUNA:なんか私以上に私のヴォーカルを気にしてくれているんだな、っていうのが今回の作品ですごい感じました。普段私はJ-POPを聴くことが多いので、たぶんそういうのも踏まえながらこの曲を作ってくれたんだろうなって思います。

MIMORI:RUUNAさんは息吸う箇所がすごい多いんですよ。なので、Aメロはプツ、プツ、プツって切った方がRUUNAさんのハスキーボイスと上手く合って、すごくいい音になるなと思ったので。あと、「RUUNAさんはここで声を張ると次で枯れるから、ギリギリのところから一つ下のところが一番気持ちいいラインだろうな」というのがこれまで色々とレコーディングしてきて分かってきたので。後は一緒にカラオケとか行った時も…

――あ、カラオケ行ったりするんですか?

MIMORI:行きます。そのときに他のアーティストさんの曲とか歌っている時に「意外とこのキー出るんだ」とか「ここまで出るんだ」っていうのを覚えて帰って、後で「どこだったっけな?」ってちゃんとメモったりして。

――そういう感じでできたわけですね。例えばこの曲のように寝かせてるものってたくさんあるんですか?

RUUNA:ありますね。ボツ曲いっぱいあります。

MIMORI:毎回曲をすごくたくさん作るんですよ。で「一番いいのを入れてこう」っていう風になるので…。皆に“ダメ出し”された曲もいっぱいあります。

――断片的な、未完成のものとかも?

MIMORI:そういうのもありますし、後は「この曲とこの曲合わせたらいいんじゃない?」って感じで出来上がったものもあります。お蔵入りした曲、結構あります(笑)。

――ローリング・ストーンズとかプリンスとか、「アルバム作るのに100曲ぐらい作って厳選する」って言われてますけど、そんな感じですね(笑)。

MIMORI:そうですね(笑)。1回歌ったけど、もう絶対歌えない曲とかあります。

――『You’ll be fine』これがまた新機軸ですね。

一同:そうですね。

――レイドバックしたというか、ラヴァーズ・ロック風レゲエのニュアンスが随所に感じられます。

MIMORI:ちょっと“まったり”しているんですけど、メロディは“ハネねる”ことを意識していて。「Hello No Buddy」でもメロディがハネる部分があるんですけど、でも活かせてなかったんですよ。ハネるメロディを歌詞が潰しちゃっている箇所があって…。結局「Hello No Buddy」は上手くまとまって「あれはあれでいいね」ってなったんですけど…。次は同じようなテンポでハネるメロディを作りたいな、って挑戦したのが「You’ll be fine」なんです。RUUNAさんの歌い方も今までと少し変わっていて、ちょっと違う感じがすると思います。

――これまでは、所々生楽器というか、生っぽい部分が“素材”として取り入れられていた感があったんですが、この曲では生っぽいイントロから始まって、「でも、最初だけかな」と思いきや、結構本格的に生っぽく行ったな、みたいな。もちろん、エレクトロな音色も随所に入っていますが。

MIMORI:はい。

――そういう意味でも、じわじわと生っぽい領域に入ってきてるな、っていう感じもあります。

RUUNA:そうですね。一応初期の頃から「生バンドで演奏できる曲」っていうのはテーマとしてあったというか。「いつかは生でやりたいね」っていう気持ちがあるので、それをずっとやってきているんですけど、今回は初めて温かみのある曲をやったというか…。デモの段階では「これも表題曲にいいね」ってなってたんですよ。

――へぇ~、そうなんですね。

RUUNA:はい。今回は「You don’t know me」と「You’ll be fine」「Hello No Buddy」で迷っていて…。まあ、表題としてはやっぱり「Hello No Buddy」が一番いいかなっていうことになったんですけど、「You’ll be fine」は自分たちの中でもしっくりきたというか、「こういう曲を待ってた」っていう気持ちがありましたね。

MIMORI:いままでビシビシ決める曲が多かったので、ひとつユルめの曲を作ろうと思って。そのユルさも必要だなっていうのを最近思っていたので、そのユルさを研究してチャレンジしてみた結果「ユルユル」になりました(笑)。

――最後のサビ”の頭のところなんて思い切りレゲエになってます。これを聴いた時「callmeがレゲエ!」「新しいところに入ってきた!」と思ったんですけど、それが表題曲になっていたかもしれない、ということですね。

一同:そうですね。

――でもそう考えると今回EPのって本当にバラエティに富んでいますよね。

RUUNA:そうですね。今回は自信のある曲がすごく多い作品ですね。まずは「Hello No Buddy」を配信用で作っていたので、それを踏まえていろんな作品を作ることができたと思います。それがすごい自分たちにとってすごく大きかったですね。なので、レコーディングとかもいつもよりちょっと粘って、発売時期も遅れちゃったんですけど(笑)。すごくいろんなことをじっくり考えながらつくれました。メンバーともレコーディングの時に今まで以上にコミュニケーションを取ることが多くて…。「You’ll be fine」も 「こういうふうに歌って欲しい」っていうのをMIMORIから聞いて、自分のなかで消化して、またRumbさんとその場でやり取りをして、といった作業でした。そうやることで、ヴォーカル面でもまた一歩成長できたんじゃないかなって思っています。

MIMORI:事細かに伝えるようになりましたね。「一言一句これはこういう意味が入っています」っていうふうに。

RUUNA:そうですね。

――へぇ、なるほど。

MIMORI:今までは、ざっくりとしたテーマと「こういう感じで歌ってください」っていうのを伝えて、後は自分なりに解釈してもらっていたんですけど、今回はもう本当に「3人で統一しよう」ということで。

――例えば、「You’ll be fine」とか、冒頭のAメロのところってなんか示唆的じゃないですか。「え、これどういうことなんだろう?」って。どういうことなんですか? これは(笑)。

MIMORI:Aメロは一番最初にできた部分なんですけど、この曲のテーマが「疲れた自分へ」なんですね。

――先日のライブでおっしゃっていましたよね。

MIMORI:はい。これを書く時、色々とスケジュールが詰まったりしていて、自分に余裕がなくなってたんですよ。新しいものにも全然敏感になれないし、本当に些細なことにもイラついちゃうし…。自分の中でそれが嫌だと思って、「自分を客観視する」っていう視点で書いたんですけど、「何か本当にあなたが叶えたい願いはありますか?」って神様が降りて来たら、私は何て言うのかなと思って。そういう思いからAメロが生まれてきたんですよ。でも、今は全然思いつかないなって思って。本当にやりたいことは見つけているけど、これは自分でできることかもしれないし、神様に本当に頼っていいことなのかな?って。どれが神様に言えることなんだろう?って。でもその答えは、もっと自分が心を広して優しくなれば見つけられるんじゃないかな、っていう風に自分の中で落ち着いて…。そこからできていったのがこの歌詞でした。

――歌詞にある「曖昧になる言葉でもう誤魔化さないで」とか「心の中、ちゃんと見せて」といった一節とか、3人が暮らしている“こるみハウス”の中でのことなのかな、なんて想像したりしたんですが…。

MIMORI:「もう誤魔化さないで」っていうのは「自分自身を誤魔化さないで」ってことなんです。例えば何か「できる?」って言われたら、「あ、頑張ります」ってすぐ言っちゃうんですよ。「大丈夫?」とか聞かれて「全然大丈夫です」っで。「大丈夫」といった曖昧な言葉で…。自分で自分を狭くしていたんですよ。色んなプレッシャーもあって。自分で自分で苦しめて…。でも2人はすごく優しくて「そんな抱え込まなくていいよ」みたいなフランクな感じで接してきてくれるんですよ。でも私の心の狭さや焦っている気持ちから、その優しさを全然感じ取れなくて…。「あ、ごめんね」と思って「もっと自分自身が大きくなるね」と。いろいろ経験して、もっと自分自身が大きくなって、皆を包み込めるぐらい優しくなって答えを出すからっていう…。ある意味、自分で一度落ち着くための“休息”として書いた曲でした。

――自分自身に向けた言葉なんですね。

MIMORI:はい。悩まないでもっと周りのみんなに相談したり、はっきりとした言葉で伝えようって思って…。2人に「ストレスが溜まっているときに傍にいてくれてありがとう」っていう思いを伝える曲ですね。

本当に10年ぐらい一緒にいるので、もうこの関係が終わったら終わりって、そういう気持ちでやっています(KOUMI)

――3人ってちょっと不思議な関係ですよね。

RUUNA:そうですね(笑)。

――ね。ていうか、初めて取材をさせていただいた時におっしゃっていましたが、皆さん普段お家にいる時はそんなに一緒にご飯食べたりしない、って。なんか3人でご飯に行かれることがすごい珍しかったんじゃないですか? その当時は。。

RUUNA:そうですね。まあ、今もなんですけど(笑)。仕事帰りにはスタッフさんとかも含めてよく行くんですよ。でも、3人だけで改まって行くっていうのはほとんどなくて。私とMIMORIは高校の同級生なんで、プライベートでも2人でご飯に行ったりはするんですけど、KOUMIは基本的に独りが好きなので独りで行動することが多くて。

――そうですよね。その取材をさせていただいた時、ブログか何かで、KOUMIさんご飯に誘ったら来た!ってことが“大事件”みたいに書かれていたのを憶えてます。

MIMORI:珍しいです。もう独りが本当好きなので。それがKOUMIらしくて、そんなところが私もRUUNAさんも大好きなんですよ。それがすごく居心地が良くて。でも最近は「たまには3人で食べるのもすごい楽しいね」っていうふうに思ってますけどね。

RUUNA:意見交換をする場というか「最近これがすごいんだよね。どう思う?」みたいなので、聴かせたり見せたり。で「どう思う?」っていうのを自然な感じでやれるようになってきました。打ち合わせもチーム全体としても会議室でかっちりすることはあまりなくて、レコーディング終わりのご飯を食べながら「次はこうしたい」「この曲どう?」って感じでするので、そんなに改まってはしないんですけどね…。でも、3人の仲って何なんでしょうね。自分たちでも不思議なんですけど、皆正反対の位置にいるんで。

MIMORI:なんかクラスにいたら絶対同じグループにならないと思います。

RUUNA:仲良くならないタイプですね。

MIMORI:同じ教室にいても絶対違うところにいるっていう。

――お二人は同じ高校だとおっしゃってましたが、実際高校の時は?。

RUUNA& MIMORI:実際違いました。

MIMORI:同じ高校で同じクラスで、席もほぼ隣だったんですけど。

RUUNA:一緒にいるお友達が違う。

――お友達じゃなかった???

MIMORI:全然違います。

RUUNA:私とMIMORIが正反対の位置にいて、KOUMIが間にいるって感じですね。喧嘩をするのはここ2人だけ。KOUMIとはしないんですよ。私ともMIMORIとも。なんかでも、全員が誰の味方をするわけでもないですし、誰につくとかもないですし。本当に「1対1対1」の対等な関係なので。友達でも家族でもないんですけど、唯一無二の存在というか、特別な位置にいる存在ですね。

――仕事場でも家に帰っても一緒にいるわけですから、そういった個人主義を保つことが大切なのかもしれないですね。

RUUNA:あまりルールとかそういうのを口に出して決めたわけじゃないんですけど、そこはちゃんと線があるというか…。でも、そんな中でも「この人とじゃなきゃ自分の夢は叶えられない」というか「この人だからやっぱり同じものを目指して一緒に仕事をしたい」と思う存在というか。“仕事”って言っちゃうとちょっとドライ過ぎるかもしれないですけど、でも本当に「この人と何かやっていきたいと思える」というか、そういう関係ですね。

――どうですか? KOUMIさんは、こういう言葉を聞いて。

KOUMI:いや、もちろんそうですね。

RUUNA:本当に?

KOUMI:本当に10年ぐらい一緒にいるので、もうこの関係が終わったら終わりって、そういう気持ちでやっています。

――なるほどね。じゃあ、ちょっと変なことお聞きしますけど、例えば「メンバーをもう1人補充する」とかっていうのはやはり考えられないことですか?

KOUMI:ないですね。

RUUNA:そうですね。入る方が大変だと思います。

MIMORI:その子が一番のストレスを感じちゃうと思いますね。私たちはそれほど抵抗ないかもしれないですけど。あと名前が変わっちゃうかもしれないので(笑)。

RUUNA:そこ? たぶんこの中に入るってなかなか難しいと思います。出会ってからもう10年一緒にやってきているので。

――10年ですもんね。

RUUNA:そうですね。仙台の事務所で出会って、みんな小学校高学年とかぐらいからやってきているんで。なので、言いたいことははっきり言うしみたいな感じなんですけど。でも本当に一番「一緒に笑いたい」って思える人ですね。同じ気持ちで苦労を重ねてきたので、やはり一緒に笑い合いたいですし、みんな幸せになって欲しいです(笑)。だからいつも「結婚式には呼んでね」って言うんです。でもKOUMIは「呼ばない」って言うんです。「なんで!?」っていつも言ってるんですよ(笑)。

MIMORI:まあ、ネタとしてなんですけどね。

RUUNA:で、KOUMIのお母さんが「メンバー呼びなさい」みたいな(笑)。

――いや、それは呼ぶでしょ(笑)。

RUUNA:いつもネタでやっているだけなんですけどね。

MIMORI:本当に呼んでくれる?

KOUMI:考えとく(笑)。

――(笑)。例えばライブのMCの時でも、ベタベタに仲良いわけじゃなくて、ちょっとイジり合ったり、ちょっとしたズレみたいなのをネタにしたりしますよね。今みたいな“ネタ”を。

KOUMI:それが普通に言える環境なので。友達じゃないですし、いい距離感にあるので。その辺は家族みたいな感じです。

RUUNA:嫌われるとかもないですね。もう、全くない。

MIMORI:好かれようとして何かをやるとかもないですし。

RUUNA:でも、人としては尊敬する部分もあるからこそ、ずっとやれているのかなっていうのはありますね。

――羨ましいですね。そういう言える人がいるっていうのは。なかなかいないですよ。

RUUNA:ホントそれが自分たちの財産なのかなって思いますね。

MIMORI:3人とも「これしかない」って感じなので、これからも3人で頑張っていこうと思います。

(取材・文:石川真男)

callme 商品情報

Hello No Buddy
発売日:2018年3月7日

[Type-A](CD+DVD) ¥3,200(税込)
[Type-B](CD+BD) ¥3,900(税込)
[Type-C](CD Only) ¥1,000(税込)

callme プロフィール

KOUMI、RUUNA、MIMORIの3人によるガールズユニット。
2014年12月30日に結成。それぞれの得意分野を活かし楽曲やパフォーマンスをセルフプロデュースする新しいスタイルのガールズユニットとして活動をスタート。
リーダーのRUUNA、ダンスを得意とするKOUMI、作曲を得意とするMIMORIの3人が一体となったクオリティーの高いダンスと楽曲の創造性溢れるパフォーマンスが魅力。

メンバー プロフィール

RUUNA(秋元瑠海)

callmeリーダー・作詞
<なにごとにも真摯に全力で挑み、ステージ上ではパワフルなパフォーマンス力を持つ。>
ニックネーム:るーちゃん
誕生日:1996年9月9日 血液型:O型

MIMORI (富永美杜) 

作曲・作詞
<ヴィジュアルのみならず、ピアノで作曲を行う等クリエイティブ力も備える。>
ニックネーム:みも、みもりん、みもちゃん
誕生日:1996年6月14日 血液型:O型

KOUMI(早坂香美)

振付け・作詞
<その高いダンススキルを活かしてcallmeの全てのダンスを監修。またラップも担当する>
ニックネーム:こうみん
誕生日:1996年5月31日 血液型:O型


公式サイト
http://avex.jp/callme/

公式ツイッター
@callme_official


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