“新潟が誇る名曲製造機”である。いや、厳密に言えば、彼女たち自身が作曲しているわけではないので“名曲吸引機”とでも言おうか。これまでも錚々たる作家が書き下ろした数々の名曲を“引き寄せ”てきたRYUTistだが、ここにまた新たな3曲が加わった。
シングル「センシティブサイン」の表題曲は、神戸出身の早熟ポップ・ウィザード、シンリズムの作詞作曲。愛らしいポップチューンながら、そこには、ジャケットやアーティスト写真が醸し出す淡い色彩にも似た、抑制を帯びながらも微細に揺れ動く心の機微が描かれている。
「素敵にあこがれて」は、かつてはカメラ=万年筆、現在はOrangeadeの一員として活動し、新潟の婦人倶楽部というグループをプロデュースする他、RYUTistにも「夢見る花小路」を提供しているポップ工芸家、佐藤望の作詞作曲。室内楽風の響きをもたらすフルート、同じくOrangeadeの黒澤鷹輔が掻き鳴らす多彩なフレーズのギター、シンプルなビートを刻みながら時折手数の多いフィルインで煽るドラムス、そしてそれらの編み上げる音像の上で、出口の見えない迷路を彷徨うかのように綴られていくメロディが印象的だ。
様々なスタイルの古き良き“ナイスミュージック”を瑞々しいタッチで現代に復元するポップユニット、microstarの二人が作詞作曲した「バ・バ・バカンス!」は、RYUTistが初めて本格的に挑むラテンナンバー。Wack Wack Rhythm Bandの面々が紡ぎ出すサウンドには、サンバを意識したビート、サルサっぽいティンバレスやハイライフ風ギター、アフロキューバンなブラス、カリブ音楽っぽいニュアンスのトランペットなど、様々な熱帯音楽の意匠がてんこ盛りだ。
もちろん“曲がいい”だけではない。本作では、これまで以上にRYUTistの4人の歌が中心に据えられ、楽曲の色彩を決定づけている、と言えるだろう。シンプルな音像の中、ニュアンス豊かな語り口によって繊細な情感を浮き彫りにする「センシティブサイン」。ソロ/ハーモニーとスイッチを切り替えながら右へ左へと揺蕩うメロディを紡ぎ、複雑に絡み合う音群に一層の彩りを施す「素敵にあこがれて」。多彩な声色を駆使して濃密なバンドサウンドにさらなる厚みを加える「バ・バ・バカンス!」。いずれも高い表現力が要求される楽曲だが、彼女たちの歌いっぷりは期待を遥かに上回るもの。ここへ来て、ヴォーカル・グループとしての進化がより一層顕著なものとなっている印象だ。
そんなRYUTistの4人、佐藤乃々子、宇野友恵、五十嵐夢羽、横山実郁にお話を伺った。筆者としては3度目となるインタビュー。新曲への想いが露わになるのみならず、これまで以上に素顔が垣間見られるのではないだろうか。彼女たちの醸し出す空気感をじっくりとご堪能いただきたい。
リスナーの皆さんも場面場面で違った感情を聴き取っていただけると思います(みくちゃん)
――いやぁ、ちょっとね。どういうことですか、もうホントに!次から次へとめちゃくちゃいい曲ばかり。そろそろイマイチな曲が来るかな?と思ったら、また3曲ともいいじゃないですか。どういうことですかっ?!
一同:(笑)。
のんの(佐藤乃々子):またまたいい曲をいただきました!
みくちゃん(横山実郁):最高のシングルが出来ました!
――「いい曲がくる」っていうのは、もう慣れっこになっちゃってるんじゃないですか?
一同:いやいやいや~。
――(笑)。デモとかたくさん聴いたりするんですか?
むうたん(五十嵐夢羽):いえ…。
ともちぃ(宇野友恵):私たちには最初っから「この曲です」って来ます。
――ボツにしたりとか、そういのはないんですね。
一同:ないです!
――「この曲ちょっとイマイチだな」とか「ここはもうちょっとこうして欲しい」みたいな…そういうのはないんですか?
一同:ないです!ないです!
――ないですか。でも、RYUTistに曲を書くっていうのは今やめっちゃハードル上がってるんじゃないですか?
ともちぃ:えー!そんなことないです。
――だんだん作家さんたちも書けなくなってきたんじゃないですか?「下手なの出せないな」みたいな(笑)。
むうたん:すごいのは作家さんたちです。
みくちゃん:皆さんすごいから。でも、昨年の忘年会さんとかでは、沖井さんが「2曲目作るのプレッシャーがあった」とおっしゃってたみたいです(笑)。
――で、前シングルの「黄昏のダイアリー」に続いて今回も3曲収録じゃないですか。でも、随分と色合いが違いますよね。まずはざっくりとお訊きしますが、今回のシングルってどんなものになりましたか?
ともちぃ:全体的に明るめかなって思いますが、明るい中にもハジケ系の「バ・バ・バカンス!」とか、かわいい系の「素敵にあこがれて」とか、青春系の「センシティブサイン」とか、いろんな色があると思います。
むうたん:私は3曲とも違うなって思いました。しっかり違う色が出てるなって。
のんの:それぞれ違うので、ちょっと演じたりするのも頑張りました。「バ・バ・バカンス!」とか、私たち普段はあまり「イェーイ!」みたいな感じはないんですけど、テンションを思い切り高くして歌わないといけないので、自分のいつものテンション以上を出しながら、“演じて”歌いました。
――ちょっと無理してみたいな?(笑)
のんの:アハハ。でも楽しかったです。ちょっと無理してテンション上げて…。
みくちゃん:乃々子さんも言ってましたが、今回は「演じるRYUTistを聴かせるシングル」だと思います。RYUTistのメンバーそれぞれが、“女優さん”と言ったらまた全然違うんですけど…それは言い過ぎですね(笑)。けど、演じていて…。リスナーの皆さんも場面場面で違った感情を聴き取っていただけると思います。私たちに感情移入出来るようなシングルになってるかなって。
――なるほど。今回は「女優RYUTist」が堪能できるシングルなわけですね。
ともちぃ:大げさに言えば、です(笑)。
――前回インタビューさせていただいた時に、特に乃々子さん、実郁さんはMVで「ちょっと演技が過剰」とおっしゃっていましたよね?
みくちゃん:はい。“濃い人たち”です。
のんの:“味付けが濃い”っていう(笑)。
――今回も濃いめですか?
のんの:濃いめです。
みくちゃん:濃いどころじゃないと思います。
――あぁ、やはり。
みくちゃん:全員がもう120パーセントぐらいの濃さで(笑)。
――全員がですか?
みくちゃん:はい。
ともちぃ:だいぶ神経使いました(笑)。
――では、今回「演技の濃さ」が生きたわけですね。
みくちゃん:生きたと思いますね(笑)。
――で、まずジャケットとアーティスト写真ですが、すごくいいトーンですよね。あれは越後線の…?
むうたん:越後線の内野西が丘駅です。
――そこはどんなところなんですか?ちょっと馴染みがないもので…。
一同:私たちも馴染みがないです(笑)。
――あぁ。新潟市内ですか?
むうたん:新潟市内です。
ともちぃ:ちょっと外れたところにあって。
みくちゃん:中心部からは3~40分ぐらいのところです。
むうたん:無人駅だよね?
のんの:でも人いたよね?
ともちぃ:駅員さんはいたけど。
みくちゃん:一人だけだった。
むうたん:切符を買って箱に入れるタイプの無人改札だった。
ともちぃ:切符は戻すっていうか、箱にポンッて感じの。
みくちゃん:東京にないから、きっと(笑)。
――まぁ、うちの田舎にはありますけどね。では、まぁ言っちゃえば田舎って感じですか?
一同:そうですね。
ともちぃ:駅は出来たばっかりな気がします。
のんの:そうなんだね。知らなかった。
むうたん:きれいな駅ですよ。
――アーティスト写真には街並みが写ってるじゃないですか。皆さんのバックに。あれもそこなんですか?
むうたん:あれは日和山五合目っていうところです。
みくちゃん:古町です。
むうたん:十何番町ぐらいまでいったところにあるんですよ。坂があって。たしかもうあの景色は見れなくなっちゃうんですよね…。
ともちぃ:かな?なんか大きなビルが建つらしくて、5月ぐらいにはもうあの景色は見られなくなっちゃうんですよ。そうなる前にっていうことであの場所で撮影しました。
むうたん:屋上というかテラスみたいなところで。
みくちゃん:3枚目のアルバム『柳都芸妓』を開くとジャケットの内側に古地図が印刷されているんですが、あの古地図を提供してくださった野内さんっていう方が日和山五合目でカフェをやられていて…。で、そのカフェの屋上です。野内さんから「ここいいよ」って教えていただいて、そこで4人で写真を撮りました。
――そういう意味では、新しいものと古いものが移ろって行くみたいな、そういうシーンなんですね。なんかとても雰囲気があります。で、そのアー写なんですが、皆さん本当に自然な感じで写っていますよね。あれは私服ですか?
ともちぃ:じゃないです。
――じゃないんですね。
ともちぃ:私服っぽい衣裳です。
みくちゃん:私だけ制服で。
――ですよね。
みくちゃん:私が制服なのは、今年から女子高生は私だけなんですよ。女子高生は私だけです!
一同:(笑)。
むうたん:わざわざJKを気取らなくていいから、ホントにもう!
一同:(笑)。
みくちゃん:ごめんね、私しかいなくなっちゃって(笑)。年齢層にあった服を着てるので…。そうそう、それが一番言いたかったんです(笑)。
――「私服っぽい衣裳」っておっしゃいましたが、それはそれぞれのファッションを反映したものですか?
のんの:いつもあんな感じの服着てるよね、みんな。
ともちぃ:4人で衣裳を見に行ったんですが、「この子にはこういうのが合うよね」みたいなのを選んでいったら結局普段とあんまり変わらない感じになりました。
――皆さん結構淡い色を着てるんですね。
ともちぃ:「春っぽく」っていうテーマがあったからかなぁ?
みくちゃん:春っぽいものです。
むうたん:春物だったよね。
のんの:店員さんにも「春感があるもの」って言って…。
――なるほど。つまりは、“自然体”を演じてるわけですね?だって本当の私服じゃなくて“私服っぽい”わけじゃないですか。
一同:あぁ。
ともちい:多分、演じて…。
むうたん:女優、ここでも女優!
――見事に私服っぽく見せています。演じてます!
一同:はい!
ちょっとだけ生活に余裕ができたかなって思います(ともちぃ)
――表題曲「センシティブサイン」ですが、まずはデモを聴いた時どういう印象を受けましたか?
むうたん:爽やかな曲だなって思いました。春っぽいなって感じましたね。
ともちぃ:私も春っぽいなと思いました。春って“スタート”の季節だと思うんですが、それにピッタリな曲だと思いました。
みくちゃん:仮歌を聴いた時点で、RYUTistが歌ってるのが想像できました。
のんの:春って環境が変わるので、少し不安もあれば、これからへの期待もあると思うんですが、それが表れている曲だなって思いました。
――作詞作曲はシンリズムさん。「シンリズムさんが曲を書いた」という情報が公開された時、「うわっ、またいい人選をしたな」と思ったんですが、実際こうして曲を聴くと、とてもいい曲なんですが、「ちょっとシンリズムさんぽくないな」って気もしました。まぁ、個人的な印象ですが…。
一同:あぁ。
――思いのほかシンプルですよね?
一同:そうですね。
――もっと複雑な和音とか落差のあるコード進行なのかな?と思っていたら意外とシンプルで、それも新鮮に感じました。
ともちぃ:確かに。
のんの:私たちに合わせて作ってくださったんだな、っていうのは思いましたね。
みくちゃん:(昨年11月の)新宿ReNYさんでのライブにシンリズムさんが来てくださったんですよ。多分その後に出来た曲だと思うので…。
ともちぃ:絶対そうだよ。
みくちゃん:ライブの映像とかも見てくれてたって言ってましたし…。
むうたん:そうそう。
――で、シンプルでストレートなぶん、すごく歌が重要になってきてる印象ですが…。
むうたん:難しかったですね。
みくちゃん:この曲は難しい。
ともちぃ:うん。
のんの:この曲を練習してた時はもうちょっと柔らかく歌ってたんですが、実際のレコーディングの時はわりと力強く、サビとかはかなり力強く歌いました。
ともちぃ:「明るめに」っていう感じで。
――そうなんですね。ところで「センシティブサイン」というタイトルですが、これはどういう意味ですか?
ともちぃ:「敏感な印」…(笑)。
みくちゃん:もう、それ和訳しただけじゃん!
――どういう意味だと捉えて歌っていますか?
ともちぃ:のんのが最初に言ってたように、新しいことへの期待と不安が入り混じった感じの、ちょっと感情が浮き沈みしやすい…。
のんの:繊細な。
ともちぃ:そう「繊細な」ってことかなと思いながら歌ってます。
――では、この場合「サイン」はどういう意味になりますか?
ともちぃ:「先で待ってて きっと出会えるから」という歌詞があるので、きっと「今ここが大事な時だよ」っていうサイン…なんですかね…?
――なるほど。夢羽さんはどう思われますか?
むうたん:「先で待ってて きっと出会えるから」という歌詞があるんですが、これが「サイン」なのかなって。お客さんに向けて歌う時に、それが「先に続くサイン」というか「先でまた出会う時に通じるサイン」になるのかなって。
――あぁ、「合図」みたいな。
むうたん:そうです。
――素晴らしい解釈ですね。
ともちぃ:乃々子さんがこの間い言ってたこの曲の解釈が素晴らしくて。
――では、お願いします。
のんの:私はこの歌詞をいただいた時…ちょっと待ってくださいね…。
一同:(笑)。
のんの:えぇ~っと、「少し待ってて」「ずっと大切な あなたに」っていうのは一体誰なのか?って考えたんです。歌詞を読み返してずっと考えてたんですが、ふと気づいたんですよ。「未来の自分」だって。Aメロでは今の私たちが自分たちのちょっと強がってるようなところを「あまり良くないね」って反省してるんですが、Bメロで…ちょっと待ってくださいね…Bメロは置いといて…。
――あ、はい、置いといて(笑)。
のんの:(笑)。「憧れた町まで 先で待ってて きっと出会えるから」っていう歌詞があるんですが、それは、自分が想像してる未来に憧れている自分のことを歌っていて、「そのようにきっとなれるから」ということなのかなって思いました。
――なるほど~。
みくちゃん:その解釈を聞いて「すごいな」と思ったんですよ。ずっと「センシティブサイン」の意味を考えてたんです。例えば、大切なあなたが未来の自分だとしたら、未来の自分が、今の自分に「大丈夫だよ、頑張れるよ」みたいな感じで、いろんな手がかりというか、いろんなサインを残してくれていて、今の自分は未来の自分になるためにそれを辿ってるんじゃないかって。だから「センシティブサイン」は、未来の自分が今の自分に語りかけてくれてるサインというか…。「大丈夫だよ」みたいな「まだ出来るよ」みたいな感じで言ってくれてる「サインなのかな?」って思ったんです。
――素晴らしいですね。「サイン」って、道路標識とかの「標識」って意味もありますが、まさに未来に辿り着くまで「どこをどう通っていくか」を示す道標っていう感じですね。
みくちゃん:はい。未来の自分が今の自分に送ってくれてるエールとも言えるかもしれません。
――では、それを踏まえて宇野先生一つお願いします。
ともちぃ:はい。先生は~(笑)。えー、2番サビの歌詞「なぞろうよ 雨に流れる前に」「足早で向かうよ」っていう箇所なんですが、多分これもその合図の一つで…。今すごく苦しいこととか辛いことがあっても大丈夫だから、諦めないでどんどん先に進もうっていう意味なんじゃないかなって思いました。あんまり振り返り過ぎないで、どんどん先に進んで行こうよ、って。
――さすがです。素晴らしい解釈ですね。で、この歌詞。一行一行、一語一語進んでいくにつれ、ニュアンスが変わっていく箇所がたくさんありますよね。特にAメロとか。
ともちぃ:そうですね。
――「平気なフリして 強がって見せる」とくるので、あぁ、何かに対して虚勢を張ってるんだなと思いきや、その後に「~癖も 本当はあまり良くないね」と。「良くない」っていう風に“反省”したりしてるわけですよね。あと、「必ず春はくるよ」という一節では、「あぁ、春はくるのかな」と思ったら、その直後に「信じたいな 今だけ」と。来るかどうか分からない、みたいな感じじゃないですか。そういう“行ったり来たり”するのを表現するって、難しくなかったですか?
みくちゃん:そうですね。この曲は…主人公の心情を考えるのが難しくて…。一行ずつ見ると「あ、違うんだ」「あれそうなのかな?」って思って。春の多感で敏感な時期の“グチャグチャ感”みたいなものを表してるのかな?って思いました。
ともちぃ:すごいナヨナヨしてるよね。
みくちゃん:そう。だからこの曲は、元気に歌う曲でもないし、かといってしんみり歌う曲でもなくて、主人公の心のモヤモヤを表現するのが難しかったなって思います。
のんの:確かに、ポジティブになったりネガティブになったりしてるから、ちょっと気持ちが不安定な感じがありますね。
ともちぃ:それが「センシティブ」な。
――まさに「センシティブ」ですよね。あ、なんかいろいろ繋がってきましたね(笑)。
一同:(笑)。
――やっぱり春は、そういう不安定な気持ちになるものですか?先ほど乃々子さんもおっしゃっていましたが「期待もあれば不安もあり」みたいな感じですか?
みくちゃん:ありますね。現在の自分にも。
――そういえば、友さんは二十歳になられたばかりですよね?
ともちぃ:はい、そうです。
――お酒飲めるようになったわけですよね?
ともちぃ:そうですね。でもまだ飲んでないんです。
――あまり興味ないですか?
ともちぃ:興味はあるんですけど…。飲む機会をちょっと見計らってます。
――二十歳になって、法律的に大人というか、いろいろ出来るわけじゃないですか。やはり不安とか期待とか?
ともちぃ:そんなに前と変わらないですけど、でも、ちょっとだけ生活に余裕ができたかなって思います。
――それは時間的にってことですか?
ともちぃ:時間的にです、はい。
――金銭的に、ってことではないんすか?(笑)
ともちぃ:金銭的にはもう全然です。
――そんなことないでしょ。
ともちぃ:そんなことあります!
――(笑)。まぁ、そういう生々しい話はちょっと置いといて。
一同:(笑)。
――なるほど。そういう「不安と期待」とか「移ろいゆく感じ」には、何か強い色ではなくて、微妙で繊細な、それこそ「センシテイブ」な色彩がありますよね。
みくちゃん:それこそすごい「淡い」感じがします。ジャケットみたいなの。この曲のカラーはちょっとふわっとした感じだなって思います。
――ジャケットとも繋がりましたね。
みくちゃん:はい(笑)。
――あと、ちょっと思ったんですが、未来の自分やこれからのことに想いを馳せて不安や期待を抱いたりする部分は、「黄昏のダイアリー」の続編みたいな雰囲気もあったりしますよね。
みくちゃん:確かに。「黄昏のダイアリー」には「いつか進んでも」っていう歌詞がありますが、「進んだ後」ってことですよね?
――そうです。
みくちゃん:進んだ後の新しい環境に対する「不安」とか「期待」ですね。
――はい、そうです!
ともちぃ:それが高校3年生だとしたら、多分みんな大学に進学して、それぞれ別の道に進んでいった後の4月…。
――そうですよね。
ともちぃ:それが「センシティブサイン」に続く、と。
――まさにそうです。
むうたん:たしかに、言われたら…。
――なんか大人が仕組んでるんじゃないですか?そういう「続編」みたいな体で(笑)。
ともちぃ:何も聞いてないです。
みくちゃん:何も聞いてないです。
のんの:もしかしたら仕組まれてるかもしれない…。
“追い詰められている感”はなかったです(ともちぃ)
――続いて「素敵にあこがれて」。これも素晴らしいですね!最初にデモを聴いた時はいかがでしたか?
みくちゃん:ライブで歌うのが全く想像出来なかったです。
ともちぃ:ハモリが容赦なく入ってくるので「難しいな」っていうのが第一印象でした。5回ぐらい聴かないとちょっと解読できなかったです。
むうたん:ハモリを歌ったり主旋律を歌ったり入れ替わりが激しいので、目で追うのに必死でした。歌っていても「今どこだろう?」って追いつけなくなるぐらい。「どこだ?」って。
のんの:「おもしろい曲だな」って思いました。むうたんも言っましたが、主旋に行ったかと思えばハーモニーに「ハッ」て行ったり、上に行ったり下に行ったり忙しくて。でも、みんながそれぞれのパートを歌って、それが合わさった時がとても綺麗で。それが「おもしろい」って思いました。
――佐藤望さんらしいというか。室内楽っぽい響きのフルートが全編に亘って鳴っていて、メロディもハーモニーも上下に揺れながら巧みに編み上げられています。おっしゃったように、ホントにメロディが特徴的ですよね。なかなか解決せずにずっと続いていきそうな…。やはり歌うのは苦戦しましたか?
一同:苦戦しました。
みくちゃん:レコーディング時間はこの曲が圧倒的に長かったです。
のんの:長かったね~。
ともちぃ:9時間ぐらいやってました。
むうたん:一人2時間とか。
――でも、一日でやっちゃうんですね。
ともちぃ:お昼から録り始めて、夜までかかりました。
――佐藤さんは以前も「夢見る花小路」でご一緒されていますよね。もうよく知った仲で?
むうたん:いや全然。
――(笑)。
むうたん:今回ちょっと距離が縮まったかなって。
のんの:ちょっと仲良くなれた感じはしましたね。
――で、佐藤さんからはいろいろ「注文があった」ようですが…。
ともちぃ:そうですね。結構同じフレーズを何回もやって、「ここはこうして」「ここはこうかな」「もうちょっと欲しいな」とかそういう細かいところまで言っていただきました。
――“厳しい要求”がいっぱい?
みくちゃん:厳しくはなかったです。全然。すごく細かい注文があるんですが、望さんのレコーディングって、いっぱい“エール”が飛んでくるんです。
ともちぃ:塾講師みたいに。
みくちゃん:「まだ出来る!」「大丈夫だ!」「頑張れ!」みたいな(笑)、そういう感じのレコーディングをしてくださる方なので、メンバーも「頑張ろう」「もっと頑張ろう」って気持ちになりました。なので、厳しい要求っていうより細かい要求でした。
ともちぃ:“追い詰められている感”はなかったです。
――うまく乗せられたというか?(笑)
みくちゃん:そうですね。ちょっとずつ積み上げていく感じのレコーディングでした。
――なるほど。「きつい要求に応えながら苦しんで作り上げた」というより、「優しく求められたきつい要求に応えることでいつの間にかものすごいものが出来た」みたいな。
ともちぃ:そういう感じですね。
むうたん:でも、本当に楽しくレコーディングさせていただきました。
そういう設定です(笑)(のんの)
――「素敵にあこがれて」は、詞がまたすごいですよね。今の皆さんにもすごく当てはまります。そして「素敵な女性になるための指南書」のような。でも皆さん、既に「素敵な女性」ですよね!?
一同:いやいやいや~。
みくちゃん:全然そんなことないです。まだまだお子ちゃまなんで。
のんの:お子ちゃまだよね。
――でもどうですか?「自分磨き」してますか?
むうたん:ちょっとだけ。
ともちぃ:この曲をいただいた時に、ホントに「自分の曲だ」と思ったんですよ。私、ちょうどその時お料理をし始めた頃で。それに本が好きで普段から本を読んでるので、「この曲は自分の曲だ!」と思って、嬉しくなりました。
――でもホントに友さんの顔が思い浮かびましたよ。
ともちぃ:ホントですか?
――「本」のところとか。まぁ、料理のことは知らなかったですけど(笑)。
のんの:望さんが、ソロのところはメンバーそれぞれに合わせて歌詞書いてくださったみたいで。私もソロパートでは「落ち着いた雰囲気で 上品な立ち振る舞い」って歌ってるですが、「ここは乃々子さんをイメージして書きました」ってレコーディングの時に言ってくださって、それがすごい嬉しかったです。
――乃々子さんは「品行方正」で「おしとやか」なんですよね?
のんの:品行方正ですか???
――はい。品行方正です。
のんの:あぁ、なるほど(笑)。
みくちゃん:絶対意味わかってないと思います。
――で、「おしとやか」と。
のんの:おしとやか?
――はい。
のんの:そういう設定です(笑)。
――(笑)。
むうたん:「設定」って言わないで!
みくちゃん:言わない言わない!
ともちぃ:「設定」とか言わない!
――えーっと、「設定」ってどういうことですか?
のんの:言われます。
――グループ内での「設定」なんですか?
のんの:と?「設定」って…。
みくちゃん:変なこと言うから石川さん食い付いちゃったじゃん!
のんの:多分おしとやか。そう見えてるんだと思います。
みくちゃん:これ、自分で言うの恥ずかしいね。
一同:(笑)。
のんの:え、どうですか?
――どう見えるかですか?
のんの:おしとやかに見えますか?
――もちろん、とびきり品行方正でおしとやかに見えます。
一同:(笑)。
むうたん:これで「いいえ」とは言えないから(笑)。
のんの:正解です。ありがとうございます。
――正解です???(笑)
みくちゃん:意味わかんないから(笑)
――いや、あれですよね。今回のシングルのテーマは「女優RYUTist」なので、これも「設定」を演じてるわけですよね?
のんの:そうですね。
みくちゃん:どこを演じてるの?
のんの:演じてる???
――えーっと、「おしとやか」を演じてるわけですよね?設定なので。
のんの:おしとやかです。普段からおしとやかです。公言しましたっ!(笑)
一同:(笑)
――えーっと、次いきますね。では、皆さん。「大人の女性」ってどういうものだと思いますか?何か言いたそうな人がいますので、では夢羽さん。
むうたん:「大人の女性」ですよね。こうやる人です。
一同:(笑)。
むうたん:わかりますか?
――はい。わかります(笑)。
むうたん:こうする人が大人の女性かなって思います。
みくちゃん:文章になった時に、「こうする」じゃ全然伝わらない。
ともちぃ:髪をかき上げて横にする感じ?
むうたん:かき上げて、(肩にある髪を手で横に払いながら)これをこうする。
一同:(笑)。
のんの:これならでもこうやってするよね?
みくちゃん:あれだよね?振り向く時とかにこう。
――(笑)。
ともちぃ:でもさ、ホントにそれやってる人いたら「おー」って思う?
むうたん:思う思う。
みくちゃん:思うよね?
ともちぃ:絶対笑っちゃう。
みくちゃん:思うって。
むうたん:「うわっ大人だ」って思う。すごいいい感じに歩いてる人がいると、大人な女性かなって。
みくちゃん:髪の毛が風に揺れた時に、すごい「香水の匂いがふわって香る」みたいな感じでしょ?
むうたん:そんな感じ。
――ちょっと文章では伝わりにくいので、それぐらいで(笑)。では、友さんどうですか?
ともちぃ:私は、自分の身の回りのことを自分でちゃんと出来て、かつ人のこともちゃんと見てる人が、大人かなって思います。
――二十歳になった友さんは、もうそういうことも出来るわけですよね?
ともちぃ:そうですね(笑)。
――実郁さんのことをいろいろ世話してるわけですよね?
ともちぃ:そうです(笑)。してますしてます!
みくちゃん:お姉ちゃんなんです、実郁の。
――そういう実郁さんはどうですか?
みくちゃん:私は、自分に厳しく、人に優しい人。
――実郁さん正反対ですもんね(笑)。
みくちゃん:そうです。正反対(笑)。まあ、「人に厳しく」はないですけど、自分には甘いです。甘々なので…。
ともちぃ:そうだね(笑)。
みくちゃん:そう。だからホント「自分の正反対の人が大人だな」って感じるんですけど…。なんか我慢とか出来ないんですよ。お菓子食べたいなって思ったら食べちゃうんです(笑)。
――(笑)。
みくちゃん:「明日早いけど、ちょっとまだTwitterとか見ちゃおうかな」とか夜更かししちゃったり…。それをせずに、「いや、明日も仕事だからちょっと今日は早く寝よう」みたいな感じで、自分を律して、周りのために動ける人が大人だなって思います。
――なるほど。お菓子食べてTwitterとか見て夜更かししてるから遅刻するんですよね?(笑)
みくちゃん:(笑)。
ともちぃ:あぁ。
のんの:あぁ。
むうたん:あぁ。
――まぁ、ね。徐々に素敵な大人になっていっていただいて。
みくちゃん:なりたいなって思います。
――はい。では、“おしとやかな大人”の乃々子さんお願いします(笑)。
のんの:はい、大人です。私は、心に余裕があって自然体でいられる方が大人だなって思います。
――乃々子さんは心に余裕ありますか?
のんの:ある時とない時があるんですけど、だいたいないです。
一同:(笑)。
みくちゃん:どんなせわしない毎日を送ってるの?
――(笑)。
ともちぃ:「もこた」は?
のんの:「もこた」といる時はもう頭が「もこた」だから。あ、「もこた」っていう猫を飼ってるんです。
――もちろん知ってます。Instagram拝見してますから。
のんの:あぁ、ありがとうございます。
――はい。
のんの:「もこた」と遊んでる時はもう心に余裕とかそういう問題じゃなくて、頭に「もこた」しかいないので全然いいんですけど、普段は常に焦ってるんですよ。常に焦っていて、そんな時はあまり周りが見えなくなるんです。なので、常に心に余裕があって、自然体で周りを気遣える人が大人だと思います。そんな人に憧れます。
――なるほどね。ちょっとまだ乃々子さんが掴めないんですよね(笑)。
みくちゃん:掴めてないって(笑)。
――パッと見は「品行方正」で「おしとやか」なんですけど、なんかいろんな側面がありそうで…。
のんの:あぁ、そう言われますね。
――(笑)。
みくちゃん:「言われますね」の意味もわかんないんだけど(笑)。
のんの:なんか「何が本当かわからない」みたいな。
――どれが本当の自分か自分でもわからないって感じなんですか?
のんの:まぁ、家にいる時はもうダラダラ星人で。
――(笑)。
のんの:で、外に出るとシャキッてしてるので。自分でも「いろんな私がいるな」って思います。
――あぁ…。
みくちゃん:なんか怖いんだけど(笑)。
のんの:でもそうでしょ?
みくちゃん:実郁このまんまだよ?
ともちぃ:私、逆かもしれない。家の方がもっとシャキッとしてるかも…。
一同:えー?
のんの:いや、私はソファーでこんなだよ。ソファーでこんなだけど。
ともちぃ:いや、なんか家にいる時の方がやることがいっぱいあるから。
のんの:こんなだよ。
ともちぃ:そんなのはしないけど。
むうたん:それ、体勢の問題だから。
のんの:そういう問題。
むうたん:体勢の問題。
みくちゃん:体勢の問題。
のんの:体勢は…。
みくちゃん:友さんは「気持ちの問題」でしょ?
ともちぃ:いや違う。やってることが「ちょっと大人だな」って自分で思ってる。家に帰ってからのルーティンが決まってるのね。朝と夜しか家にいないから、ただただそれをやって、寝るしかないの。だから「シャキシャキしてるな」って思う。
むうたん:でも、ともちぃはさ、今もシャキシャキしてるよ。外でもシャキシャキしてるの。
のんの:うん、してる。
ともちぃ:いや、してないよ。
むうたん:どっちもシャキシャキじゃない?
のんの:シャキシャキ。
ともちぃ:え、してないよ。
のんの:(小声で)シャキシャキサラダだから。
みくちゃん:えぇ、ちょっとやめてよ。
むうたん:石川さん全然喋ってこない(笑)。
――「僕、今“りゅ~すとり~む”見てる?」って思いながら眺めてました(笑)。
みくちゃん:完全にこっち側だけでやってました(笑)。
――でも、だんだん掴めてきましたよ。今“りゅ~すとり~む”を見ていて(笑)。では、「素敵にあこがれて」の歌詞についてもう少しお訊きします。「無理したオシャレじゃ意味ない」って一行があるじゃないですか?皆さんは「オシャレ」ですよね?
みくちゃん:いや、オシャレじゃないです。
むうたん:じゃないです。
ともちぃ:「ダサい」って言われる方です。
のんの:「イモっぽい」って言われます。
ともちぃ:はい。
――え?今っぽい?
のんの:「イモ」です。
みくちゃん:ポテト。
一同:(笑)
――誰がそんなこと言うんですか?
のんの:マネージャーさん(笑)。
一同:(笑)。
のんの:でもたしかに、東京さんに行って東京さんのアイドルさんに会うと「都会っ子だな」「すごいな」って思います。
むうたん:なんか服装に都会感がある。
――へー、やはり違いますか。
むうたん:はい。新潟は「新潟っぽい」っていうか…。
のんの:だから東京さんでアイドルさん見ると、なんか「私もオシャレ頑張らないとな」って思うんですけど、新潟に帰ってくると忘れてます(笑)。
――(笑)。でも、その辺りは磨いていこうとしてるわけですよね?
みくちゃん:まあ、そうですね
ともちぃ:磨きたいです。
――どういうふうに磨いていこうとしてるんですか?何か努力していることはありますか?
のんの:雑誌を見たりとか…。でも、このあいだ「ちょっと大人だな」って思ったんですが、むうたんがイヤリングさんをしてて…。
むうたん:え?
ともちぃ:いつ?
のんの:いや、いつだっけ?
むうたん:だいぶ昔じゃない?最近あんまりしてない。
ともちぃ:え、いつ?
のんの:先月ぐらい?
ともちぃ:え?私知ってる?
のんの:ううん。私しか会ってない気がする。「可愛いな」って思って。
みくちゃん:イヤリングなんてしてたの???(笑)
のんの:似合ってたの。
むうたん:一日だけしかしてないけど…。
のんの:そんな重要な一日があったんですよ。その日、私、むうたんと会ってて。で、なんか、むうたんが大人っぽかったんです。で、「可愛いな」と思ったのを憶えてます。
――夢羽さん、何かあったんですか???
むうたん:買ったばかりで、一度付けてみたんです。でも、もう付けないです。
ともちぃ:耳が痛くなる?
むうたん:耳が痛くなるので…。気分とか服装に合わせたとかではなかったんですけど、ただ、新しく買ったから付けようって思って、一回だけ付けたんです。一回しか見てないでしょ?
のんの:一回しか見てない。
むうたん:もう付けてないです。
――何か“勝負した”わけじゃないんですか?
むうたん:全然違います。全然何も。もうしないです、耳痛いので。
――もうしないんですか。
むうたん:しないです。
――ちょっと今、仕草が大人っぽかったです。
みくちゃん:髪をね、かき上げる感じが。
のんの:確かに、大人っぽかった。
――あと「言葉遣いも気をつけて」っていう歌詞がありますよね?皆さん、言葉遣いはお得意ですよね?
一同:はい。
のんの:鍛えられました。
――丁寧な言葉にはもう定評がありますよね。あらゆることに「さん」をつけて…。
ともちぃ:「さん」をつけ過ぎてわかりづらいとは思いますけど(笑)。
――でも、最近ちょっと少なくなってませんか?
ともちぃ:そうなんですよ。
のんの:そうですよね。
ともちぃ:つけ過ぎてた時期があったんです。「さん」にしか耳が行かなくなって何言ってるかわからない、って言われることもあって…。
みくちゃん:告知とかする時に、「さん」をつけるとファンの方にちゃんと伝わらないんですよ。
――(笑)。
むうたん:「なんとかさん」「なんとかさん」みたいになって…。
ともちぃ:お客さんも「いつさんが来るか?」みたいな、そういう「待ち」みたいになっちゃって。
むうたん:そう。
ともちぃ:なので、ちょっと最近は抑えるようになりました。
――自重してるわけですね。
みくちゃん:メンバーで「これって“さん”いるかな?」「いらないかな?」みたいな話を一回してから告知するようにしてます。
――苦労があるわけですね。あと「ハートにお化粧し過ぎちゃ見えない」とか「ファンデーションの塗り過ぎに注意」といった詞があるじゃないですか。
一同:はい。
――皆さん、お化粧はしないですよね?
みくちゃん:ハートにお化粧ですか?
――いや、実際のお化粧なんですけど。
ともちぃ:普段はします。
むうたん:します。
のんの:します。
みくちゃん:しないです。
ともちぃ:家にいる時はしないです。外に出る時はちょっと。
のんの:します。
みくちゃん:全くしないや…。
むうたん:高校生だからね。
みくちゃん:高校生だから、メイクしないで素顔で歩いてます。
――さすが、素顔でもいけるんですよね。
みくちゃん:メイクするのがめんどくさいので(笑)。
――でも、メイク時間がないわりには朝遅刻するんですよね?(笑)。
一同:(笑)。
みくちゃん:何回言うんですか、石川さん!
――すみません。今ちょっとスキがあったので(笑)。
のんの:おもしろい。
みくちゃん:「おもしろい」じゃないから。
切り替えがすごいですよね、「ワーイ!」「ありがとうございました」みたいな(むうたん)
――「バ・バ・バカンス!」ですが、これはラテンですよね?
一同:はい。
――皆さん、ラテンって初めてですか?
みくちゃん:そうですね。
むうたん:初めてだよね?
のんの:でも「あっつっつ!」は…。
ともちぃ:「あっつっつ!」っていう曲は少しラテンかもしれないです。
――あぁ、そういえば…。
ともちぃ:あれの“すごい版”。
――では、本格的にラテンをやるのは初めてに近いということですよね。やってみてどうですか?
むうたん:難しい…。
みくちゃん:曲としては「素敵にあこがれて」が一番難しかったですが、表情づけはこの曲が一番難しかったです。いかにワチャワチャ感を出すかとか、オケに負けずに盛り上がりを出すかとか、表情を乗せていくかとか、が大変でした。結構つけてるつもりで歌っても、オケに混ざるとすごく普通に聴こえちゃうんですよ。
――なるほど。
ともちぃ:レコーディングだと半分ぐらいに縮小しちゃって…。すごくつけたつもりでも聴いてみたら半分ぐらいになってたりとか…。そのあとに修正とかも入るので、もう消えちゃうんですよ。
みくちゃん:人に伝えるためには、100%じゃなくて120%やらないとだめなんだな、そうしないと自分の中で止まっちゃうんだなって、この曲ですごい感じました。
――表現するには思ってる以上にやらないと、ということなんですね。
ともちぃ:あらゆる技術を使って歌わないと。
みくちゃん:「声」って見えないじゃないですか。声だけだと「笑ってる」とか「盛り上がってる」っていうのがなかなか伝わらないんですよね。
ともちぃ:気持ちだけだと全然伝わらない。
――なるほど。気持ちが十分すぎるぐらい歌に乗って、なおかつ技術も駆使しないと、と。
一同:難しい。
ともちぃ:でもすごく楽しかったです、レコーディング。
むうたん:もう、はしゃいで踊ってました。
のんの:ノリノリで。
みくちゃん:この曲を作ってくださったmicrostarの佐藤清喜さんがレコーディングにいらしたんです。
――新潟までいらっしゃったんですね。
みくちゃん:そうなんです。
ともちぃ:レコーディングでは間奏のガヤをやったんです。みんなでブースに入ってやりました。
みくちゃん:もともとベースがあったんですが、「やっぱりメンバーの声を足そう」ってなって…。
ともちぃ:楽しかった!
むうたん:みんな一番はしゃいでたよね、あの時が。
ともちぃ:そうだね。
むうたん:ソロの歌を録る時よりもはしゃいでた気がします(笑)。
のんの:ジャンプしたり手を繋いだりいろいろして。テンションマックスで録ってました。
――ひとしきりそういうのをやって、終わったあとに「ありがとうございました」と。
一同:そうです。
みくちゃん:ガヤを録り終えた後にそのまま「ありがとうございました」って言って…それがああいう風に残ったんですよ。
ともちぃ:なので「こうする」っていう風にしたわけじゃなくって、たまたま出来たんです。
むうたん:切り替えがすごいですよね、「ワーイ!」「ありがとうございました」みたいな。
――確かに。でも、すごく“礼儀正しいグループ”ですね。
一同:(笑)
――で、皆さんの歌声もハーモニーも、そしてルックスも佇まいとかも、ものすごく素敵なんですが…
一同:あ、ありがとうございます(笑)。
――この曲では唯一の“弱点”が出てるんですよ。
一同:お!?
――弱点を発見したんです。さて何でしょう?
むうたん:弱点?
――はい。
ともちぃ:えーっ?
のんの:何だろう?
みくちゃん:「まだちょっと恥ずかしさが残ってる」とかですか?
――え~?残ってますか?はしゃぎ切れなかったとかですか?
みくちゃん:いや、全然そんなことはないです。
――そんな感じはなかったと思います。
のんの:みんなの声が似てる!
――ハーモニーを作る上ではそれは弱点じゃなくて、むしろ利点だと思います。それに皆さん、声に多彩な表情をつけることができますので…。
ともちぃ:弱点…。
のんの:う~ん…。
みくちゃん:個性がない!(笑)
――アハハハ。個性がない!?ありますよ!すごくあります!
むうたん:なんだろう。全然わからない…。
――わからないですか?もう「弱点はない」と思ってますか?
みくちゃん:それで「ない」って言うのもなんか嫌だ…。
むうたん:ヒントください!
――ヒント?ヒントですか。ヒント…。歌詞を見るとわかります。もうそこだけ明らかに…。
むうたん:そこだけ明らかに?
――はい。
ともちぃ:英語?
――おぉ!当たりです(笑)。
むうたん:おぉ!
のんの:あぁ、英語かぁ!
――英語の発音です。
むうたん:あー。
ともちぃ:でも、あれはわざとです!
――わざとですか?
一同:(笑)。
――いや、正直「わざとかな?」とも思ったんですよ。
ともちぃ:なんか、仮歌は結構英語っぽく歌われてたんですけど、レコーディングの時に「あんまり英語っぽく歌わないで」っていわれまして…。
――あぁ、やはり。
ともちぃ:そうなりました。
――なるほど。弱点じゃなかったわけですね?
みくちゃん:敢えてです、敢えて。
――敢えてですよね。なので本格的に発音しようと思えば出来たわけですよね?
ともちぃ:まあ、そうですね(笑)。
むうたん:やってみて!
のんお:本格的バージョン、今日だけ。
みくちゃん:はい、どうぞ。
ともちぃ:I’ve got you under my skin !
――本格派ですね!いや、でも、“後出しジャンケン”みたいですが、本当に「敢えてやってるかな?」と思ってたんですよ。“弱点”と言っておいて、あとで“フォロー”じゃないや(笑)、「そこにすごく味がある」「むしろこっちの発音の方がいい」という流れにしようと思っていたので…。
むうたん:カタカナっぽく、カタカナ英語みたいな感じで歌ったんです。
――はい。そのノリが可愛らしいです。
のんの:よかったです。
ともちぃ:敢えてでした。
――さすがですね。弱点ないですね。
みくちゃん:よかった!
――では、そろそろ時間もなくなってきましたので、最後にこのシングルの聴きどころをお一人ずつ言っていただけますでしょうか。
むうたん:聴きどころですか。迷うなぁ…。全部聴きどころなんですが…。「バ・バ・バカンス!」は結構はっちゃけていて、みんなノリノリで歌ってて…。皆さん驚くかもしれませんが、みんな弾けてて面白いのでたくさん聴いて欲しいなって思います。私たちのいろんな表情を。
――演じてるRYUTistを、ですね?
むうたん:演じてますね。
ともちぃ:3曲とも違った味なので、どれもたくさん聴いて欲しいなって思います。特に私は「素敵にあこがれて」。私の中でこの曲は「自分のために作られた曲だ」と思っているので、たくさん聴いてください。
みくちゃん:私は1曲目の「センシティブサイン」。先ほど「4月の敏感な時期の曲」「モヤモヤする時期の曲」ってお話させていただきましたが、リリースも4月23日で、曲の内容とリリースする時期がリンクしてるので、皆さん聴く時に自分のモヤモヤとかに重ねながら聴いていただけるのかなって思います。新しい生活を始めた皆さんへの“素敵な応援ソング”になるかなって。ぜひそういうふうに聴いていただきたいです。
――では最後に、乃々子さん。
のんの:このシングルは、「センシティブサイン」から「バ・バ・バカンス!」まで、ちょうど春から夏にかけての時期にピッタリだと思うので、外でお散歩しながら聴いたりとか、「バ・バ・バカンス!」はみんなで海に行った時に聴いたりとか、そういう景色やシチュエーションに合わせて聴いていただきたいなって思います。そして「素敵にあこがれて」では、歌詞にメンバーのことが書かれていて、この曲で私たちのことを知っていただけると思うので、「RYUTistってこういう子たちなんだ」って思いながら聴いていただけると嬉しいです。
みくちゃん:逆に、めっちゃ落ち込んでる時に「バ・バ・バカンス!」を聴いてテンション上げるとかもアリかなって。
ともちぃ:「なんかRYUTistやってんな」みたいな感じで聴いていただければ、気分も上がるかもしれないですね。
みくちゃん:これだけはっちゃけたら、悩んでいることも「どうでも良くなってきた」って思えるかもしれません。「いつか泡になって 溶けてもいいわ」って歌ってるぐらいなので。「楽しい曲だから楽しい時に」だけじゃなくて、皆さんが落ち込んだ時に気分を上げる曲としても聴いていただきたいなと思います。
(取材・文:石川真男)
RYUTist ライブ情報
【RYUTist presents 「 HI, HOW ARE YOU with tipToe. & nuance」】
会場:LiveHouse柳都SHOW!CASE!!(新潟県新潟市中央区古町通7番町997番)
( http://ryuto-af.co.jp/)
日程:2019年5月26日(日)
時間:開場12:15 – 開演13:00
出演:tipToe. / nuance / RYUTist
チケット:前売3,000円(税込) – 当日3,500円(税込)
※入場時、別途ドリンク代が必要となります。
〈チケット受付〉
ローソンチケット
0570-084-003
<受付URL> https://l-tike.com/order/?gLcode=72246
<Lコード>72246
【RYUTist presents 「 HI, HOW ARE YOU with SOLEIL 」】
会場:新宿MARZ(新宿区歌舞伎町2-45-1第1トキワビルB1F)
(http://www.marz.jp/)
日程:2019年6月1日(土)
時間:開場 18:00- 開演 18:45
出演:RYUTist / SOLEIL
料金:前売 3,000円(税込) / 当日3,500円(税込)
※入場時、別途ドリンク代が必要となります。
〈チケット受付〉
e+(イープラス)
<受付URL> https://eplus.jp/sf/detail/2921400001-P0030001P021001?P1=1221
【RYUTist HOME LIVE~8th Anniversary@SHIBUYA CLUB QUATTRO~】
会場:SHIBUYA CLUB QUATTRO(東京都渋谷区宇田川町32−134・5F)
(https://www.club-quattro.com/shibuya/)
日程:2019年8月11日(日)
時間:開場15:00 – 開演16:00
出演:RYUTist
チケット:全席自由 3,800円(税込)
※入場時、ドリンク代別途必要となります。
〈チケット受付〉
・電子チケットぴあ
0570-02-9999
<受付URL>http://w.pia.jp/t/ryutist-8th/
<Pコード>147-905
・ローソンチケット
0570-084-003
<受付URL> https://l-tike.com/ryutist
<Lコード>74258
・e+(イープラス)
<受付URL> https://eplus.jp/ryutist-19/
RYUTist 商品情報
「センシティブサイン」
発売日:2019年4月23日(火)
価格:1,000 円+税
レーベル:PENGUIN DISC
品番:PGDC-0010
収録曲:
M1.センシティブサイン 作詞・作編曲:シンリズム
M2.素敵にあこがれて 作詞・作編曲:佐藤望
M3.バ・バ・バカンス! 作詞:飯泉裕子/作編曲:佐藤清喜/Horn Arrange:佐藤清喜・三橋俊哉
RYUTist プロフィール
2011 年 5 月に行った「アイドルユニットオーディション」で選ばれたメンバーによって結成。
2016 年 4 月 23 日に横山実郁を加えて再始動。
新潟市を表す「柳都( りゅうと)」という言葉に、「アーティスト」を加え、「新潟のアーティスト」と いう意味を込めて「RYUTist」と名付けました。 メンバーはリーダーの佐藤乃々子、宇野友恵、五十嵐夢羽、横山実郁の 4 人組で、全員が新潟生まれ 新潟育ちです。
新潟市古町 7 番町「LIVEHOUSE 新潟 SHOW!CASE!!」を中心にライブ活動を行っています。その他、全 国各地の各種イベントにも出演しています。
メンバー プロフィール
佐藤 乃々子(さとう ののこ)
誕生日:11月24日
イメージカラー:イエロー
新潟の好きなところ:食べ物がすごく美味しいところ
新潟の好きな食べ物:のっぺ
宇野 友恵(うの ともえ)
誕生日:4月1日
イメージカラー:ピンク
新潟の好きなところ:山、海、川があって、四季がはっきりしてるところ!
新潟の好きな食べ物:新潟タレカツ丼
五十嵐 夢羽(いからし むう)
誕生日:1月5日
イメージカラー:グリーン
新潟の好きなところ:かわいいゆるキャラさんがたくさんいるところ
新潟の好きな食べ物:佐渡天然ブリカツ丼、新潟タレカツ丼、鯛茶漬け
横山 実郁(よこやま みく)
誕生日:11月24日
イメージカラー:ブルー
新潟の好きなところ:景色がきれい!、おいしいものがたくさん、長岡花火
新潟の好きな食べ物:お魚、お米、ラーメン、イタリアン、ぽっぽ焼き
公式サイト
http://ryutist.jp/
公式ツイッター
@RYUTist_info
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