J☆Dee’Z|成し遂げた人が歌う応援ソングじゃなくて、まだまだ掴みたいものがたくさんある私たちが、一緒に走りたいという気持ちを込めて歌っているんです

J☆Dee’Z|成し遂げた人が歌う応援ソングじゃなくて、まだまだ掴みたいものがたくさんある私たちが、一緒に走りたいという気持ちを込めて歌っているんです

インタヴューの冒頭から“疑いにかかって”いるが、ステージ上の彼女たちは本当に“平均年齢17歳”には見えない。例えば今年3月に行われたワンマンライブ。3人の声が清澄な響きを伴って重なり合うアカペラに始まり、続いて各々がストンプで腕利きミュージシャンたちと掛け合いを行なったかと思えば、やがて力強い生歌でフルバンドと互角以上に渡り合う。ローティーンの頃からこのグループを始め、その長い活動期間を通して酸いも甘い噛み分けてきたとはいえ、この威風堂々たるパフォーマンスを見るにつけ、やはり“平均年齢17歳”とは俄かに信じがたい。

いや、同系統のガールズグループを見渡せば、個々人では彼女たちより上手いシンガーを見つけ出すことは可能だろう。彼女たちより上手いダンサーもいるだろう。だが、メンバーのボーカルやダンス、ステージング、表現力などのスキルの平均値、あるいはグループの総合力という点では、彼女たちを越える同系統のガールズグループはなかなかいないのではないだろうか。

また、昨今のこうしたガールズグループは、ファンクやディスコ、パンクやニューウェイヴ、グランジやラウドロック、ポストロックやプログレなど特定のジャンルを打ち出すことでその“特異性”をアピールし、また洋楽的要素を取り入れることでその音楽性の高さを担保する、という“戦略”をとるケースが少なくない。

だがJ☆Dee’Zの場合、そのアプローチは少々異なる。このグループのサウンドは、概ね“ダンス・ミュージック”と言えるかもしれないが、特定のジャンルやアーティストに大きく寄ったようなものはない。いや、実際ジェームス・ブラウンを想起させるファンクや、モータウンビートを配したレトロなポップンソウル、あるいは80年代ディスコ風トラックなど、アーティストやジャンルを意識したものはいくらかあるが、いずれもが、言うなれば“J-POP”に、さらに言えば“J☆Dee’Zサウンド”に巧みに落とし込まれている。そういう意味では、特定の色に染まっておらず、サウンド的には“自由”だ。

それはすなわち、サウンド自体には“色”は塗らず、3人の高い技量によってそこに“色”を施させよう、というのがこのグループのコンセプトなのではないだろうか。いや、さらに言うならば、“サウンドの色”というよりも、3人の上質のスキルによって描き出される“メッセージ”こそがこのグループの表現の核なのではないだろうか。ゆえにサウンドに過度な色彩は施されず、そのことこそがJ☆Dee’ZをJ☆Dee’Zたらしめているのだ。

2010年にキッズダンスグループとして始動し、やがてボーカル&ダンスグループへと進化。2014年に「Beasty Girls/Let the music flow」でメジャーデビュー。その後も紆余曲折を経ながら研鑽を積んできた。そして8周年を迎えた今年。8枚目となるシングル「未来飛行/流星のパノラマ』をリリース。表題曲「未来飛行」は、サウンド的には8ビートロックを基調に「抑制~解放」という音像の転換で聴かせるナンバーだ。シンプルであるがゆえに、彼女たちのボーカルがニュアンス豊かに響き、そのメッセージが大きな説得力を帯びる。もう一つの表題曲「流星のパノラマ」では、ハウス/エレクトロの影響が色濃いJ-POP風トラックの上で、ロマンティックな恋心が歌われている。いずれも、その真に迫るボーカルの表現力が秀逸だ。

そんな充実作をリリースしたJ☆Dee’Zの3人、Nono、ami、MOMOKAにグループの歴史や魅力、そして最新シングル、さらには3年ぶりとなる東名阪ツアーなどについて伺った。

仕事となると大人っぽく見られるんですけど、オフになったら“結成当時の歳ぐらい”に戻ります(笑)(Nono)

――「平均年齢17歳、本格派ボーカル&ダンスグループ」と資料にありますが、え~、これはまさか…古いデータじゃないですよね??? 数年前の。

ami:え? 古くないです。

――本当に平均17歳ですか? 17歳に見えないですよね??。

ami:あぁ~、よく驚かれますね。

MOMOKA:そうですね。「10代に見えない」と言われることもありますし、結成が随分と昔なので「え? 今17歳? あの時も10代だったと思うけど、まだ10代なんだ!」と言われることが結構ありますすね。

――お2人は高校生。

ami:私は高校3年生です。

Nono:私は2年です。

――MOMOKAさんは今年高校を卒業されたんですよね。

MOMOKA:はい。

――ライブを拝見すると、ステージ上では堂々とされていて17歳に全然見えないですよね。で、こうやってお会いすると「やっぱり年相応かな」と思うパターンが多いんですけど、皆さんの場合、やはり平均17歳には見えないです。

ami:そうですか???そうなんだ!

――大人っぽいですよね。このデータ、本当間違っていないですよね???

Nono:間違っていないです! 真実です! 信じてください(笑)。でも、メンバー全員そうなんですけど、オンとオフのギャップがすごくて…。今はオンなんですけど…。こうして仕事となると大人っぽく見られるんですけど、オフになったら“結成当時の歳ぐらい”に戻ります(笑)。

MOMOKA:幼稚園生みたいな(笑)。

――結成というと8年前の??。

Nono:はい。「ワーッ!」みたいな(笑)。そのギャップが激しいですね。

――ひとつ確認しておきたいんですが、3月のワンマンの時、MCでamiさんが「夜に駅のホームで3人で集まって~」とおっしゃってましたよね? あれはデビューの前日だったんですか。

ami:そうですね。メジャーデビューの前日です。

――それは「ポケモンで踊ろう with J☆Dee’Z」ですか。

MOMOKA:いえ、「Beasty Girls/Let the music flow」ですね。

――「Beasty Girls/Let the music flow」がメジャーデビューなんですね。

ami:そうですね。「ポケモン~」はデビュー前ということになりますね。

MOMOKA:結成してから8年経って、今9年目なんですけど、デビューしてからは4年です。

――なるほど、デビューが「Beasty Girls/Let the music flow」で、結成は2010年ですよね。

MOMOKA:なので、デビューまでに4年くらい間がありますね。

――分かりました。それまでの約4年は、“ダンスグループ”という感じだったんですよね。

Nono:そうですね。

――その時って、どんな活動をされていたんですか。

MOMOKA:例えば、キッズダンスのコンテストがあって、そのゲストダンサーとして出演したりしていました。5分くらいのショーケースで踊ってましたね。それが土日にあったとしたら、その前にちょっと集まって練習したりもしていました。あとは雑誌のモデルもやらせていただいていたので、その撮影があったり…。みんなダンススクール通っていたりとか、他の活動もやったりしてましたね。

ami:出身も違うので、なかなか集まれなくて…。私は兵庫県ですし…。それぞれ別のダンススクールに通いながら、週末に集まってイベントに出たり、練習をしたり、というような感じです。

――ダンスグループだった時は、どういう音楽で踊ってたんですか。

MOMOKA:ケシャさんとか、クリスティーナ・アギレラさんとか、あと、ケイティ・ペリーさんとか。

ami:あとはリアーナさんとかですね。

――バリバリの洋楽ですね。個人的にはどんな音楽から影響を受けました? どういう音楽が好きでした?

ami:私は安室奈美恵さんをずっと聴いていて、ダンスを始めた当時も、歌って踊れるカッコいい女性の代表みたいな感じだったので、ずっと安室奈美恵さんを聴きながら、ダンスを練習していました。

――ということは歌いたかった。

ami:いえ、あの時は歌うことは考えていなくて、ダンスだけが好きでした。ダンサー目線で安室奈美恵さんがカッコいいなって思ってました。

――Nonoさんはどうですか。

Nono:私がTLCさんとかブルーノ・マーズさんをよく聴いてました。

――ブルーノ・マーズって結構最近ですよね。

Nono:そうですね。ブルーノ・マーズさんは小6ぐらいですかね。

――そうか…。まだ17歳ですもんね。MOMOKAさんはどうですか。

MOMOKA:私も洋楽は聴いていました。家族が聴いている曲を一緒に聴いたりしていましたし、ダンスのレッスンで使った曲を聴いたりとか。あと、邦楽も聴いていました。J☆Dee’Zの前にも、ちょっとしたダンス&ボーカルグループみたいなのをやっていたので、歌をやりたいという気持ちは芽生え始めていたと思います。

――それは別のグループですか。

MOMOKA:ダンススクールの中で何人か集めてやるみたいな“企画”としてやってました。そんなのやってたな、っていうのは最近思い出したんですけど(笑)。本当に何回かしかステージには立っていなくて、レコーディングも一応したんですけど、全然活動していなくて、解散も結成とかもなくて、出る場所があればステージに立つという感じでした。でも、そういう活動があったので、歌って踊ることには興味を抱いていました。

なんかある意味“2000年問題”みたいな感じなのかなって…(MOMOKA)

――「ダンス・グループ”から“ボーカル&ダンス・グループ”になった、つまり踊りながら歌うようになったのが、「LOTTE × Sony Music 歌のあるガムプロジェクト 2012」というオーディションがきっかけとのこと。で、8,000組の中からグランプリを獲ったんですよね。

ami:はい、そうです。

――ある意味、今のJ☆Dee’Zの原点はそこにあるわけですよね。

Nono:そうです。

――どうですか? 歌うことになって。

ami:最初はダンスだけに興味があったのですが、歌もダンスも含めた音楽自体すごく好きだったので、歌えることになってよかったと思いました。

MOMOKA:表現の幅が広がった感じはしましたね。J☆Dee’Zが踊っていた曲って洋楽ばかりだったんですが、日本語で自分たちもちゃんと意味を理解した上で伝えることができるのは、また違った“表現”だなって思って、すごい新鮮でした。ダンスだけをやっていた時は、歌詞の意味はそんなに理解することなく、自分たちのコンセプトの中で踊っていただけ、という感じだったんですけど、歌によって言葉を自分たちから伝えることになったので、そこがやはり今に繋がる原点かなと思います。

――他のアーティストの歌で踊るだけではなく「自分たちで表現したい」という気持ちもあり、それが叶うことになったということですね。

MOMOKA:そうですね。

――そこから「Beasty Girls/Let the music flow」でデビューということになります。約4年掛かりました。これ、振り返ってみると「時間が掛かったな」という風に見えちゃうんでが、皆さんとしてどうですか?

Nono:もともとデビューするために結成されたグループではなくて、本当にダンスが好きで集まったグループという感じだったんです。たまたまオーディションがあったから「受けよう」ってことになって、そこから歌を始めたような感じだったので…。結成してから4年間は「デビューしよう」と思っていたわけではなかったんですよね。なので、そこまで長いという感じはしなかったですね。

ami:当時は「デビューって何なんだろう?」というのがまずあって…。「デビューという何か“もの”が貰えるのか」「デビューというなんか記念日が生まれるのか」といった感じで、そのこと自体がよく分かっていなかったんですけど…。

――その頃はお幾つだったんでしたっけ…?

Nono:小6? 中1?

MOMOKA:中1、中2、中3でした。

ami:でも、デビューということの重みとか、「何かが変わるんだ」「変わらなきゃいけないんだ」という気持ちは小さいながらも持っていたので、デビューの前日の夜に急に何か心細くなって、みんなで離れたくなくなって、駅の隅っこで泣いてしまう、みたいな(笑)。その当時、状況を100パーセント理解をしていないし、よく分からないままでしたけど、でも、今のままじゃ駄目だという気持ちは強かったですね。デビューをきっかけに変わりたいなという気持ちが芽生えたのは覚えています。

――あのMCでおっしゃていたエピソードですね。「デビューって何だ?」ということについは、「何かすごいことが起こるんだ」ということを感じ取っていたのかなと思うんですけど、でも、「今のままじゃ駄目だ」というある種の葛藤というか、「何かやらなきゃいけない」というある種の焦りのようなものも感じていた、と。

ami:そうですね。不安でした。でも、何か未知なものが起こるということに少しワクワクもしていましたし、多分いろんな感情が入り混じっていて、自分では整理しきれなくなって、みんなで涙した、って感じでしたね。

MOMOKA:なんかある意味“2000年問題”みたいな感じなのかなって…。

ami:え?そうなの?(笑)

MOMOKA:今思ったんですけど、感覚的な意味で。自分たちは何か不安だし、何かに怯えている気持ちはあるけど、でも、それを迎えなきゃいけない日は絶対来る。そういった点で似ているなと。2001年に生まれているので、実際にそのことは分からないんですけどね(笑)。今まで聞いた話とか、自分が知識として知っている2000年問題とすごく重なるなと思いました。

――2000年問題と言っておきながら、2000年にはまだこの世にいなかったわけなんですね(笑)。

MOMOKA:すいません(笑)。でも、それをすごく感じました。

――2000年越えるときも結局何もなかったですもんね。

MOMOKA:ですよね。だから、それと同じだなと思って。あとは、自分が知っているアーティストの人たちと同じ土俵に立つんだよというのを、大人の方たちにすごく言われました。同じ土俵に、って…。

ami:憧れじゃなくてね。

MOMOKA:そう、憧れだった人たちと同じ土俵に立つというか…。CDショップに自分たちの名前が並ぶというのもそうですし、「なんかちょっと予想したいけどできない」みたいな気持ちでした。

ami:実感はなかったね。

Nono:そうだね。

3人になるということはメンバーが1人いなくなるという単純なことではなくて、もう一度0から始めなきゃいけないんだ、と(ami)

――2016年11月14日からこの3人になったんですよね。

ami:はい。

――ある意味そこも新たなスタートといいますか、今の一つの原点といいますか。やっぱりそこからも気持ちって変わりました。

一同:はい!

MOMOKA:めっちゃ変わったよね?

Nono:そうだね~。3人になってからハーモニーを作ることも本格的に始めましたし、曲調も大きく変わっていたので、そこからまた新しい気持ちになりましたね。

MOMOKA:6年一緒にやっていたメンバーがいなくなる……当たり前にいた人と一緒にステージに立たなくなるということも大きかったんですが、3人になってからお客さんが減った気もして、どんどん不安になっている時期もありました。でも、その中でも結構自分たちの曲に助けられたりしましたね。「今頑張らなくてどうするの?」みたいな。みんなでもう一度基礎からやり直したりとかしましたし、もちろん3人用の振付けとか歌割りも変えなきゃいけなくなったので、そういうこともやりながら、自分たちの心を落ち着けようとしていたのを思い出しました。

――資料には「ボーカル力を重点的に鍛え直した」という記述もあったんですけど、具体的にどんなことをしたんですか。

ami:そうですね。みんなで合宿をしました。カバー曲を何曲か選んで、「1週間に4曲仕上げよう」みたいな課題を自分たちに課して…。それとは別に、ダンス曲も1曲選んで自分たちで振付けを作ったり、ソロ曲もやったり…。3人で一つのものを作るというのはどういうことなのか、というのを体感するようにしました。まずは自分たちの身体に慣れさせなきゃいけないですし、頭でも理解しなきゃいけないので…。それまでは「ハモリって何?」「そもそも全員が違うことを歌って成立するのか?」ぐらいの知識だったんですが、合宿をすることで、全く違うものを歌っているけどそれが一つになる、というのがどういう感覚なのかわかってきたというか…。「今の音ちょっと“ビビッ”て来たよね」「いい感じだったよね」という感覚が掴めるようになったので、みんなで毎日、朝から夜まで集まって練習をして、合間にライブをやって…。その時に「3人になってからのライブのスタイルはどうすればいいのか」というのをいろいろ話し合ったりしました。なんかその頃からだよね、毎日一緒にいるようになったのは。

Nono:そこからだね。

ami:3人になるということはメンバーが1人いなくなるという単純なことではなくて、もう一度0から始めなきゃいけないんだ、ということを実感しました。0だから観に来てくださる方の人数が減るのも覚悟してましたし、自分たち自身でハーモニーを始めることによって、今までやってきたスタイルとは違うものを観せることになるので、不安もありましたし…。不安要素の方が大きかったですね、その当時は。なので、それをみんなでどう乗り切るかということで話し合いましたし、その時にそういう習慣が付きました。

――通常メジャーデビューするぐらいのグループならば、ダンスやボイトレの先生がいて、「こういう風にして」「ああいいう風にして」といった指導があるとイメージしちゃうんですけど、結構皆さんだけでいろいろ話し合ってやっていたわけですね。もちろんボイトレの先生とかもいらっしゃったと思うんですけど…。

Nono:そうですね。自分たちで結論を出して、ボイトレの先生などに「どう思いますか?」とか聞いたりして。そうやって2つの案を比較して、どっちが向いているのかを選んだりとか、“いい所取り”してました。

ami:まず一回自分たちで考える、というのをやっていましたね。

MOMOKA:でも、それは昔からの習慣ではなく、3人になってから始まったことなんです。以前は、小さかったこともあるんですけど、自分たちで判断するよりも、周りのスタッフさんたちに助けてもらったり決めてもらったりすることが多かったので…。そこから自分たちも「もっとしっかりしないといけないな」と意識するようになりました。練習とかも、言われたことをやるんじゃなくて、自分たちで「こういう練習がいい」とか「この練習方法がいいよね」とか言いながら、先生たちとも相談して自主的にやるようになりました。

――じゃあ、皆さんの中からクリエイティビティというものが湧き出てきた時期でもあるんですね。

ami:今思えばそうですけど、あの時はただ怖かったというか…。自分たちがやろうとしているハーモニーのレベルはここというのが分かってるのに、日々練習しても自分たちのレベルが上がらないもどかしさを感じていて…。話し合っても話し合っても結論が出ない、というのを何度も何度も繰り返していた時期なので、怖さの方が大きかったですね。合宿でも、ぶつかり合うこともたくさんありましたし。

MOMOKA:結構ずっとピリピリして、喧嘩もしたし、というような感じでした。

――喧嘩もしていたんですね。つかみ合いとか???(笑)。

一同:いやいやいや(笑)。

ami:それはないけど(笑)。話し合っても話し合っても正解が分からなかったりすると、みんな頭がパンクしちゃって、何も見い出せず、ただただ沈黙の時間が流れたりとかしました。

――なるほど。自分にそういったクリエイティビティが芽生えてきたならば、自分がやりたいこと、自分がいいと思うことはそれぞれあった思うので、ある意味、妥協しないことでそれらがぶつかったということでしょうか。

ami:そうですね。あのときはバラバラでした。

Nono:バラバラでしたね。

――でも、そこから2年ほど経ったわけですが、先日の3月のライブでは、3人のきれいなハーモニーによるアカペラから始まりました。そこまで来たわけですよ。

ami:そうですね。

――気持ちよくハーモニーが合うポイントは見つかったということですよね。

ami:いえ、それは今もずっと磨き続けなきゃいけない課題ですし、みんなで話し合って練習をするというのは今もずっと継続していますけど…。約2年間ですが、2年間と思えないほどすごく濃い期間でしたね。

MOMOKA:確かに昔から比べてみれば、もちろん成長している部分もあると思いますし、あって欲しいなと思うんですけど、今の課題としては“百発百中”かなと思います。自分たちの中で調子いいときはハモリもうまくいくし、自分たち自身も「いいね!」と感じる波みたいなのがあるんですけど、駄目なときは本当に駄目で、「何でこんなに駄目なの」みたいな空気が流れるので、それをなくしていかなきゃいけないというか…。コーラスもそうですし、ダンスも「百発百中で完璧だね」と見ている人が感じるようなグループにならなきゃいけないと思っています。

技術的なことではなくて、「パフォーマンスをしている私たち自身が楽しむのが一番だ」ということだったんです(ami)

――ところで、ニューヨークに修行に行かれましたよね。

一同:はい。

――どれくらいの期間行かれたんですか?

ami:2泊5日です。

Nono:なので、ニューヨークにいたのは2日間。

ami:正確には、1日目着いたのが夜6時か7時ぐらいだっけ? その日は看板づくりで終わり。2日目、3日目がライブで、ずっと路上ライブやってたという感じで、最後の日、路上ライブ2日目が終わった早朝3時にホテルを出たので、滞在時間としては丸2日くらいですね。

――まさに“弾丸修行”ですね。

MOMOKA:武者修行なので(笑)。

――路上でパフォーマンスされたんですね。

ami:そうです。「Answer」という曲を朝から夜までずっとやり続けて。いろんな場所を自分たちで探して、「ここなら人が集まるんじゃないか」という場所で、スピーカーと自分たちの身体だけで…。

Nono:あと看板と。

ami:そう。着いた日の夜に頑張って作った看板! J☆Dee’Zという名前とかSNSとかが載っているような手づくり看板を立てかけて、ずっとライブしていました。

MOMOKA:段ボール買って、グリッターペンみたいなのも買って、ハサミとか持って、ホテルのロビーで作ってました。

――大人が舞台をしつらえて、「はいここでやってください」という感じではなく。

Nono:全然違います!

MOMOKA:現地のことをよく知っている方もいたので、「文房具屋さんあるから、まず文房具屋さんに行こうか」という感じで。私たちも「じゃあ行くぞ!」って。

Nono:自分たちで「どれが一番見やすい色か」とか考えて、ね。

MOMOKA:サイズとか。

Nono:看板を作ること自体、最初はそこまで予定していなかったんですけど、「やっぱり必要だな」ってなって…。

MOMOKA:移動の飛行機の中で、「これも必要だね」とか。

――ニューヨークはマンハッタンですか。

MOMOKA:マンハッタンです。ブルックリンブリッジとか。ブルックリンブリッジの真ん中の“自由の女神”側のところでやってたりとか、あと、地下鉄の中でもやりましたし、駅でもやりましたし、タイムズスクエアとか。あとは、何だっけ? 公園とかでもやりましたね。

Nono:あと、地下鉄の地上に出てくる出口の辺りの路上。

MOMOKA:改札の隣とかでも。

ami:いろんな所に行ってやって、人が集まらないと思ったらすぐ場所を変えての繰り返しでしたね。でないと2日間しかないから、その2日の間に何かを掴んで持って帰らないと、と思って…。何も成し遂げられずに2日間ただただ路上ライブをしていただけだったら、そんなの意味がない、とみんな思っていたので…。この2日の間に、それはパフォーマンス面なのか心境面なのかわからないですが、何か気付けることがあるんじゃないかと。そもそも路上ライブをしようと思ったのが、まず私たちを全く知らなくて、言葉も通じなくて、しかも、ダンスやパフォーマンスの本場であるニューヨークでどれだけ通用するのか、というのを知りたくてやったものなので…。

――え? それは自発的なものだったんですか。

MOMOKA:そうですね。クリスマスの時期にレコーディングしていて、ちょっと空き時間があったので、みんなでご飯食べながら話をしていて、そういうアイディアが出てきて…。スタッフさんも一緒にいたんですけど、その中で決まったんです。

ami:なので、「試したい」と思ってニューヨークに行ったら、もう全然“透明人間”かのようにガン無視されて、立ち止まってもくれないし、大声を出しても止まらないという状況だったので、焦りもありつつ、「みんなでどうやったら集まるんだ?」というのをずっと話し合いながら場所を探して、踊って歌って、また話し合って、場所探して、というのをやってました。

MOMOKA:でもそれは、ただ単に思いつきじゃなくて、結成してから随分経っていましたし、3人になって結構不安だったというのもあったので、「じゃあ、それ試してみようか!」ってことになり…。「大変なことだけど、それやるしかないね!」となりました。

――すごいですね。“大人”の方々もよく許してくれましたね。

ami:アハハハ

MOMOKA:そうですよね。

Nono:ホントありがたいです。

――てっきり、大人から「行ってこい」って指令が出たのかなと思ったら、自発的なものだった、と。で、結局人はたくさん集まったんですか。

MOMOKA:最初は、今さっきamiが言ってたみたいに、完全無視という感じだったんですけど、ライブを重ねていくごとに自分たちにも発見があって、「どうやったら立ち止まってもらえるのか」というのをいろいろ試したりしていくうちに、「これなら人も立ち止まる」というのが分かってきたんです。最後の最後にタイムズスクエアでやった時には私たちを囲むように人が集まってくれたんですよ。

ami:その気付いたことがすごく単純なことで…。歌のレベルを上げればいいとか、声を大きくすればいいとか、そんな技術的なことではなくて、「パフォーマンスをしている私たち自身が楽しむのが一番だ」ということだったんです。1日目はなんか本当に人が集まらなくて、その日の夜のホテルでみんなで「残り1日しかないよ、どうする?」という話をしていた時に、「もういい、もう楽しんじゃおうよ」ってなって、そんな気持ちで次の日挑んだんです。みんな振付けとか特にしなくて、「イェーイ」という感じでハイタッチしたり、ずっと楽しみながらパフォーマンスしていたら、だんだん人が見に来てくださって…。

――「自分が楽しまないと人を楽しませることはできない」みたいなことをパフォーマーがよく言うじゃないですか。でも、そうやって経験された皆さんが言うと重みが違いますね。

ami:ホントですか!? 私たちも最初はそうは思わなかったんですよね。「これ絶対改善策にはならないけど、いいよ、とりあえずやってみよう」って感じでした。

MOMOKA:ネタが尽きていた、って言ったらなんですけど、1日目いろいろ試してみて、振りも変えたし、やり方もいろいろ変えたりしたし、「回数やればいいのかな?」とか言って、同じ場所で2、3回やってみるとか、してみたんですけど…。ちょっとお客さんの方に“攻めて”みるとかもやってみたんですが、全然駄目だったから、「1回初心に戻らない?」「1回楽しむことをやってみようよ」ってやったら、「いけるかも」ってなって…。他の場所でもやってみたら、それが自分たちの感覚的にも良かったし、お客さんの感触も良かったので、「あ、これなのかな?」って思いましたね。

――タイムズスクエアで何人ぐらい集まったんですか? 通りがかりの人とかもいると思いますが。

ami:何人ぐらいだろう?

MOMOKA:何人くらいいたんだろうね? ファンの方が写真をTwitterに載せてくださっていたのかな、それを見たら、結構いたなと思いました。何人かは分からないんですけど…。

――人だかりができていたということですね。

MOMOKA:うれしかったです。

――もう怖いものなしですね!

一同:そんなことないですよ!(笑)

――でも、海外での経験もたくさんありますよね? パリや米国のサンノゼ、今年の6月にはドイツのポツダムでもライブをやられています。もう海外でのお客さんの乗せ方みたいなのはお手のものじゃないですか?

MOMOKA:いやぁ~。

ami:そんなことないですよ(笑)。

Nono:海外に行くとなると、毎回その国の言葉をめちゃめちゃ調べて、「盛り上がりましょう」とか、そういうちょっとした言葉を手の甲に書いて、現地の日本語が分かるスタッフさんに「この発音は合っていますか?」って聞いたりします。「その言い方よりもこっちの方がみんな沸くよ」とか教えてもらったりして…。

――じゃあ、ドイツ語はばっちり。

Nono:全然! 手の甲に書いていないと(笑)。

MOMOKA:やっぱり国によっても反応が全然違いますね。デビュー前に行ったパリなどはまだ何もわからないままでパフォーマンスしていましたが、今回行ったポツダムでは、「言葉を覚える」というのももちろんですし、「この国だったらどの曲がいいかな?」とか、1日目やってみて「この曲がいいな」と思ったものをもう1回やってみるとか、逆に「あまり反応よくなかったな」という曲を違うものに変えたりとか、そういうところまで自分たちで話し合ってやってますね。

――でも、すごい反響があったと資料に書いていましたけど、通じるわけですよね。音楽は。

MOMOKA:はい! 音楽ってすごいですよね!

今から何かに挑戦したいと思っている人とか今何かに挑戦している人の気持ちに寄り添うものだと思っています(ami)

――ここで改めてお聞きしたいんですけど、J☆Dee’Zって、どんな音楽をやっているグループといえるでしょうか。

Nono:自分たちは、元々ダンスグループとしてスタートしたので、デビュー当時は割とダンスミュージック色が強かったんですが、今はJ-POPというか、そういった要素も大きくなりましたね。結構疾走感ある感じがJ☆Dee’Zらしさかなと思います。

MOMOKA:今は、歌詞でいうと等身大で同世代の方へ向けた曲が多いかなと思います。学生さんの恋の歌だったり、「制服」とか「校庭」とか、学校が思い浮かぶような歌詞が多かったりもします。

――そうですよね。「学校」のイメージがありますよね。

ami:私たちも長くやっている中で、夢見ていたものや理想の自分になれなかったり、掴みたいものがなかなか掴めなかったりとか、すごくいっぱいあって…。くじけそうなことがたくさんあって、今まで何度も諦めかけたこともあって、そういう気持ちが自分自身もよくわかるので、それを歌詞に込められないかなと思っているんです。私たちの曲は、そういう同世代の人たちはもちろんですし、同世代じゃなくても、性別年齢全く関係なく、今から何かに挑戦したいと思っている人とか今何かに挑戦している人の気持ちに寄り添うものだと思っています。そんな、優しく風を送ってあげるような歌を歌いたいなと思いますね。

――おお! 僕もまさにみなさんの楽曲から「学校」とか「気持ちに寄り添う」といったことを思い浮かべました。ある意味、「大丈夫」「頑張れ」といったメッセージが込められた応援ソングでもあると思うんですが、ただ「頑張れ、頑張れ」というより、聴く人の気持ちに寄り添って、葛藤もちゃんとわかって、自分たちもそういうことを経験してきたからこそ、説得力を帯びるんじゃないでしょうか。

Nono:今回リリースしたシングル「未来飛行」の歌詞も、そういう葛藤の部分を隠さず、すごいリアルに描かれているので、共感しやすいんじゃないかと思います。

――例えば、メッセージを伝えるとなると、ある意味自分に自信がないと歌えないという側面もあるように思います。あと、そういう言葉を発することにおいて、ある種の責任のようなものも帯びてくるような…。そういった部分はどう捉えていますか。

一同:う~ん…。

Nono:そうですね。自分に置き換えたうえで、自分自身が歌詞に励まされることも多々あるので、その主人公が未来に向かってどんな風に進んでいくのかを、自分に重ね合わせながら、しっかり頭の中でイメージした上で歌うようにしています。

ami:応援ソングなんですけど、でも、上から応援してるのではなくて、私たちも同じだし、私たちもまだまだ掴みたいものはたくさんあるけどなかなか掴めなくて、というところが同じなので…。何かアドバイスをしてあげるとか、この曲で「頑張れ」と言ってあげる、とかではなくて、一緒に頑張りたいなというか…。私たちの曲で聴く人の心を動かしたいなという気持ちがあるので、そういう歌を歌いた続けたいですね。それは、成し遂げた人が歌う応援ソングじゃなくて、まだまだ掴みたいものがたくさんある私たちが、一緒に走りたいという気持ちを込めて歌っているんです。みんなで話し合う時も、自分の中でこの一行は噛み砕けないなという所があったら、みんなで話し合って、でも、これはこういう意味なんじゃないかな?というのを、いろんな角度から考えて、私たちならこの言葉はこうやって読み取るよね、という風に考えながらやっています。

――「成し遂げた人が歌う応援ソングではない」と。いいですね。

MOMOKA:今のamiの付け足しになりますが、成し遂げた人が歌う歌だったら、多分違う言葉になっているかなと思うんですよ。今の私たちの年齢だったり、現状だったり、だからこそ歌える歌詞が、J☆Dee’Zの歌にあるんじゃないかなと思っていて。そこに、同じ立場にいる自分たちからのメッセージだったり、一緒に頑張ろうという気持ちが加わることによって、今のJ☆Dee’Zになっていると思うので…。一方的なものではなく、一緒に分かち合いたいという気持ちもあるし、自分も気付けなかったところをこの曲に教えてもらったから、あなたにも聴いてもらいたい。そんな気持ちを抱きながら歌っています。

元々は転調しない予定だったんですけど、より一層意志の強さを伝えるために転調しようという、ってレコーディングの途中で決まったんです(Nono)

――では、この流れでニューシングル『未来飛行/流星のパノラマ」についてお聞きします。まずは表題曲「未来飛行」。これはどんな曲ですか。

Nono:「未来飛行」は、「Answer」(2017年3月1日リリース)の時からあった曲で、ずっとリリースせずに温めてきた曲だったので、ようやくたくさんの人の手元に届くのかと思うと、すごくうれしいです。

ami:「未来飛行」は何かを目指している中でくじけそうな時とか、壁にぶち当たった時とか、諦めかけている瞬間とかに、もう一度「自分が何でこの夢を追おうと思ったのか」「自分の本当にやりたいことは何なんだろう」ということを思い出して、突き進んでもらいたいなという曲です。私たちも長年やってきて、その気持ちを忘れず、何度も何度も思い返したながらここまでやってきたので…。それと同じように、今何かを目指そうとしている人、目指している最中の人がくじけそうになった時にこの曲を聴いてもらって、最初の気持ちを忘れずに一緒にこの曲で頑張りたいなと思って…。そういう気持ちを込めていて、敢えてマイナス面の言葉やネガティブな言葉も隠さずに歌詞に入れているので、リアリティのある曲になっています。

MOMOKA:「未来飛行」は、歌詞に意志の強さが表れていると思います。夢を持っている時って、前向きに行きたいけど行けないことが結構あると思うんですよ。私もそうです。「本当にこれは大丈夫かな?」とか「この道が合っているのかな?」って不安になることもあるんですけど、そんな状況でも「誰に何を言われても自分の道を進む」という真っ直ぐな気持ちがあれば夢への気持ちも全然変わってくると思うので、その気持ちをすごく大事にしたいと思いますし、大事にしてもらいたいとも思います。今回の「未来飛行」って、AメロやBメロは低い音程から始まるんですけど、それ以外はすごく高くなったりするんです。そんな風に自分たちの声でも表現しているかなと思いますね。高くなって、ロングトーンが多いサビで“まっすぐ感”が出たりとか、背中を押せるような歌詞になっているので、そこが聴きどころかなと思います。

――葛藤とかそういったものを低い音程で表現して、溜めて溜めて、サビのところでガーっと弾けるわけですね。

Nono:あと、サビの部分の“まっすぐ感”というのもありますし、今回は結構早い段階から、1サビからかな?フェイクが入っているんです。それによって、強さとか背中を押したいという気持ちが、より一層強く感じられるんじゃないかな、と自分では感じていますね。あと、Bメロの歌詞も「自分史上いちばんになりたくて/もがいたのに 苦しいのに/進んでいる気がしないんだ」といったリアルな言葉が綴られていて…。さっきの話に戻るんですけが、合宿中にたくさんハモリの練習をしても全然うまくなっている気がしないとか、自分たち自身も実感する部分がたくさんあるので、すごく気持ちを込めることができました。

――みなさんにとってもリアリティがあるわけですよね。空想じゃないわけで…。例えば、この詞には「進路を決める」みたいな部分もあるじゃないですか。でも、今は卒業シーズンじゃなくて、でも、もしかしたら今ぐらいが進路を決める時期だったりするんですかね。

ami:そうですね。

Nono:受験する人はきっと夏が一番勝負どきというか、一番悩む時期だと思うので、この曲を聞いて少しでも自分の気持ちを強く持って、まっすぐに進んでいって欲しいなと思います。

ami:この曲をレコーディングする際にみんなで話し合ったことは……今までは「一緒に頑張る仲間」といった感じで、誰かと一緒のストーリーが描かれることが多かったんですけど、今回は1人。1人の人間の葛藤や強さが出ている曲なんです。でも、「同じゴールじゃないけど/支えあう仲間もいる」という歌詞があるんですが、同じゴールじゃなくても、全然違う考えでも、違う方向を向いている人でも、最終的には「夢を叶えたい」という点では同じ方向を向いていると思うんですよね。私たちも3人ですけど、一人ひとり考え方は違うわけで、でも同じゴールを目指していて…。そういう意味でも、自分という個人も、3人というグループもこの曲に重ねることができると思います。

――例えば、グループとしての葛藤とかがあって、浮き沈みもあったと思うんですけど、そういう部分も重ねられると思うんですが、先ほどおっしゃったように、個人としての葛藤みたいなものも投影することができるわけですよね。例えば、Nonoさんとamiさんはまだ高校に行ってらっしゃるわけですけど、進路とかそういう部分で悩んだりすることもあると思うんですよ。そういう意味でも、グループとしても個人としても感情移入ができるわけですよね。

MOMOKA:そうですね。私は去年の今頃は進路でめちゃ悩んでいて…。いろんな考えも出てきたし、もちろん周りの人から、こういう案もあるよ、こういう案もあるよとか、すごい好意で言ってくださったんですけど、自分の中で意外とプレッシャーになってたりして…。自分が本当にやりたいこととか、将来どうなりたいかとかをよく考えた上で、今の道に進んだんですが、真っ直ぐな気持ちがないと続けてこられなかったな、と思うので、そういった気持ちがフラッシュバックしますね。去年の今頃のことを思い出します。

――レコーディング自体はいつ頃やられたんですか。

MOMOKA:デモは「Answer」の時と一緒だったんですけど、今年新たにレコーディングし直して…。それいつだったっけ? でも、結構早かったよね? 3月か4月ぐらいです。

Nono:でも、そこからフェイクとかハモリとか、「もっとこうした方が合っているんじゃないか」ということで追加レコーディングをしたりしました。

MOMOKA:曲のアレンジも最初と変わっていたりするんですよ。

――アレンジが変わったというのは、最初にあったものから、皆さんが歌を重ねるうちに、さらに変わっていったという感じですか。

MOMOKA:そうですね。サビの前に一小節入れるとか、そういうのが結構ありましたね。結構曲の聴こえ方も変わってくるなと思いました。レコーディングをやりながら、アレンジしてくださったSoulifeさんとかと一緒に、「あれ、あったほうがいいよね」とか言いながら、それもとりあえず自分たちの声でやってみて、それがよかったら使う、という風な感じでした。キーとかも話し合いながら決めていたりします。

――では、サウンド的にはどうですか? どういう聴きどころがありますか。

Nono:2番のAが急にちょっと曇った感じになっているんですけど、そこが「人混み ぶつかり合う交差点/分かり合えないことだらけ」という歌詞とすごくマッチしているんです。自分の心の声がそのまま歌詞になっているみたいで、私はそこが好きですね。

MOMOKA:最初に聞いたとき、すごいハッとしたよね。

Nono:元々なかったので…。

――全体的にフィルターがかかっているみたいなところですよね。

MOMOKA:フィルターっていうんですかね? あるのとないのでは曲の印象が大きく違って聴こえましたね。

Nono:あとはこの曲、3サビとAメロとの差が激しくて…。サビは割と高いんですけど、3サビでまた転調するんです。そこも元々は転調しない予定だったんですけど、より一層意志の強さを伝えるために転調しようという、ってレコーディングの途中で決まったんです。

MOMOKA:3サビは1、2サビ以上にフェイクが多いし、ロングトーンですし。

――いろいろと工夫されているんですね。サウンド的にも、最初はギターが8ビートを刻む抑えた感じのロックから始まります。その部分は葛藤だと思うんですけど、音が抑制されている分、そういった感情が浮き彫りになりますよね。派手なダンスミュージックではそうなりません。

ami:そうですね。

MOMOKA:でも、それがすごい「未来飛行」っぽくていいなと思います。これが逆に派手だと、歌詞とのギャップができちゃうと思うし、この歌詞だからこそこのサウンドですごくいいなと思います。

――その部分が後の飛躍のための“助走”になるわけですよね。

観に来ていただいた方には後悔させません! なので、ぜひ来てください!(MOMOKA)

――続いて「流星のパノラマ」です。ロマンティックですねぇ。

ami:本当に!

――みなさんはこんな経験あるんですか。

ami:ないですね。してみたい!

――これは…学校ですかね。

MOMOKA:そうですね。

――学校って、こんな時間に屋上上がっちゃいけないんじゃないでしょうか!?(笑。

ami:本当はね。そこは曲のファンタジーとして(笑)。でも、すごく甘酸っぱい気持ちがちりばめられていて、恋心を星に例えるということ自体がロマンティックですし、私たちも大好きな歌詞が1行あるんです。「無数の星のひとつじゃなくて/一番星になりたい」というラインなんですけど、本当にこの曲のテーマだなと思っていて。すごくもどかしくて、なかなか思いが伝わらない可愛さというのが、恋をしている同世代の女の子はすごく共感してくれるだろうし、なかなか恋とかに奥手な子でも、少女漫画を読んでいるようにキュンキュンできる可愛らしい曲なので…。私たちもレコーディング中キュンキュンしながら歌ってました!

――皆さんの曲には結構メッセージをガンと出しているものが多いと思うんですけど、これはちょっとそういう系ではなくて、乙女な感じですよね。

ami:そうですね。乙女な感じです。フフフ。

MOMOKA:結構な乙女ソングです。

Nono:アハハ(笑)。

ami:本当にキラキラ!

MOMOKA:サウンドもすごくキラキラしていて。

――ハウスビートで、EDMっぽい要素もちりばめられていて。

ami:キラキラしていて、振り付けもとても女の子らしくて可愛いので、私たちのお気に入りソングです。

――「未来飛行」とは対照的でもありますよね。では、続いて「swing swing swing」。

Nono:これはライブでめちゃくちゃ盛り上がる曲になっています。

――「横浜DeNAベイスターズ tvk中継テーマソング」なんですね。チアコールみたいなのも入ったりして、応援歌みたいですよね。

ami:はい。

――野球はお好きですか。

ami:好きです。2年前に高校野球のテーマソングをさせていただいたことがあって、野球に関わることは何度かあったんですが、プロ野球のテレビ中継テーマソングというのは初めてで…。歌詞には「ゲッツー」とか「ファインプレー」とかそういう野球用語が入っています。そして、振付けは実は私たちが作っているんですけど、随所に野球要素を入れてるんです。タオル曲にしているんですが、「swing」ということで、タオルをバットに見立てて、打ってみたり、投げてみたりと遊び心を入れた振りになっています。すごく楽しい曲なのでライブでも盛り上がります!

――なるほど、ベイスターズ頑張って欲しいですね。

一同:ですねっ!

――でも、兵庫出身のamiさんは…□■

ami:そこは…あの…(笑)。

一同:(笑)。

――続いて「代わりにこの歌を」。これは「ソニーミュージック主催全国作曲コンクール」の入選楽曲とのこと。これもJ☆Dee’Zらしいですよね。頑張っている人の背中を押すというか、きっかけを作るという意味合いもあって。この曲はバラードです。

MOMOKA:はい、J☆Dee’Zにはなかなかない曲調ですね。

Nono:これは家族に対する愛を歌った曲なんですけど、自分たちと同世代の子は、家族に素直な気持ちを伝えられないことも多いと思うんですけど、私自身もそうなんですが…。この曲を聴いた時に、ちゃんと「ありがとう」とか「ごめん」って言わないといけないなと思って、これを聴いて帰った時に実際に伝えたんです。なんかすごくこの曲を聴くと素直な気持ちになれるというか…。とても温かい曲なので、たくさんの人の心を温めてくれそうだなと思いました。

――これは家族に対する愛なんですね。

Nono:そうです。

――汚れた大人は恋愛かなと思ったんですけど…(笑)。

Nono:あぁ、私たちもそう思ってました。

ami:私たちも最初にこれいただいた時は「失恋ソングかな」と思っていたんです。切ない感じがすごくして、「愛している」とか言っているので…。この曲を作ってくださったisotonicさんという方とレコーディングの時にお会いしたんですが、その際に、この曲を作った時の心境とかこの曲に込めた想いとかが綴られた手紙と手づくりの絵本を、私たちにプレゼントしてくださって…。

――絵本をですか。

ami:はい。その絵本と手紙には「この曲は17歳の時に作った曲で、当時なかなか家族に伝えられなかったことを代わりにこの歌で伝えたいんです」と書かれていて…。私たちもそこで初めて知ったんですけど、そう思って聴くと、切なさもありますけど、温かさの方が強いなと感じたんです。なので、すごく大事にしたいと思いました。

――恋愛というふうに捉えることもできると思いますが、家族と捉えると、またちょっと曲の彩りが違ってきますよね。

MOMOKA:そうですね。この曲は、デモで来た時はピアノと声だけだったんですけど、レコーディングしていくうちにアレンジもどんどん変わっていって、今では結構エレクトリックというかEDM要素もちょっと入ってきて、J☆Dee’Z要素も入ってきているなって思いました。でも、コーラスが少なくて、2サビの2行しか入っていないんです。また、ユニゾンがなくて、一人で歌うところがほとんどなんですよ。しかも、1つのパートがすごく長いので、それを1人で全部表現しなきゃいけなくて…。でも、その分いつもできないような表現ができると思うので、そこを注目して欲しいなと思います。

――なるほど。シンプルで、その代わりじっくりと表現していくという感じですね。

MOMOKA:あまりダンスをするような曲ではないと思うんですけど、だからこそ、言葉でストレートに伝えることができる曲だと思います。

――では最後に一言、8月19日から東名阪ツアーが始まりますが、ツアーの意気込みを一言ずつお願いたします。

Nono:ツアーは約3年ぶりなんです。ハモリが入ったりとか曲調が大きく変わってから東名阪ツアーをするのは初めてなので、私たちの今の成長をたくさんの人に感じてもらえるように、私たちもパワーがすっからかんになるぐらい出し切りたいと思います!

ami:ツアーが8月末で、もう夏が終わる頃なので、夏の最後の思い出にJ☆Dee’Zのライブに足を運んでいただいて、「今年の夏の思い出は何?」と訊かれたら「J☆Dee’Zのライブだったなぁ」と言ってもらえるような、思い出に残るようなライブを作っていきたいと思っています。今、絶賛準備中ですけど、真っ白な心で真っ向勝負したいと思うので、ぜひ来ていただきたいと思います!

MOMOKA:そうですね。ツアーが3年ぶりということもあって、前回のワンマンライブの後から、基礎から新たに練習したりもしているので、自分たちの中でも“勝負”というか…。ツアーに向けてしっかり準備もしてきているので、自分たちの成長を見せたいなと思いますし、観に来ていただいた方には後悔させません! なので、ぜひ来てください!

(取材・文:石川真男)

J☆Dee’Z 商品情報

8thシングル『未来⾶⾏/流星のパノラマ』
2018.7.25 release!!

■通常盤(CD)SRCL-9851
1,200円(税込)

<CD収録内容>※初回通常共通
M1.未来⾶⾏
M2.流星のパノラマ
M3.swing swing swing
M4.代わりにこの唄を

■初回⽣産限定盤(CD+DVD)SRCL-9849〜50
2,000円(税込)

<DVD収録内容>※初回⽣産限定盤のみ収録
J☆DeeʼZ LIVE 2018 –Feeeeel!!!-@渋⾕WWW X
01.Melody
02.Crazy For You
03.三⽉
04.全部好き。
05.カラフルジャンプ
06.あと⼀歩

J☆Dee’Z ツアー情報

約3年ぶりの東名阪ライブツアー開催決定!!

J☆Dee’Z
SUMMER LIVE TOUR 2018
~未来飛行~

■8/19(日) 16:30/17:00
名古屋RAD HALL

■8/26(日) 16:30/17:00
OSAKA MUSE

■8/29(水) 18:00/19:00
SHIBUYA CLUB QUATTRO

J☆Dee’Z プロフィール

平均年齢17才・本格派ボーカル&ダンスグループ J☆Dee’Z(ジェイディーズ)
2010年にキッズダンス雑誌「DSK」より、全国各地からオーディションで集められたメンバーでダンスグループとしてJ☆Dee’Zが誕生。
多くのダンスバトルやコンテスト、ファッションモデル等の活動を経て、2012年にLOTTE Sony Music 歌のあるガムプロジェクト「NEXT」で、8000組の中からグランプリを受賞し、2014年にソニーミュージックレコーズよりメジャーデビュー。

2016年にはメンバーの卒業を受け、Nono(16才)・ami(17才)・MOMOKA(18才)の3人新体制で再スタート。
今までのキッズダンスグループとしてダンスを武器にしていたパフォーマンスに、ボーカル力を重点的に鍛え直し、全て生歌でコーラスも取り入れるグループへ進化。
ダンスには、現代のタップダンスともいえる、新しいリズムを奏でながら踊る”ボディーパーカッション・ダンス”を取り入れ、ボーカル&ダンスグループとしては類を見ない、生歌・コーラス・ボディパを奏でる唯一無二のパフォーマンスを発信。
そのエモーショナルなパフォーマンスと、メッセージ性の強い楽曲が話題を呼び、2018年3月にはTBS「CDTV」でイチオシアーティストに選出される他、数々の高校野球中継テーマソングや日本女子バスケットボールリーグの公式応援アーティストに選ばれる等、今、各界隈から高い注目を集めている3人組。

メンバー プロフィール

Nono
[BIRTH]2001.07.27in Tokyo
twitter:@Nono_JDeeZ

ami
[BIRTH]2001.03.01in Hyogo
twitter:@ami_JDeeZ

MOMOKA
[BIRTH]2000.03.13in Yokohama
twitter:@MOMOKA_JDeeZ


公式サイト
http://www.j-dz.com/

公式ツイッター
@JDeeZ_official


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